『エガちゃんねる』の仕掛け人が明かす「数字を追わない」哲学 | FRIDAYデジタル

『エガちゃんねる』の仕掛け人が明かす「数字を追わない」哲学

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江頭2:50と新たな伝説を作るため

いつも『エガちゃんねる』の撮影で使う和室にて。右手にはチャンネル登録者数100万人を記念する盾が
いつも『エガちゃんねる』の撮影で使う和室にて。右手にはチャンネル登録者数100万人を記念する盾が

「江頭さんは日本最後のサムライ芸人ですね。長年一緒に働かせてもらっていますが、そこは昔から変わってないです」

そう語るのはお笑いタレント江頭2:50(56)の公式ユーチューブチャンネル『エガちゃんねる』を仕掛けた、ディレクターの藤野義明氏(43)。チャンネルは登録者数280万人超えを誇る大人気コンテンツである。現在、その裏側を語った藤野氏の著書『エガちゃんねる革命』が発売中。しかし、本誌のインタビューに対し藤野氏は、著書の中でも語られていないエピソードを語ってくれた。

「’18年の3月に江頭さんがよく出演していた『「ぷっ」すま』(テレビ朝日系)『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)が終了したんです。江頭さんも落ち込んでいましたし、僕もディレクターとして15年間ほど『「ぷっ」すま』で江頭さんと仕事をしていて、もっと一緒に仕事がしたかった。

そこで、また何か新たに始めようという話になりました。早速、江頭さんメインの企画を各プラットフォームに持って行ったのですが、今のご時世、コンプライアンスなどいろんな問題があり弾(はじ)かれてしまった。

破天荒なイメージがある江頭さんがメインの企画書を読んで笑ってくれる方もいたんですが、やはり上の人が通してくれないということが続き、そこで、誰の許可もいらないユーチューブで始めようと考えたんです」

藤野氏は今のように江頭と二人三脚で仕事をできることが一番の喜びだという。

「僕は学生の頃から江頭さんのファンなんです。人生で初めて見たお笑いライブも江頭さんのものでした。一緒に仕事をし始めてから、江頭さんの仕事に対する姿勢やストイックな一面を見て、より魅力的な人だと実感しました。結果的に、身近な場所で一緒に仕事できるユーチューブという形になって良かったです」

過激でぶっとんだキャラクターのイメージが強い江頭だが、藤野氏は、そんな彼の別の顔も見ていた。

「江頭さんは型破りでもあるしピュアな方だとも思います。あと、恋愛はとても奥手。最近は『みなこの圧倒的モテ男TV』というユーチューブチャンネルを見て恋愛を勉強しているとおっしゃっていました。この動画で女の子は押して引くのに弱いと知ってからは、仲の良い風俗嬢に毎朝6時におはようLINEを送ったり、たまに送らないようにして駆け引きを繰り返しているそうです(笑)」

チャンネル開設から2年。『エガちゃんねる』は最高再生回数783万回超のコンテンツとなった。江頭の人柄はもちろん、どこか平成の深夜番組を思わせる構成や現場の雰囲気が、視聴者に「絶対に面白い」と感じさせる。藤野氏はその人気の秘訣を「気にしすぎないこと」だと語る。

「初めは動画に広告をつけるためのコンプライアンス審査をある程度気にしていました。ユーチューブでは乳首を出した動画はNGなのですが、そもそも江頭さんは上半身裸。直前に審査のことを知って考えた結果、『NG』と書いたガムテープで乳首を隠すスタイルになりました。

ただ、コンプライアンスばかり気にしていると自分たちのやりたかったことができなくなる。その塩梅(あんばい)は守っていきたいですね。でもやっぱり江頭さんですから、SM女王の方のルームツアーをするなどやりたい放題やっていたら、ある時Googleさんから警告をうけ、動画を削除され、きちんと正座をして謝罪動画を出すハメになったことも(笑)。

最近ではトリンドル玲奈さん(30)がずっと江頭さんに共演NGを出していたので、あえて共演する企画をやりました。『トラウマになりかねないので追いかけるのはやめてほしい』と彼女のマネージャーさんから言われていましたが、江頭さんは彼女を追いかけていました。しかもムシャムシャとタガメを食べながら(笑)」

最後に『エガちゃんねる』の今後の目標を語ってもらった。

「『エガちゃんねる』を始める時に、”世界の江頭”になるという目標がありました。世界中の人に見てもらえるチャンスですから、海外でも伝説を作ろうと思っています。今は、コロナ禍で本来やりたいことができていない状態です。

再生回数や登録者数などの数字ももちろん大事ですけど、そこがすべてではない。結果としてついてきてくれたら嬉しいですが、僕たちの目標はあくまでも『世界の江頭2:50』です」

1クールのレギュラーより1回の伝説、そんな江頭の魂を体現する動画を武器に、黒タイツの侍が世界へ切り込む。

『「ぷっ」すま』最終回の収録終わりの一枚。真ん中は藤野氏の愛犬「パズー」。『エガちゃんねる』にもたびたび登場
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ハイブランドのショップへ買い物ロケ。様々なNGが出てしまい、全編ほぼモザイクの動画となった
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本誌未掲載カット 『エガちゃんねる』の仕掛け人 藤野義明氏インタビュー
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藤野義明
’78年生まれ、神奈川県出身。
元ケイマックス所属。『「ぷっ」すま』や『さまぁ〜ず×さまぁ〜ず』など主にバラエティ、お笑い番組を手掛ける演出家、ディレクター。
’11年に『株式会社ばんぺいゆ』を設立。代表取締役を務める。’22年2月から著書『エガちゃんねる革命』(宝島社)が発売中。

エガちゃんねる革命 | 藤野 義明(ブリーフ団D) |本 | 通販 | Amazon

『FRIDAY』2022年3月4日号より

  • 撮影鬼怒川 毅

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