大物ヤメ検弁護士が取り仕切る「日大再生会議」の中身 | FRIDAYデジタル

大物ヤメ検弁護士が取り仕切る「日大再生会議」の中身

検察側は懲役1年と罰金1600万円を求刑 田中英壽前理事長は裁判で「日大の発展、繁栄を願っています」と語ったが……

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2月の初公判の際、阿佐谷の自宅を出る田中前理事長。記者の直撃に対して「うるせーよ」とつぶやいていた
2月の初公判の際、阿佐谷の自宅を出る田中前理事長。記者の直撃に対して「うるせーよ」とつぶやいていた

「日大の発展、繁栄を願っています」

3月7日、東京地裁で日大前理事長の田中英壽(ひでとし)被告(75)はそう語った。田中被告は約1億2000万円の所得を隠し、約5200万円を脱税したとして、所得税法違反の罪に問われている。この日は第2回公判が開かれた。

「田中被告は赤いネクタイを締め、赤いチーフを背広の胸ポケットに入れていました。2月の初公判の際は背中を丸めて弱々しい歩き方でしたが、今回はのっしのっしと堂々と歩いていました。退廷する際、一礼をするのが慣例で、初公判の際は田中被告も頭を下げていました。

しかし、第2回ではまったく頭を下げずに退廷していきました。終始、ふてぶてしい印象で、記者からは『本当に反省しているのか』という声があがっていました」(全国紙記者)

検察は懲役1年と罰金1600万円を求刑したが、この際も田中被告は微動だにしなかった。

「田中体制」からの脱却を目指し、日大ではさまざまな取り組みが行われている。その代表格が、大物ヤメ検弁護士の矢田次男氏が議長を務める「日大再生会議」だ。大学教授や会計士など外部の有識者のみで構成され、日大関係者は入っていない。

「昨年12月に設置され、計5~8回の会合を経て、3月末に最終答申書を提出する予定です。日大の組織をどう立て直していくかなどが議論され、出席者からは『前理事長の専横体制を見過ごした人間を一定期間役職につけないようにすべきだ』という趣旨の発言も出ているようです。

ただ、問題は学内の誰が『隠れ田中派』なのか傍目(はため)には判断がつきにくいことです。誰が田中前理事長と距離が近いのか、再生会議のメンバーだけで判断できるのか不安があります」(日大関係者)

’18年の「アメフト部悪質タックル事件」以降、日大のガバナンス問題などを取材し続けている、スポーツライターの小林信也氏が語る。

「一口に『田中派』と言っても、ただ田中前理事長に従っていた人間と、彼との関係を利用して利権を作っていた人間がいます。私は再生会議には少数でも、日大の教授など内部の人間を入れるべきだったと考えています。『第三者のみで構成する』のにこだわることで、かえって改革が不十分になってしまうのではないでしょうか」

田中被告の判決は3月29日に下される。この3月末を機に、日大は大きく変われるのだろうか。

日大再生会議の様子。11名の外部有識者が週1回ほどのペースで会合を開き、日大の立て直しを議論している
日大再生会議の様子。11名の外部有識者が週1回ほどのペースで会合を開き、日大の立て直しを議論している

『FRIDAY』2022年3月25日号より

  • 撮影蓮尾真司(1枚目) 時事通信社(2枚目)

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