横山典弘騎手 絶好調ウラに栗東で単身赴任と「アンチ外厩」の意地 | FRIDAYデジタル

横山典弘騎手 絶好調ウラに栗東で単身赴任と「アンチ外厩」の意地

『弥生賞』マテンロウレオに騎乗

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武豊騎手より1つ先輩の横山典弘騎手。数々の名馬に跨ってきたベテランが今年は絶好調だ…(‘14年『日本ダービー』)
武豊騎手より1つ先輩の横山典弘騎手。数々の名馬に跨ってきたベテランが今年は絶好調だ…(‘14年『日本ダービー』)

春のクラシックの足音が聞こえてきた――。

3月6日、中山競馬場で皐月賞トライアルのGⅡ『第59回弥生賞ディープインパクト記念』が行われる。

「主役はGⅠ『朝日杯』を3戦全勝で制し、最優秀2歳牡馬に輝いたドウデュース。新馬戦からコンビを組む武豊騎手が、無敗馬で登場するのは、あのディープインパクト以来とあって、戦前から圧倒的な人気が予想されていました」(スポーツ紙記者)

前日の単勝の前売りオッズは2.1倍でドウデュースが1番人気。横山典弘騎乗で注目される、きさらぎ賞馬のマテンロウレオが10.8倍で5番人気に推されている。

「レオには、今季は早くも重賞3勝を含む11勝(2月28日現在)の横山典弘騎手が乗ります。近年は2月のきさらぎ賞で勝つと、皐月賞直行ローテが主流。

きさらぎ賞馬の参戦は‘99年のナリタトップロードまでさかのぼる。管理するダービー・トレーナーの昆貢調教師とダービー・ジョッキーの横山典騎手のコンビが、どんな思惑からの出走なのか、注目を集めています」(スポーツ紙デスク)

競馬ファンの間でも、昆&横山典コンビの活躍ぶりが話題になっている。1月のGⅢ『シンザン記念』でも、マテンロウオリオンで制している。昆師は

「レオはダービー系、オリオンはマイル系かな」

と話し、オリオンは5月のGⅠ『NHKマイルC』挑戦が有力視されている。

「東(美浦トレーニングセンター所属)のノリさんと西(栗東トレーニングセンター)の昆先生の“異色コンビ”の結成は、昨年の秋でした。きさらぎ賞の勝利後、昆先生が『(栗東トレセンに)来たら?』と典さんを誘ったことを明かし、『(その)理由がわかってもらえたのでは』と話していました。

確かにあのレースはノリさんの騎乗技術が光った一戦でしたからね。大外から内のダンテスヴューに並びかけると、残り200メートルに渡っての追い比べ。最後はハナ差の勝利でした」(前出・スポーツ紙記者)

昆師は弥生賞の追い切り後にも、

「彼と僕の技術がセットになれば、何かできるのではないかと思っている」

と、全幅の信頼を寄せている。

「ノリさんにしても、栗東トレセンそばにウイークリーマンションを借りて単身赴任生活を送っていますよ。シャイな性格だから言葉にはしないけど、どうやら調教師試験の受験を辞めて、『生涯一騎手』に方向転換したみたい。『鞭一本あれば、どこでも行けるさ』とでも言いたげな雰囲気です」(専門誌記者)

JRA通算2875勝を誇る横山典騎手の神騎乗の1つが、‘18 年11月に京都競馬で行われた『第8回JBCレディスクラシック(交流GI)』だ。

「ノリさん騎乗の6番人気アンジュデジールは、1番人気でM・デムーロ騎乗のラビットランとの激しい叩き合いの末に頭差の勝利でした。驚かされたのは1コーナーのポジション取りでした。大外16番ゲートからスタートしながら内側の好位にいる。

レース後のノリさんも『完璧です。自分でもあんな位置に入れるとはね』と話していたけど、まるでワープしたみたい。ホント職人技です。『関東のジョッキーも、ここにいるぞ~』なんて調子でアピールするノリさんにもビックリでした」(前出・専門誌記者)

GⅠ初勝利のアンジュデジールもまた、昆調教師の管理馬だった。

「ノリさんが関西を拠点にするのは遅すぎるぐらいでした。西のM・デムーロや東の吉田隼人などが乗り馬を増やすため、主戦場を移すケースが目立っていましたからね。ただノリさんが昆先生の誘いを受けたのは、別の理由ですよ。調教から乗りたかったからだと思います。レオにしても、デビュー前から調教に乗せてもらって一緒に成長を見守っていましたからね」(前出の栗東担当記者)

外厩(一定の設備が整った放牧先)での育成や調整などが主流になったことで、トレセン内の事情も変わりつつあるようで、

「コロナ禍になる前から、ノリさんが調教に乗るケースがめっきりと減っていました。調教スタンドの外のベンチに座って見ている光景は珍しくなく、『俺みたいなのは扱いづらいんだろうな』なんて調子の自虐的なコメントも漏らしてましたね」(前出・スポーツ紙記者)

昆調教師にしても、思いは一緒のようで、

「もう10年以上も前ですが、当時から『社台グループが強くなりすぎてしまったら、競馬自体がおもしろくないだろう。(北海道の)日高にだって宝の馬はいるよ』と言って、コツコツと探していました。

レオにしても日高の牧場の馬ですからね。外厩ばかりに頼らず、じっくりと自厩舎で調教を積むスタイルが、ノリさんの気持ちを動かしたようにも映りますね」(前出・専門誌記者)

『ウマ娘』人気に伴い、過去の名馬たちが再注目されている。『弥生賞』では、そんな名馬たちに跨ってきた横山典&武豊というレジェンドが、中山競馬場で熱い戦いを見せてくれるに違いない…。

  • 写真伊藤 康夫/アフロ

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