会長厳命で『ガッテン!』終了 若返り策にNHK局員も戦々恐々
芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”
《芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”》
「NHKまでかよ!」
と思わせた人気テレビ長寿番組『ガッテン!』の放送終了問題。健康や暮らしなど身近な話題を取り上げ、お茶の間に愛され支持されて27年間も続いた番組だ。
この番組が改編期の3月や9月の時期とはまるで違い、2月初めに消えてしまったのだ。’20年に就任した前田晃伸会長の大改革の一つだという。
民放もスポンサーの関係で、購買力のある若い男女をターゲットに数年前から番組作りを始めている。だが、NHKは受信料を取っていて、しかも払っている多くは中年以上ともいわれているにもかかわらず、
「高齢者をないがしろにして、視聴率を取りに行くのか」
と、問題になっているのだ。
NHKはスポンサーがつかなくても番組は作れるし、作ってきた。だから、NHKは視聴率やスポンサーを気にせず、高齢者向けの番組を多く作れる環境にあるのだ。
もちろん、老若男女に喜んでもらえて、視聴率が取れればいいのだろうけど、そんなにうまくいくはずもない。年末の我々、高齢者のお楽しみ番組である『紅白歌合戦』だって、日本人の根底にある歌謡曲・演歌は、年々少なくなってきている。
SNSなどネットが主流になり、テレビ離れがささやかれ、若者たちがあまりテレビを観てくれない時代が来ている現実。テレビを最大の娯楽として楽しみにしているのは、多くが高齢者なのだ。
だからこそ、NHKにはお年寄りを大切にしてもらいたい…という思いが生まれる。
しかし現体制は、スポンサーの意向で番組作りをしている民放のような番組作りが始まってしまった。
「『ガッテン!』が、中途半端に終わったように見えるのは、冬季の北京五輪との関係なんですよ。3月いっぱいということにしても、五輪の生中継が入る。それだったら、早めに打ち切ろうということになったのです」
と、とあるNHK局員は言う。番組打ち切りを決めたのは、やはり現会長のようだ。
NHKの経営委員会委員長が、
「メガバンクで大きな改革をしてきた実績がある。人をまとめる力や改革を推進する力がある」
という推薦で会長になった前田氏。ご本人は読売ジャイアンツと歌手の三橋美智也さんのファンだというから、お年寄りの気持ちをわかる人だと思うのだが…。
その会長が、『ガッテン!』を打ち切った張本人だというのだ。前出のNHK局員は
「本来長寿番組を打ち切りにするには、最低でも半年以上かけますよ。作家やプロデューサーらと何回も話し合い、結論を出す。そして、トラブルにならないように番組改編期の3月や9月を目安にします。
しかし、今回の『ガッテン!』打ち切りの知らせが、MCの立川志の輔さんの耳に届いたのは昨年の11月末のこと。突然の打ち切りは、会長を含めた数人の幹部によって昨年の秋に決まったようです。決定事項として聞かされた志の輔さんの怒りは、かなり大きなものだったと聞いています」
その会長は、打ち切りを決めたのと同時期の昨年11月に全職員にメッセージを出している。
「NHKを生まれ変わらせるには、職員の頭と行動を切り替え、既存の思考や行動から解き放さなければならない」
と、ぶち上げた。そして、
「今後は、いわゆる『たてのライン』による人事権の行使は一切認めません。(中略)人事異動の最終判断は、私が、適材適所の人事を行います」
とまで言い切った。
局員からは強い反発の声も出た。今年2月に行われた会長会見で、来年の二期目について聞かれ、
「ありません。(次は)77歳を超えているので、(任期中に)しっかりと改革しないと未来はない。中途半端で辞めるのは心残りなので、すべてに手を付けたい」
と言明。この発言に、職員は戦々恐々としているようだ。
2月に行われた会長の定例記者会見では
「大変に好きな番組で、これで終わるの? と驚いた」
と、しれっと話していたけど、最終的にウラで決めているのは彼だからね。
ということは、来年新しい会長が決まるまでには、またお年寄りの大好きな番組が消えることになるのだろうか…。
- 取材・文:石川敏男(芸能レポーター)
- 写真:共同通信
芸能レポーター
‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、レインボータウンFMにレギュラー出演中