「腕時計は500万円」テラ事件の容疑者が本誌に語ったこと | FRIDAYデジタル

「腕時計は500万円」テラ事件の容疑者が本誌に語ったこと

自信たっぷりに「(救世主になると)確信しています」と語っていたにもかかわらず……

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20年7月、都内の路上を歩く竹森容疑者
20年7月、都内の路上を歩く竹森容疑者

都内の路上で、背の高い若い男性と一緒に歩く色黒のスーツ姿の男。色黒の男は談笑しながらも、時折、周囲に鋭い視線を向けている。この男は医療関連会社「セネジェニックス・ジャパン」元役員の竹森郁容疑者(50)である。

竹森容疑者が警視庁に逮捕されたのは2月25日のこと。全国紙記者が語る。

「竹森容疑者は医療ベンチャー『テラ』の株価をつり上げるために虚偽の情報を公表した疑いがもたれています。具体的には、20年10月にテラ社が第三者割当増資を実施し、セネ社から約35億円を調達すると発表した際、実体のない飲食店経営会社の口座に約75億円の資金があるという虚偽の情報を開示したなどというものです」

20年4月、セネ社はテラ社と共同で新型コロナの治療薬を開発すると発表していた。20年の7月中旬、本誌記者は竹森容疑者と会い、話を聞いていた。

「いま(新薬の)治験を進めていて、7月22日に治験がすべて終わるのです。今日も株価が上がっているんですけども、メキシコのテレビで報道されまして。イダルゴ州の州立病院で(新薬の治験者が)退院する様子が出ているんです。一週間以内に亡くなるであろうという方々ばかりを相手にして、今のところほぼみんな回復している」

竹森容疑者はそう自分たちの「新薬」の効果を語っていた。

これだけのニュースにもかかわらず、なぜ世界中で大々的に報じられていないのか尋ねると、竹森容疑者は「内緒にしていた」と語った。

「要はあちら(メキシコ)は、レムデシビルなどの治療薬がないんですよ。そうすると、治療薬と思われるものができたときには患者さんが殺到するわけですね。それを避けるために公表してこなかったんですよ」

「(救世主になると)確信しています」と自信たっぷりに語っていたが……
「(救世主になると)確信しています」と自信たっぷりに語っていたが……

本誌記者が「じゃあメキシコではあなたたちは救世主ということですか?」と聞くと、竹森容疑者はひときわ声のトーンを上げてこう答えた。

「いま、そのようになると確信しています」

上機嫌の竹森容疑者は、自身がはめているハリーウィンストンの腕時計について、

「(値段は)500万円ぐらい」

などと語る一幕もあった。

このとき竹森容疑者は新薬の名前が「プロメテウス」になるなど、自身たっぷりに語っていたが、この約1年半後に司直の手に落ちた。前出・記者が話す。

「テラ関連の逮捕は今回の竹森容疑者の件だけではありません。2月上旬にはインサイダー取引で、投資顧問会社社長ら3名が逮捕されている。他にも、2月末には東京地検特捜部が都内のコンサル会社に家宅捜索に入っており、これも『テラ絡み』ではないかと言われています」

この事件、まだまだ底が見えない。

  • 撮影結束武郎

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