日本ハムファイターズに変革をもたらす「メジャー帰りの二人の男」 | FRIDAYデジタル

日本ハムファイターズに変革をもたらす「メジャー帰りの二人の男」

徹底取材 ビッグボス登場に沸く北の球団が目指す新しいプロ野球の姿とは…… 日本初のボールパークが'23年オープン!

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高さ3mのタワーをキャンプ中に新設。ここでストレッチをしたり、臨時コーチと談笑したりしながら、選手の力量の把握に努めた

昨年夏、稲葉篤紀(あつのり)氏(49)率いる侍ジャパンが東京五輪で悲願の金メダルに輝いた少し後のことだ。

「次期監督候補は新庄剛志(50)」

日本ハム本社の幹部が周囲にこう漏らしたことがあった。

「稲葉さんが栗山英樹さん(60)の後を継ぐというのが既定路線だったし、五輪で金メダルという実績も残したから聞き流してしまったのですが……思えばあのころから、いや、もっと前から日本ハムは新庄さんを変革の象徴にすると決めていたのだと思います」(夕刊紙デスク)

2月28日、各球団が春季キャンプを打ち上げたが、キャンプ期間中もスポーツニュースはビッグボス一色だった。

SNSを駆使した選手いじり、クジ引きでの打順決定、ベンチ外での采配など、従来の監督像を嘲笑(あざわら)うような奇手を連発したからなのだが、日ハムOBで野球解説者の岩本勉氏は「それこそ日本ハムが新庄に求めていたもの」だと激賞する。

「ファイターズの課題は代わり映えのしない日本ハム野球と、それに伴う人気の低迷でした。栗山さんはチームを強くするために尽力しましたが、選手たちの感覚的なマンネリ化は如何ともし難かった。そんな危機に、新庄剛志というファイターズOBのスーパー野球人がバリ島から帰国した。

彼がSNSで発信する強烈な野球愛、トライアウト参加というロマンを見て、球団首脳は彼にチームの変革を託してみようと思ったのではないか。実際、新庄監督は栗山さんが成し得なかった『いまどきの子の心の扉を開く』という作業に真っ先に取り掛かり、選手たちの目が輝き始めました」

「新庄監督を一番、楽しんでいるのが稲葉GM」と言うのは稲葉の知人だ。

「あっちゃんはいい意味で新庄を妄信しています。’04年、日本ハムが札幌に移転した変革の年にメジャーから新庄が加入。ド派手なパフォーマンスでチームを明るくし、球場を満員にするのを間近で見ていましたからね。新庄が球場に香水をつけてくるのをマネして、いい匂いをさせるようにもなった(笑)。

そんなふたりが新球場の完成を翌年に控えた変革の年に再び出会った。日本初のボールパークを本拠地とする新チームの顔として、アメリカ野球の魅せ方、ファンサービスを熟知した天性のエンターテイナー・新庄よりふさわしい男はいない。そう確信しているから、『新庄が監督をやるなら』とGMを引き受けたのだと思います」

もうひとり、変革のカギを握る人物がいる。「ファイターズスポーツ&エンターテイメント」事業統轄本部長の前沢賢氏だ。前出のデスクが言う。

「若くしてスポーツビジネスを志し、’04年の札幌移転プロジェクトを手掛けた縁で日本ハムに入社。その後、『パ・リーグTV』などをヒットさせた合弁企業『パシフィックリーグマーケティング』に立ち上げから参加。学生野球とプロが手を取り合った全世代日本代表『侍ジャパン』という座組みを作るのに貢献したのも前沢氏です。’15年に日本ハムに復帰。移転先の北広島市や道内外の企業を相手にタフな交渉を重ね、ボールパーク事業を推進しています」

北海道移転時にはサンディエゴ・パドレスに半年間、スタッフを送り込んで経営やPRなどを研究。今回はニューヨーク・ヤンキースやボストン・レッドソックスといった老舗球団の門を叩き、前沢氏は副社長ら幹部たちから直接、ボールパーク事業のノウハウを学んだ。

「MLBの市場規模は’95年から’10年の15年間で約5倍に成長したそうですが、NPBはほぼ横ばい。違いは何かと言われれば野球の捉え方。メジャーの球団は新球場を造るときに街作りをする。チームは人を呼び込むためのコンテンツであり、『勝つことより、お客さんに喜んで貰える場所を提供する』ことに重きを置いている。

台湾出身の陽岱鋼(ヨウダイカン)(35)目当てに来日する観光客向けに中国語のスマートグラスサービス(対戦成績などのデータが表示される)を提供するなど、日本でメジャーに近い考え方ができていたのが、ここ数年の日本ハムでした。来年オープンする新球場の脇にマンションを建設し、公園も作る。そこで暮らす子供はファイターズの試合が観られる特典が付いているそうです」(スポーツライター)

札幌移転を経験し、目指すべきメジャーリーグにも精通。新庄監督誕生はサプライズでも何でもなく、必然だった。

「お客さんが喜ぶことが第一という認識が共有されているんだな、と思ったのが監督就任会見です。あそこまでハッキリ『優勝を目指さない』と言った監督は初めてでしょう。中田翔(32)ら主力をゴッソリ切ったのは、暴力事件や下位に低迷した負のイメージを払拭するためであり、新庄に資金を集中させるため。花火大会など、本来は必要ない新庄特別経費を賄うため、まずコストカットから始めたのです」(スポーツ紙日本ハム番記者)

「新庄ハム」が創る新しいプロ野球の形が、おぼろげながら見えてきた。

新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」のイメージ図。周辺にはキャンプ場やショッピングモール、病院も
新球場で記念撮影するルーキーたち。天然芝で収容人数は3万5000人。球場内にはホテルや温泉、サウナもある
チームスローガンは「ファンは宝物」。年齢も近く、気心の知れた新庄監督&稲葉GM(右)タッグで変革に挑む!
本誌未掲載カット 新庄監督 日本ハムファイターズに変革をもたらす「メジャー帰りのふたりの男」

『FRIDAY』2022年3月18日号より

  • PHOTO時事通信社/ファイターズスポーツ&エンターテイメント提供(2枚目)時事通信社(3枚目)

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