「人道回廊」に地雷…プーチンが狙う「ウクライナ無差別殲滅」作戦 | FRIDAYデジタル

「人道回廊」に地雷…プーチンが狙う「ウクライナ無差別殲滅」作戦

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キエフ近郊の街イルピンで破壊された橋の下へ避難するウクライナの人々(画像:AFP/アフロ)
キエフ近郊の街イルピンで破壊された橋の下へ避難するウクライナの人々(画像:AFP/アフロ)

ウクライナの首都キエフが、泥沼の市街戦危機にさらされている。

「ロシア軍は、キエフの北数十kmの地点にまで迫っています。突入は時間の問題でしょう。米国のシンクタンク『戦争研究所』によると、96時間以内に攻撃が開始される可能性が高いとか。象徴的なのが、ロシアがシリア人兵士を雇っているという情報です。シリアでは11年3月の内戦勃発以来、戦闘が常態化。同国の兵士は、市街地での突撃戦を得意としていますから。

中東のメディア『アルアラビーヤ』によると、仲介業者がリストアップした兵士は2万人以上にのぼるそうです。報酬は7ヵ月で7000ドル(約81万円)ほど。キエフは、人口300万人以上の大都市になります。制圧には、ロシア軍だけでなく市街戦になれた外国人部隊の力も必要なのでしょう」(全国紙国際部記者)

ロシア当局によると、民間人を市街戦から守るため、安全な場所へ避難させる「人道回廊」の準備も同時に進めているという。だがロシア側の提案には、ウクライナを中心に各国から批判が続出している。

「ロシアの説明は、こうです。まずキエフの民間人は、ロシアの友好国ベラルーシへ避難。そこから飛行機でロシアに移送されます。ウクライナ第2の都市ハリコフからの避難民も同様です。これではロシア国内へ移ったウクライナ人は、人質と同じでしょう。ロシア側が民間人の命を条件に、要求をエスカレートさせることも考えられます」(同前)

恐ろしい3つの狙い

さらに「人道回廊」では、信じられない事態も起きているという。3月7日、英国メディア『BBC』の取材を受けた赤十字国際委員会のドミニク・シュティルハルト事務局長は、次のように明かしている。

「(ウクライナ東部)マウリポリにいるスタッフが、民間人の避難用道路に地雷が埋められているのを見つけた。(ロシアとウクライナ双方が)細かい点まで合意していないうちに『人道回廊』を使うのは、とても危険だ」

ロシアが「人道回廊」を強引に進めようとする背景には、プーチン大統領(69)の恐ろしい狙いがあるという。

「ウクライナへは、15万人ほどのロシア軍が展開しています。しかしウクライナの国土は広い。面積は日本の1.6倍で、人口は4400万人近くになります。全土を制圧するには、支援部隊も含め100万人近い兵力が必要でしょう。現在のロシアの国力では、とてもではないが捻出できない。今回のウクライナ侵攻で、各国から厳しい経済制裁を受けていればなおさらでしょう。

プーチン大統領の狙いは、2つあると考えられます。まず『人道回廊』によって、ウクライナの人口を減らすこと。ロシアへ移せば、貴重な労働力ともなりえます。

次に大義名分を得ること。『人道回廊』を設置すれば、建前上は都市に民間人がいないことになります。非人道的な大量破壊兵器を使い、無差別攻撃を実行に移す口実になるんです。時間と多大な労力のかかる各都市の個別制圧でなく、一気に殲滅してしまおうという思惑が感じられます」(同前)

プーチン大統領は、核兵器の使用を示唆している。ウクライナ殲滅作戦は、徐々に現実味を帯びてきているのだ。

  • 写真AFP/アフロ

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