悲劇も笑顔で…羽生結弦「テレビに映らなかった神すぎる振る舞い」 | FRIDAYデジタル

悲劇も笑顔で…羽生結弦「テレビに映らなかった神すぎる振る舞い」

北京冬季五輪 本誌特派記者は見た! 「悲劇のSP」の直後にも「神対応」をみせた羽生結弦、 自分のランが終わったあとも弟の滑りをじっと見続ける平野歩夢、 会場に響き渡った小林陵侑の雄叫び……

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2月10日のフリー前、スケート靴のエッジカバーを額に当てる羽生。感謝の意味を込めたルーティーンだ
2月10日のフリー前、スケート靴のエッジカバーを額に当てる羽生。感謝の意味を込めたルーティーンだ

「僕の中では満足した4回転半だったと思っています」

2月14日、北京のメディアセンターで会見を開いた羽生結弦(27)は、自身の五輪をそう振り返った。

「会場は立ち見が出るほど人が詰めかけ、会場の外には羽生ファンの中国人スタッフによる『入り待ち』の輪ができていた。会見の約15分前に羽生選手が会場入りすると、『キャー!』という黄色い歓声が飛んでいました」(全国紙記者)

北京冬季五輪では多くのアスリートたちが伝説を生み出した。しかし、そんな彼らもテレビカメラに映らない場所では、また違った素顔を覗(のぞ)かせていた。

本誌特派記者が羽生の「神対応」を目撃したのは、2月8日。ショートプログラムでリンクの穴にはまり、冒頭の4回転サルコーを「ミス」するという悲劇が起きた直後のことだ。羽生が「キス・アンド・クライ」で自身の得点を見届けたあと、会場には宇野昌磨(24)の名前がコールされた。すると羽生は大きな拍手で宇野を出迎えた。単なる礼儀としてではなく、テレビカメラが切り替わったあとも、しばらく拍手をし続けていた。

競技を終えると、選手たちはキス・アンド・クライの裏側にある衝立(ついたて)で仕切られた通路を通って、リンクをあとにする。テレビには映らず、ほとんどの観客席からも見えない場所だ。しかし、記者席にいた本誌記者の位置からは引きあげる羽生の姿が確認できた。衝立で仕切られた通路を通ってリンクから出る際、ドアの開閉役のスタッフに対して、深く頭を下げていた。自身の演技を終えて、まだ10分も経っていないときのことだ。

この日も、そして10日のフリーの演技のあとも、羽生は取材後に報道陣に深々と頭を下げた。フリーのあとは計5回もお辞儀をして、最後は頭を下げながら取材エリアを去っていった。

スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢(23)。2月11日の決勝の2本目では、「トリプルコーク1440」などの難技を完璧に決めたにもかかわらず、得点が暫定2位にとどまるなど、物議を醸(かも)した。

この2日前の9日、本誌記者は平野のある姿を目撃していた。この日は予選が行われ、平野は93.25点という高得点を出し、1位で予選突破を決めた。だが、滑走を終えた平野がなかなか選手控室に向かおうとせず、取材エリアで立ち止まっていた。実は平野は自分のランが終わったあと、弟の平野海祝(かいしゅう)(19)の滑りをじっと見つめていたのだ。

「自身のソチ五輪での滑りを見てスノーボードを始め、今回が初の五輪出場だった弟のことが自分のことより気になったのでしょう。決勝では海祝も9位に食い込んだだけではなく、最高7.4mのビッグエアを決め、会場から大きな歓声を集めていました」(スポーツ紙記者)

男子スキージャンプの小林陵侑(25)はノーマルヒルで金メダル、ラージヒルで銀メダルを獲得した。2月12日のラージヒルの決勝1本目、小林は142.0mの大ジャンプを決めた。五輪の歴史の中でも、ジャンプ競技では過去3名しか達成していない「個人2冠」を確信したのか、会場に小林の「うらあー!!」という雄叫びが響き渡った。

「後続のノルウェー選手に抜かれて、惜しくも個人2冠は達成できませんでした。しかし14日の団体では、チームとしては5位だったものの、個人としてはジャンプ2本の合計点が全出場選手の中で1位でした」(同前)

次回五輪での「個人2冠」も十分あり得るだろう。アスリートたちの伝説は、まだまだ続いていく。

ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢。疑惑の2本目では会場からジャッジ席に大きなブーイングが飛んだ
ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢。疑惑の2本目では会場からジャッジ席に大きなブーイングが飛んだ
ジャンプラージヒルで、着地後にガッツポーズをする小林陵侑。マイナス20度近い過酷な環境で飛び続けた
ジャンプラージヒルで、着地後にガッツポーズをする小林陵侑。マイナス20度近い過酷な環境で飛び続けた

『FRIDAY』2022年3月4日号より

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