不安定化は必至「ウクライナ・ショック」に備える日本株20銘柄 | FRIDAYデジタル

不安定化は必至「ウクライナ・ショック」に備える日本株20銘柄

ロシアによるウクライナ軍事侵攻で、株価は世界的に不安定に

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右:ロシア軍の侵攻に一歩も譲らない姿勢を見せるゼレンスキー大統領は、一躍世界の英雄に。今後の手腕にも注目 左:ウクライナ侵攻の手を緩めず、核兵器の使用までほのめかしたプーチン大統領。その精神状態を疑問視する声も

株式市場には「銃声が鳴ったら買え」という格言がある。実際、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2月24日、NYダウ平均株価や日経平均株価は上昇傾向を見せた。

ただ、依然として底知れないプーチン大統領の思惑や、米中が今後どう関わってくるかなど、先の展開が読めない部分が多く、これまでの経験則がどこまで通用するかわからない。戦火がさらに拡がれば、巡り巡って日本経済も「ウクライナ・ショック」に飲み込まれるかもしれない。世界的に不安定な相場で、どのような日本株を狙うのがベストなのか。投資のプロたちの意見を聞いてみよう。

「有事の株」としてまず名前が挙がったのが、戦闘機や潜水艦などを製造する防衛関連企業だ。

「今後、日本でも軍備強化の議論が高まっていくでしょう。戦闘機や次世代の機雷探知機を製造している三菱重工業や、潜水艦・対戦車誘導弾などの兵器を手掛けている川崎重工業といった総合重機メーカーが買われていく可能性が高いです。また、宇宙関連の技術に強みがあるIHIも魅力的な銘柄のひとつです」(マーケットバンク代表の岡山憲史氏)

戦争に対する不安が拡がると、サイバー攻撃のリスクも顕在化する。国際ハッカー集団『アノニマス』がロシアの政府サイトにサイバー攻撃を仕掛けたとの声明を発表したほか、3月1日にはトヨタ自動車の取引先の部品メーカーがサイバー攻撃を受け、国内全工場が停止する事態に発展した。これに関連して、株式アナリストの鈴木一之氏は次の銘柄を推す。

「防衛省が今年3月に『サイバー防衛隊』の編成を予定していますが、政府機関や大手企業が、今後サイバーセキュリティの分野に、より多くの予算を割いていくことになるでしょう。こうした流れのなかで、NTTデータやFFRIセキュリティといった企業が注目を集めるのではないでしょうか。政府機関や地方自治体との関わりが強いNECも有力株として挙げられます」

狼狽売りを避けるためには?

サイバー関連の狙い目銘柄で、ケイ・アセット代表の平野憲一氏は、とあるベンチャー企業を挙げた。

「Geolocation Technology(ジオロケーション・テクノロジー)に注目です。インターネットのIPアドレスに紐(ひも)付けしたデータベースでビジネス展開をしているオンリーワン企業で、警察をはじめとする官公庁との取引を拡大しています。仮にサイバー攻撃を受けたとき、攻撃者の特定にIPアドレスを活用して、国や地域を絞り込みます。同社のような材料株は、株式市場が上昇に転じ、話題に上がるタイミングで値上がりが期待できます」

軍事目的に限らず、インフラ整備や情報管理の観点でも有事に注目度が高まるのが、ドローンだ。経済ジャーナリストの和島英樹氏は次のように言う。

「世界のドローン市場は中国のDJI社が7割以上のシェアを握っていますが、軍事防衛の観点からしても、内製化を求める流れが加速するでしょう。ACSLは、世界的に見ても数少ないドローン専業の上場企業です。今年か来年には、目視外飛行が解禁される見込みで、人間の目が行き渡らないエリアの測量やインフラ点検などが可能になります。これにより、日本のドローン市場は大きく拡大していくのではないでしょうか」

ウクライナ情勢の悪化は、食品の原材料価格の高騰を招いている。また、対ロシア追加制裁の影響で、原油価格も急騰しており、私たちの家計を直撃している。仮に両国の緊張緩和がもたらされたとしても、すぐ価格が元通りになるとは考えづらい。こうした状況下ではどのような企業に注目しておくべきなのか、マーケットアドバイザーの天野秀夫氏は次のように語る。

「ウクライナは『欧州のパンかご』とも呼ばれる小麦の産地で、ロシアも同様に小麦を世界に輸出しています。輸送網の問題やロシアに対する貿易規制で穀物価格の上昇はしばらく続くと見られますが、そうすると三菱食品のような総合食品商社の業績にスポットが当たります。情勢が膠着(こうちゃく)化すると、同社の株価は上がっていくことになるでしょう。

また原油関連では、先物価格の上昇を受けて、原油と天然ガスを採掘するINPEXに注目が集まっています。実績を持つ資源開発関連株は上場企業が少なく、配当利回り4.4%というバリューからも、上昇の余地があります」

軍事衝突があった場合、地政学リスクを警戒して、海外に事業展開している日本企業からマネーを引き揚げる動きが往々にして見られる。つられて狼狽(ろうばい)売りに転じる投資家も少なくないが、逆に有望株を割安で購入するチャンスでもある。株式ジャーナリストの天海源一郎氏は次のようにアドバイスする。

「ウクライナ情勢の不透明感から、工作機械大手のDMG森精機が株価を下げていました。欧米での売り上げが大きく、地政学リスクを警戒されての下げになっていますが、戦況が同社の製品に直接影響を与えるわけではなく、情勢が落ち着けば反発は必至です。一方で、日中の価格変動の振れ幅が小さい『低ボラティリティ銘柄』も、乱高下するいまの相場では候補に入れておくべきでしょう。低ボラティリティ銘柄で買われやすいのは、ゼネコン大手の大林組や、ハウスメーカー最大手の大和ハウス工業などです。

こうした有事の際には、単一の銘柄や保有期間のスタイルにこだわらず、多角的に投資し、狼狽売りを回避できる冷静さを保つことが重要です」

不安定な状況だからこそ、大きく一点張りするのではなく、手堅くさまざまなアプローチで投資するのが肝要だ。

(注:上記情報は3月18日号発売時点のものです)

軍需関連株の代表格とも言える三菱重工。防衛は不採算事業と見る向きも多かったが、状況は大きく変わった

『FRIDAY』2022年3月18日号より

  • PHOTOアフロ(両大統領) 時事通信(三菱重工)

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