露軍の士気が一時低下…ウクライナ市民をナメた「プーチンの誤算」 | FRIDAYデジタル

露軍の士気が一時低下…ウクライナ市民をナメた「プーチンの誤算」

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ロシア軍の攻撃を受けたキエフのマンション

2月24日から始まったロシア軍によるウクライナ侵攻が激化している。ウクライナ政府が3月2日に発表したウクライナ市民の犠牲者は2000人以上。ロシア兵は7000人以上が戦闘で命を落とした。元傭兵で軍事評論家の高部正樹氏は戦況をこう分析する。

「ロシア軍が北、東、南の三方向から攻め入って首都・キエフや第二の都市・ハリコフなどの大都市を目指すのは予想通り。ウクライナが重点的に防衛体制を敷いている北部は善戦しているものの、南部のクリミア半島から侵攻したロシア軍は広い範囲を支配下に置きつつあります。

今回、意外だったのはロシアの地上部隊がかなり早く動いたこと。ロシアほどの航空戦力がある国なら、戦闘機での空爆やミサイル攻撃を1週間ぐらい行い、敵の戦力を叩いてから地上戦力が攻め込むのが定石です。敵の戦力を削ぐと同時に抵抗の意志を折ることもできるので、自軍の被害を減らすことができます。

しかし、今回は空爆と地上部隊の侵攻がほぼ同時でした。ロシアがウクライナ軍を舐めていたか、もしくは早期に決着をつけようとしたものだと思われます。何か焦っているのか急いでいるような印象をここ数日で受けました」

キエフ在住のウクライナ人が撮影した空爆時の写真

高部氏の指摘通り、プーチン大統領(69)はウクライナの早期制圧を目指していたと見られる。しかし、ウクライナ軍の激しい抵抗に遭い、戦況は泥沼化し始めている。

「燃料などの補給がうまくいっていないようです。現在の戦場は国境からそれほど遠くもなく、通常なら兵站が途切れるような距離ではありません。弾薬、食糧、燃料がなくなると最前線が機能しなくなるので、通常は補給の計画は慎重に練っているはずです。それが追い付かないというのは計画自体がない、または杜撰だったということ。

例えばロシア軍はチェルニヒウという北部の都市を迂回してキエフに向かっています。おそらく早期にケリをつけようとしてパスしたのでしょうが、結局この都市での抵抗が激化し、補給に支障が出ているのではないか。戦略上、チェルニヒウは確実に押さえておくべき都市。そうすれば、現在のようにキエフ近くまでいって動きが取れなくなってから、チェルニヒウで激しい争奪戦を繰り広げるハメにはならなかった。どこか作戦に一貫性がないというかドタバタ感が出ていますね」(高部氏)

ロシア軍に予想外のダメージを与えているのがウクライナ軍や市民の積極的なSNSの活用だ。捕虜となったロシア兵の情報が頻繁にネットにアップされ、ロシア本国では反戦意識が高まっている。実際、各地でデモが激化しており、拘束者は6400人以上にのぼった。ロシア軍の士気も著しく低下している。これはプーチン大統領にとっては大きな誤算だろう。

「ロシア軍は早期に決着をつけようとしていたフシがある一方で、侵攻当初に戦力の半分しか投入しないなど、やっていることがちぐはぐなんですよ。これは私の推測ですが、前線の指揮官たちが今回の侵攻にあまり乗り気でないのかも知れません。前線や補給の動きがどこか鈍いように感じます。

さらに、ロシア軍兵士の士気が異常に低いというケースも考えられます。現地の映像などを見ている限り、ロシア軍の士気は高いとは言えない。ネットにアップされた映像の中には『演習だと思っていた』とロシア軍捕虜が証言しているものもありました」(高部氏)

両軍が望まない戦争に巻き込まれ、命を落としている。この戦争になんの意味があるというのだろうか。

ウクライナ国内のスーパーではほとんど品物がない状態に
地下鉄をシェルター代わりに避難をするウクライナ人たち
小学校に避難する高齢者もいる
  • 写真現地ウクライナ人提供

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