人気俳優がFP1級を取得し舞台との「二刀流人生」を歩む理由 | FRIDAYデジタル

人気俳優がFP1級を取得し舞台との「二刀流人生」を歩む理由

『ウルトラマンネクサス』の主演もつとめた川久保拓司の「資産運用俳優」という生き方

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
前回2018年に上演された舞台『ピアフ』。主演の大竹しのぶとともに川久保拓司も熱演した(写真提供:東宝)

俳優 川久保拓司が昨年6月にスターダストプロモーションを退所し、独立した。スターダストの同期に山田孝之がいる。17歳でスカウトされて芸能界での仕事をはじめた川久保は、事務所から独立しても、2月24日からはじまる大竹しのぶ主演の舞台『ピアフ』への出演のほか、かなり先までスケジュールが埋まっている。

味のある俳優として多忙を極める中で、俳優としての活動はこれまで通りに続けつつも、ファイナンシャルプランナー(FP)としての事業を始めたのだ。おそらく日本に唯一であろう“資産運用俳優”という肩書きをひっさげ、彼が目指すのはどんなところなのだろうか?

国家資格である、FP技能検定1級の筆記試験に合格し、2月には実技試験を受験する。2歳と5歳の男の子の父として子育てもしつつ、俳優業も……忙しい中でどのように勉強したのか聞いてみたところ、自身がかつてCM出演もしたことのあるマクドナルドの「朝マック」で勉強したのだという。

「朝4時に起きて、5時からマックで勉強しました。人生の目標は“あたたかい家庭を築く”なんです。この早朝の数時間が、僕にとって、とても貴重な時間。FPの1級は学科が合格率10%という難関試験なので、結構がんばりました。残すは実技試験です」

FP1級の試験内容は、2級までとは比べ物にならないほど難易度が高い。受験資格を得るために、1年以上の実務経験あるいはその他の研修を受ける必要がある。一般的にほかの仕事をしながらのFP1級取得はかなり難しいとされている中、川久保は見事に筆記試験をパスした。彼は既にFPとしても注目を集め、1月に行われた「資産運用Expo」では100人のセミナールームに対して、200人超えての参加申し込みがあったそうだ。

俳優の道に進む前の挫折

川久保が幼いころに目指した職業は、サッカー選手だった。プロを目指し、帝京高校のサッカー部に入部した。しかし、入部早々、周囲のレベルに圧倒され、退部することになる。川久保は、それが人生初めての挫折だという。当時の家庭の経済状況を考えて、都立高校に編入した。それでもサッカーは続け、プロテストを受けるまでに至ったが、結果は不合格。

サッカー選手を諦めたとき、高校在学中にスカウトされていた芸能界事務所のことを思い出し、レッスンに行ったことから俳優への道が開けたのだ。華々しい世界に求められ、志望した立教大学経済学部にも合格したが、心にはいつも影がちらついていた。金銭感覚が鈍かった64歳でなくなった父が反面教師になったという。それが、ファイナンシャルプランナーという仕事に興味をもった理由のひとつだ。

「結婚して子どもが生まれたときに、ヤバいと思ったんです。自分の幼少期はあまり裕福な家庭ではなかったこともあって、家族に不安な思いをさせないために、俳優以外に何かしなくちゃと思ったんですよね。自分ひとりじゃなくなった瞬間から、本当は人生で何を成し遂げたいんだろうと考え始めました。

僕がまだ学生時代に、危うく母が催眠商法で布団を買わされそうになったことがあったんです。膝のサポーターを無料配布すると聞いて、祖母のためにと会場に出向いた母は100万円の布団を買わないと帰らせないと強面の人達に囲まれ、怖い目に遭いました。千円ほどで買えるサポーターのために……とやりきれなくて。お金がないということはこんな目にも遭うのかと。そのことが脳裏に焼き付いています」

ただ、当時まだ学生だった川久保さんは家族の生活費を賄えるほど自分で稼ぐことができておらず、「僕がなんとかするから心配するな」と言えない歯がゆさも抱えながら過ごしていた。そんな経験が、「お金の不安がない、というだけで幸せの方向に向かう」という根本的な考え方を形作った。

「(FPを始めたのは)大学時代の同期で仲のいい9人の影響も大きいです。経済学部の英語のクラスで同じだったメンバーで。彼らの仕事の話を聞いていて、ビジネスへの憧れをもちました。みんな業種はバラバラ。彼らの話を聞くと、いろんな仕事があって、人を幸せにする方法はたくさんあると実感しました。俳優をやっている20年の間に、東日本大震災があって、コロナがあって……そのたびにエンタメって世の中に本当に必要なのか?と思ったりしたこともありました」

苦しい時期を思い出しながら語る川久保(撮影:渡辺知寿)

しかし、20代の頃の川久保はお金に対して、実際には父と同じようなマインドをもっていたという。子どもが生まれてからお金について勉強し、改善していった経験から、FPという仕事に使命感をもった。

「芸能界で美談としてフォーカスされる成功者の影には、夢を抱いて借金でボロボロになって辞めていった人が山ほどいて。それは全面的に否定したい。成功するorボロボロの2択ではない。その間には様々な選択肢があるのだと提案したい。そのうちのひとりに、僕がなりたいと思ったんです」

