ワリエワ ロシアがドーピング疑惑だけでない「もう一つの心配事」 | FRIDAYデジタル

ワリエワ ロシアがドーピング疑惑だけでない「もう一つの心配事」

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いろんな意味で世界の注目を集めているワリエワ選手(共同フォト)
いろんな意味で世界の注目を集めているワリエワ選手(共同フォト)

2月7日、フィギュアスケート団体戦で、2大会ぶりに優勝したROC(ロシア・オリンピック委員会)。2位の米国に9点差をつける圧勝劇だった。

その立役者は15歳のカミラ・ワリエワだ。女子として五輪史上初の4回転ジャンプを成功させるなど、女子のSP(ショートプログラム)とフリーでともに1位(10点)の活躍で、衝撃の五輪デビューを飾った。

「女子フリーでは、4回転サルコーとトーループを連発し、ノーミスだった2位の坂本花織に30・26点差の強さでした。地元のロシアのテレビ局が付けた異名は『絶望』。確かにライバルにとってはお手上げの存在です」(スポーツ紙デスク)

そのワリエワが今、ドーピング疑惑に揺れている。

「欧州の複数のメディアが9日、『北京五輪前に行われた薬物検査で、禁止成分とされている血管拡張作用があるトリメタジジンが検出された』という旨を報じ、団体戦で獲得した金メダルの剥奪や個人戦の出場停止の可能性が浮上していた」(前出・スポーツ紙デスク)

一方で、『薬物は競技力向上のためではなく、心臓に疾患がある場合に使用されるもの』という内容の報道もあり、翌10日になると、ロシアのメディアが《調査が終了し、個人戦に出場することが決まった》と、相次いで報道した。

「ロシアメディア『Championat』は、内部での議論の結果、ワリエワの疑惑が晴れて予定どおり個人戦に出場することが決まったと報じ、ロシアメディアの『OKA』も『ワリエワは世界アンチ・ドーピング機構(WADA)から罰を受けることはない』などと伝えています。

ただ、ロシアの各メディアは『この決定がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に持ち込まれる可能性が残されている』とも指摘し、個人戦の終了後に再び、問題視されることもありそうです」(前出・スポーツ紙デスク)

WADAの規程により、16歳未満のアスリートは正式に発表などが行えないため、ワリエワの肉声は聞こえてこないが、現地から「彼女の心配事は、それだけではない」という話が流れてきている。

「それはコロナ感染です。代表選手であれば、彼女に限らず誰もが不安ですが、ROCのフィギュアスケート女子代表の3人娘は17歳以下です。昨年11月、ロシア通信の取材に対し、ROCのポズドニャコフ会長は『未成年者へのワクチン接種が認められていないため、私たちの選手が隔離されることはないとIOCに確認した』と語っていました。

つまり未成年の彼女たちは、ワクチンを打つことができなかった。一般的に予防接種で免疫ができることで、再び感染症にかかりにくくなり、かかっても症状が軽くなるだけに未接種の彼女らは不安を抱えているでしょうね」(スポーツジャーナリスト)

7日のアイスホッケー女子1次リーグA組カナダ対ROC(ロシア・オリンピック委員会)は、両チームがフェースマスクの下にマスクを着用して行われた。

「予定されていた試合開始時間になっても、リングに現れたのはROCの選手だけでした。ロイター通信は『カナダの地元メディアは、ROCがカナダ側に新型コロナウイルスの検査結果を通達していなかったため、カナダは会場入りを遅らせた』と報じていました。ROC側は先週、6人の陽性者が判明し隔離に入っていただけに、カナダ側が不安を覚えたのも納得できましたね」(前出・スポーツジャーナリスト)

第3ピリオドでは、ROCがマスクを外してプレーするなか、カナダは最後までマスク着用のままだった。NHKは速報で、

「大会3日目の6日までに、新型コロナに感染が確認された各国の選手やチームの関係者は142人で、スキーのジャンプやノルディック複合のトップ選手が感染したケースも明らかになっています」

と報じているが、続報が聞かれない。

「大会組織委員会からの発表がないためだと思いますが、現地ではバブル内感染も起きて、選手も報道陣も不安が募るばかり。ROCはフィギュアスケート団体戦で、通常は個人戦を見据えてSPとフリーで別々の選手を起用するところをワリエワ1人に任せた。

本気で金メダルを獲りにきたとも見えますが、『コロナのリスクヘッジではないか』という声も聞かれました。ワリエワ以外にも、昨季世界女王のアンナ・シュバルコアと複数の4回転ジャンプが跳べるアレクサンドラ・トルソワの豪華布陣ですから、個人戦の金メダルは取りこぼしたくない」(前出・スポーツ紙デスク)

フィギュアスケート女子で、史上初の表彰台独占を狙うROCに、ドーピング疑惑以外でも暗雲が立ち込めてきた――。

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