準優勝校落選の不可解選考で分かった「センバツ問題の深層」 | FRIDAYデジタル

準優勝校落選の不可解選考で分かった「センバツ問題の深層」

東海大会準優勝の聖隷クリストファーがまさかの落選 高野連は明確な説明をせず、幕引きを強調 各界から疑問の声が噴出!

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聖隷クリストファーの上村監督兼校長。選考に納得はしていないが、高野連に対し抗議は行わないとしている

「聖隷(せいれい)は昨秋の東海大会で、主力を欠きながら粘りを見せ、準々決勝・準決勝を2戦連続で9回に逆転勝ちして準優勝しました。これだけの結果を残した聖隷に対し、『個人の力量』を理由に落選させたのはどう考えてもおかしい。面識のある指導者と話していても、みんな『今回の選考はありえない』と言っていますよ」

そう語るのは、松坂大輔らを育てた名伯楽として知られる横浜高校野球部元部長の小倉清一郎氏だ。

昨秋の東海大会で準優勝した聖隷クリストファー高校(静岡)が、まさかのセンバツ落選。理由は、聖隷よりもベスト4だった大垣日大(岐阜)のほうが「個人の力量に勝る」から――。過去40年以上にわたって準優勝校は選出されていただけに、東海地区の選考委員会が下した前代未聞のこの決定には、各界から疑問の声があがっている。

前出の小倉氏や智弁和歌山名誉監督の高嶋仁氏ら高校野球の名将たちだけでなく、ダルビッシュ有や上原浩治氏ら球界の大物たちも高野連を批判。さらには、浜松市長や静岡県知事まで怒りのコメントを発表する事態に発展した。

聖隷OBも33校目の出場を目指し署名活動をしており、すでに1万人を超える署名が集まっているという。しかし、そんな批判の声に蓋をするように、高野連は2月10日、「(選考過程の)詳細な内容は公開になじまない」と発表し、幕引きを強調している。

この問題について取材しているノンフィクションライターの柳川悠二氏が語る。

「聖隷の上村敏正監督は私の取材に、『100%出場できると思っていた選手にとって、その100%を失えばどれほどの傷を負うことになるのか、想像してみてください。選手はやりきれません』と語っています。同校の校長でもある上村監督からすれば、教育者としての姿勢をも全否定されたような気持ちでしょう。

センバツ大会を前に事を荒立てるのは本意ではないため高野連に対し抗議はしていませんが、『生徒のために選考過程で何があったのか明らかにしてほしい』というのが本心ではないでしょうか」

東海地区から選出された2校は、同地区の8人の選考委員によって選出された。メンバーの詳細は明らかにされていないが、元慶應大監督の鬼嶋一司委員長、静岡県高野連の渡辺才也理事長のほか、高野連関係者や大学野球関係者が名を連ねているとされる。不可解すぎる選考は、なぜ行われたのか。静岡県高野連の関係者が言う。

「選考会でも意見は割れたそうです。しかし、一部の委員が強く推したことで大垣日大に決まった、と。裏取引や癒着などよからぬ噂も立っていますが、選考委員は純粋に、『大垣のほうが強い』と思ったのかもしれません。東海地区から選出できる学校は2校のみ。その出場枠を増やすために、甲子園で勝てる可能性の高いほうを選んだのでしょう。選考委員からすれば、これほどの大問題になるのは予想外だったはずです」

どんな理由があるにせよ、明確な説明がないままでは、聖隷ナインは心に傷を負ったままになる。選考委員が密室で選出校を決め、その過程を明かさないという現在の仕組みは、すでに限界が来ているのではないか。前出の小倉氏が言う。

「私が横浜にいた頃も疑問が残る選考はありましたが、今回はやりすぎ。特別に聖隷も出してあげないと収まりがつかない。これでは大垣日大も気持ち良く甲子園に出られないでしょう。『地区大会優勝、準優勝校は出場確定』などの明確なルール作りが必要だと思います」

すでに聖隷ナインは夏に向けて練習を再開しているという。今回くらいは、高野連に「柔軟な対応」を見せてほしいが。

センバツ落選後、聖隷ナインは2月3日から全体練習を再開した。選手からも選考への疑問の声はあがったという
東海地区の選考委員長を務める鬼嶋氏。慶應大元監督で、NHKの高校野球解説者としても知られる
『FRIDAY』2022年3月4日号
  • 写真共同通信(上村監督) 時事通信(鬼嶋氏)

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