自衛隊元幹部が語る「私がウクライナ義勇兵に応募したワケ」
大使館がツイッター上で募集 「ロシアは仮想敵国。義憤に駆られて応募しました」
2月27日に在日ウクライナ大使館が「義勇兵」を募集してから、約1週間が過ぎた。応募した「義勇兵」たちは現在、どのような状況に置かれているのか。本誌は、実際に応募した40代の自衛隊元幹部・A氏に接触。匿名を条件に、応募の理由を聞くことができた。
「27日に募集を知り、28日にSNSを通じて応募しました。私がウン十年在籍した自衛隊で、ロシアは仮想敵国でした。そのロシアが法的根拠もなく、国際ルールを逸脱したやり方でウクライナに武力侵攻しているのは許せない、という義憤が大きな理由です」
A氏がSNSを通じて応募したところ、電話番号が書かれた通知が返信されてきたという。
「大使館から募集業務を委託された企業に登録する形になっているようです。しかし、その番号に電話が繋がらないんですよ。大使館に行き、職員とも会ったんですが、日本政府が募集を停止させているため、現状は何もできない状況です」
報酬などの話はなかったのか。
「それはまったくありません。条件としては、専門的な訓練の経験というものが一番大事なようでした」
他に誰が応募しているかについては、まったく情報が入っていないというA氏。宙ぶらりんの状況だが、ウクライナを助けたいという決意は一切揺らいでいない。
「40歳を過ぎ、体力が落ちているのは間違いありませんが、通信分野など経験を活かして支援できることがあるのではないかと思っています。体力だけが戦争で大事というワケではないですから」
ウクライナにはすでに各国から約2万人の義勇兵が集まっているという。日本人が彼の地に立つ日は来るのだろうか。
『FRIDAY』2022年3月25日号より
PHOTO:アフロ