西郷輝彦さん 週刊誌が「丸抱えスクープ」した辺見マリとの極秘婚 | FRIDAYデジタル

西郷輝彦さん 週刊誌が「丸抱えスクープ」した辺見マリとの極秘婚

芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”

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記者会見で結婚を発表する西郷輝彦さんと辺見マリさん(‘72年)。スター同士の結婚は大いに話題になった
記者会見で結婚を発表する西郷輝彦さんと辺見マリさん(‘72年)。スター同士の結婚は大いに話題になった

《芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”》

『星のフラメンコ』などの大ヒット曲を持つ俳優の西郷輝彦さんが亡くなった。75歳だった。あまりに残念で悲しい話だ。

知らせは2月20日午後、地方テレビ局の社長を務めたことのある知人Aさんからだ。

西郷さんは‘11年に前立腺がんが見つかり全摘出手術を受けた。仕事に復帰していたが、‘17年に再発。腫瘍マーカー、PSAの数値が異常に上がる状況になり、昨年4月に日本人医師の紹介で、最先端治療を受けるためにオーストラリアに渡った。

西郷さんの病状は徐々に良くなっていたようで、昨年9月末に帰国。コロナ禍のためオーストラリアで足止めされ。帰国してからも自宅待機を余儀なくされた。

だが、左肺に水がたまるようになり、ご本人は誤嚥肺炎だと思っていたようだったが、10月に入院。2月5日の誕生日も、自宅で迎えることはできなかった。

20日午前9時41分、帰らぬ人になってしまった。

「まだやりたいことがたくさんある。願いはただ一つ。もう少し好きな仕事をさせて欲しい」

と、YouTubeで語っていた西郷さん。デビュー55周年の記念コンサートは、病気のために2度も流れた。

「中野サンプラザを予約したこともあった。できなかった悔しさはあったでしょうね。事務所には連絡しました。テレビで仕事をしている君には、資料を集める時間が必要でしょうから早く知らせたけど、事務所の発表を待ってね」

と、Aさんにくぎを刺された第一報。彼は西郷さんの病気が治ったら、全国のディナーショーの計画もあったという。

その西郷さんと最初の妻・辺見マリさんとの結婚は衝撃だった――。

私が松竹宣伝部を辞めて週刊女性編集部に入ったころの出来事だ。週刊誌の世界はすごいと思った。

橋幸夫さん、舟木一夫さんとの「御三家」で‟飛ぶ鳥を落とす“勢いで歌謡界をにぎわせていた西郷さんの極秘結婚。その結婚式を仕切ったのは「週刊女性」だった。

二人を別々のハイヤーで、リゾートタウン軽井沢に向かわせる。そして極秘挙式。

私を含め、同じ編集部員の我々も知らされていない。印刷もいつもの大手印刷所ではない。担当者以外は巻頭の数ページに何が入るのかも聞かされていなかった。謎の動きに編集部内でさえ、

「どこか外国のスクープ記事を買って、それが入るんじゃないか」

「誰か有名人が逮捕されたんじゃないか」

などの噂は流れたが、本当に誰も知らない。記事の担当者が誰かも分からなかったぐらいだ。第一特集班の副編集長がいなくても「休みなのかな」くらいだった。

今でいえば、大リーグ『エンゼルス』の大谷翔平選手と有名女優の極秘結婚を、どこにも知られずに丸抱えでスクープしたようなものだろう。

まさに完全独占。週刊誌が取次所に入ったタイミングで、同じ編集部の私たちも大スクープを知ることになる。これがスクープ合戦なのだ、と肌で感じたね。

その後、週刊女性で都はるみさんの極秘結婚をスクープしたこともあるが、西郷さんの時のような大仕事ではなかった。

やっぱり、スクープは週刊誌編集者のやりがいだ。二人の挙式の写真は、おそらく週刊女性にしかないと思う。

西郷さんの再婚は、辺見さんと離婚して9年後の‘90年。お相手は熱海駅前のお土産店のお嬢さん。19歳年下の女性だった。

その話を聞きに熱海に行った。東京に帰る新幹線の中で西郷さんをインタビューしたが、穏やかで暖かく、きめの細やかな人だったな。

その後、私がリポーターになって、歌番組の企画で御三家がそろうチャンスがあった。三人揃ってのインタビュー。一番気を遣ってくれたのが西郷さんだった。

舟木一夫さんとは、割と懇意にしていただいていたので、自慢できるインタビューだったな。コロナ禍じゃなきゃ、カラオケに行って『君だけを』を歌いたいところだ。

15歳で高校を中退し、鹿児島の実家を飛び出して上京。浅草のジャズ喫茶で歌っているところをレコード会社のディレクターにスカウトされ歌手になった。

デビュー曲『君だけを』から56年。俳優としても数々の作品を残した酒豪だった西郷さん。ご冥福をお祈りします。ああ。合掌。

  • 取材・文石川敏男(芸能レポーター)

    ‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、レインボータウンFMにレギュラー出演中

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