ニッポン全国、猫ブーム到来中 「働く猫さん、こんにちは!」
ネコ市長、ネコ駅長、ネコ城主 ほか
ただいまニッポン中で猫ブームが到来中。
アイドル猫が誕生すれば、その地域も活性化する。
全国各地で活躍する猫の「職場」を訪ねてみた――。
猫駅長や猫館長見たさに足を運ぶ観光客。その経済効果は「ネコノミクス」とまで言われるようになっている。
たとえば上で紹介した「こにゃん市」は、滋賀県湖南市観光協会が推進する仮想都市。毎年立候補猫を告示→選挙し、市長になると観光イベント出席などの「公務」がある。今年4月に当選した8代目「きゃら」市長は、平素は湖南市の旅行代理店で「猫店長」も務める兼務市長だ。
岩手県奥州市立胆沢(いさわ)図書館は、’17年に猫本を専門としたコーナー「猫ノ図書館」を開設。そのマスコットとして地元利用者の飼い猫「むぎ」を館長に任命したところ、知名度が急上昇したという。
「むぎ館長会いたさに何度も来てくださる方が増えて、猫本の貸出率も上がっています。むぎ館長は一般書のコーナーまで巡回することもあるのですが、苦情が出たことは一度もありません」(胆沢図書館主任司書・渡辺貴子氏)
むぎ館長は当初1年の予定だったが、人気ぶりから任期更新となったほどだ。
公共の場で活躍する猫といえば、貴志駅の名誉永久駅長「たま」が元祖だろう。
廃線寸前の貴志川線を南海電鉄から引き継いだ和歌山電鐵が、貴志駅の売店に住む三毛猫たまを駅長に任命したことで乗客が急増、その経済効果は11億円とも言われている。現在、天寿を全うしたたまに代わり、貴志駅には「たまⅡ世(通称ニタマ)」駅長が就任、ニタマの元で駅長見習いをする猫もいるなど「猫戦略」は拡大の一途を続けている。
ネコ市長
滋賀県 湖南市(こにゃん市)
撮影:菊地弘一(さんじゅーろー)