情報発信のエキスパートか…ウクライナ大統領「評価急騰の背景」 | FRIDAYデジタル

情報発信のエキスパートか…ウクライナ大統領「評価急騰の背景」

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武装した兵士に守られながら国民へメッセージを発信し続けるゼレンスキー大統領(画像:AFP/アフロ)

19%から91%へ。

これはロシアによるウクライナ侵攻前と後の、ゼレンスキー大統領(44)の支持率の変化だ。ゼレンスキー大統領が世界へ発信する強いメッセージが、国民から賞賛されているのだろう。3月1日には英国『ロイター通信』と米国『CNNテレビ』の共同取材を受け、こう訴えた。

「まずロシアが、罪のない人々を爆撃することを止めなければならない。交渉のテーブルに着くのは、それからだ」

米国のバイデン大統領が暗殺者の存在を示唆し、首都キエフから逃れるよう勧めると、こう言って拒否した。

「私は国民と独立と土地を守るために、キエフにいます。政府高官と一緒です」

世界中が注目するゼレンスキー大統領。もともと政治家ではなく、コメディータレントだったことは有名だ。ウクライナ東部の工業都市クリヴィーリフで生まれ、名門キエフ経済大学法学部を卒業している。

「学生時代からお笑いの才能があることを自認して、卒業後は自身で立ち上げた『第95街区』というコメディ集団を結成。台本、脚本、番組制作なども手がけ、人気コメディ俳優になったんです」(全国紙国際部記者)

現実となった人気ドラマの中身

転機となったのが、15年にウクライナの国営テレビで放送されたドラマ『国民の僕(しもべ)』だ。同ドラマで、ゼレンスキー氏は大統領に就任し、ユーモアも交えながら政界の汚職や不正と対決する素人政治家を好演。国民的な人気を得る。

「圧倒的な人気に押され、ゼレンスキー氏はドラマと同名の政党を立ち上げ、『作品の続編を現実にする』と実際に大統領選出馬を表明。19年4月、得票率70%以上の強さで第6代大統領に選出されます。当時41歳の若さです」(同前)

だが、政治経験のないゼレンスキー氏にとって、大統領就任当初は逆境の連続だった。東ヨーロッパ情勢に詳しい筑波大学の中村逸郎教授は、『FRIDAYデジタル』の取材にこう語っていた。

「ゼレンスキー大統領の大きなつまづきの一つが、コメディ集団『第95街区』の映像スタッフらを政権の中枢に据えたことです。政治の素人たちの集まりでパフォーマンスが優先し、行政の現場では実績をあげられませんでした」

国内は混乱し、ゼレンスキー大統領の支持率は低迷する。迎えた、ロシアによる侵攻ーー。未曾有の国難にもかかわらず、一転し支持率は高騰。国内外から絶賛されるようになった背景には、それまでマイナスと考えられていた映像スタッフの存在があるようだ。

「彼らには、最新のデジタルスキルやイメージ戦略があります。ネットやSNSなどを駆使し、強いメッセージを発信し続けているんです。2月25日には大統領府近くの暗い場所で、側近たちと街頭に立つ自撮り動画を公開。『我々は国民とともにここにいる』と語りかけています。会見ではグリーンの略式軍服を着ることで、ロシアの不当な要求には絶対に屈服しないという姿勢をアピールしているんですよ。

大統領のメッセージにより、国民に一体感が生まれました。欧米には第二次世界大戦中ナチスドイツの攻勢に、最後まで徹底抗戦した英国のチャーチル首相になぞらえる見方もあります。大国に立ち向かう、勇気ある指導者……。そんなイメージが国内外に定着したのではないでしょうか。一方のプーチン大統領は完全に悪者。世界から『侵略者』という印象を持たれ国際社会で孤立したことは、プーチン大統領にとって大きな誤算でしょう」(前出・記者)

苦難が人を変えるーー。ウクライナは強い指導者のもと、ロシアの侵攻をはね返せるだろうか。

  • 写真AFP/アフロ

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