家族に対しても顧客に対しても大切なのは「ヒアリング」

FP3級、2級まではトントン拍子に合格したという川久保。実は必要に迫られて勉強していた内容が、FPの試験内容と重なっていたのだとか。

「父が脳溢血で倒れて、家族の遺産相続のことを調べたり、保険に入らないといけなかったり、不動産投資にも興味があってセミナーに通ったりしていた時期がありました。FPの試験は5科目くらいあって、その中で保険、遺産、税制、不動産について既に勉強できていたために、3級にサクッと合格したんですよね。テキストを読むというより、週刊コミック誌を読むように「おもしろーい!」と読んで、散らばっていた知識をまとめただけ。そこから少し掘り下げたのが2級。そして勉強に火が付いたのが、1級です。

僕はいま40歳。64歳で父がなくなっているんですが、もし僕も同じような年齢で……って考えたら人生の後半戦。やりたいと思ったことは二の足を踏んで次の機会を待つのではなくて、僕はもう、その場でやる!と決めました」

ふたつも仕事を持っていて、家族との時間は取れるのだろうか?

「幼稚園や習い事の送迎は時間が合う限りやってます。いちばん心掛けているのは、疲れて帰っても、家の前についてドアを開ける前に“よし!ここからは別世界!”と、気持ちを切り替えて子どもたちとめちゃくちゃ遊ぶことにしているんです。間に合えばお風呂に入れて、ごはんを食べさせ、遊ぶがメイン。

 2人目が生まれたころは、よく喧嘩もしたのですが。妻が子どもたちから手が離れて家事に集中できる方が楽だというのはヒアリングしないとわからないことですよね。そこはFPの仕事と同じで、自分の考えを押し付けるんじゃなくて、“どういう人生を描きたいですか?”と聞くことを大事にしています」

かけがえのない家族との時間。2つの仕事をしていても、2人の子供とは全力で向き合うという(提供:川久保拓司)

スターダストを辞めて起業するといったとき、奥様がどんな反応をしたのかが気になった。

「“いいじゃん!やっちゃえ、やっちゃえ!”でした(笑)。信じてもらっているという心強さと、自分が折れたら共倒れだというプレッシャー。失敗したらどうする?なんてことも全く聞かれませんでした」

一部の人からは、怪し目で見られ、「フラフラしているから、俳優として花開かないんじゃない」といった心無い言葉をかけられることもあったそうだ。それは日本人の金融リテラシーが低いことが影響しているのかもしれない。

「高度経済成長期は、銀行に貯金するだけで今では考えられない利率の金利がつきました。ただそこで、当時の証券マンに勧められて株を買って、人によっては大暴落を経験をして、“運用なんていうのは悪い奴がやることだ”と次の世代に伝えた、その考えがいまだに抜けきっていない。それが日本経済の低迷にもつながったと思います」

パラレルキャリアが当たり前の時代になりつつあるが、まだ否定派もいるようだ。川久保自身はふたつの仕事をどのようにとらえているのだろうか?

「別ジャンルでそれぞれの仕事で励みになる様なシナジーを感じています。事業を始めてからの方が、より役者にも100%打ち込めるようになったし、モチベーションも上がりました。批判を覚悟で新しいことを始めたこと……役者の片手間ではないです!俳優としてお客様に幸せを届けることまた、FPとしてお金の不安を取り除いて幸せにつなげること、ベクトルは一見、反対に見えますが、人を幸せにするという意味で同じことなんですよね」

自分がより心地よくなるために何から見直せばいいのか。日本で唯一とも言える「資産運用俳優」が具体策を授けてくれるに違いない。

【オンラインサロンEAGAKUBA】
川久保拓司「もう仲間になろうよ

【資産運用に役立つ知識をゼロからレクチャー】
資産運用俳優 川久保拓司の『知る知るtube』

【出演情報】
舞台『ピアフ
作:パム・ジェムス
演出:栗山民也
出演:大竹しのぶ、梅沢昌代、彩輝なお、中河内雅貴、上原理生、竹内將人、山崎大輝、川久保拓司、前田一世、たかお鷹 ほか
※未就学児入場不可

2004年から放送された約8か月放送された『ウルトラマンネクサス』の主人公、孤門一輝隊員役を演じた(©円谷プロ)
1月に都内で行われた「資産運用Expo」にて。100人のセミナールームに対して、200人超えての参加申し込みがあった(撮影:渡辺知寿)
撮影:渡辺知寿

撮影:渡辺知寿

  • 取材・文上紙夏歡

    (うえがみ なつか)ライター/ビューティープランナー。ルミネtheよしもとにて、吉本新喜劇の女優として出演していたという、異色の経歴をもつママライター。多くの雑誌やWEBで美容から旅行、インタビュー記事などを執筆している。また、化粧品などの商品開発を手掛けるほか、生放送のTV通販番組にも出演中。
    趣味は台湾ドラマ鑑賞で、特技は中国語(HSK5級)。台湾との二拠点生活を夢見ている。

  • 撮影渡辺知寿

Photo Gallery7

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事