市長や知事を次々と…ロシア軍がウクライナ人拉致の「ヤバい背景」 | FRIDAYデジタル

市長や知事を次々と…ロシア軍がウクライナ人拉致の「ヤバい背景」

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ウクライナでは病院やマンションなど軍事施設とは関係ない建物への攻撃で民間人の被害が多くなっている(画像:AFP/アフロ)
ウクライナでは病院やマンションなど軍事施設とは関係ない建物への攻撃で民間人の被害が多くなっている(画像:AFP/アフロ)

突然、銃を持った10人ほどの軍服姿の集団が執務室に乱入してきた。彼らは、ビニール袋で室内にいた市長の頭をくるむ。そのまま周囲を威圧しながら、市長を強引に連れ去った――。

ウクライナ政府によると、3月11日南部メリトポリのイワン・フェドロフ市長が、勤務していた危機管理センターから拉致されたという(3月16日に解放)。同市は、3月上旬にロシア軍が制圧。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ビデオメッセージで「市長は市民を守る勇敢な男性だ。ロシアのテロは新たな段階に入った」と非難した。

「拉致された公人は、フェドロフ市長だけではありません。ウクライナ政府は南部のサポロジエ州知事やドニプロルドネ市長も、ロシア軍により連れ去られたとしています。

被害にあっているのは、公人だけではない。3月12日には、フェドロフ市長の解放を求め2000人以上の市民が『我らに自由を!』と叫びながらデモを実施。主催した女性や数人が、黒服の集団に拉致されたそうです。

一般市民がロシア軍によって拘束されたという情報は、後を絶たない。民間人の拉致は、明らかな国際法違反です。ウクライナ外務省は『民間人を人質にとることを禁止するジュネーブ条約が規定した戦争犯罪にあたる』と、抗議の声明を発表しています」(全国紙国際部記者)

大統領には新たに1000人の暗殺部隊

一方のロシア側は、軍事勢力の情報サイトがフェドロフ市長について「過激派組織に資金を提供した疑いがあり捜査している」と表明。ロシア軍により指名された「市長代行」は、過激派の活動に参加しないよう市民に呼びかけている。

3月5日に米国メディア『CNN』は、ロシアの暗殺部隊1000人が新たにウクライナへ送り込まれる予定と報じています。すでに首都キエフでは、400人ほどの傭兵が展開。これまでに少なくとも3回、ゼレンスキー大統領への暗殺計画が実行されたとか。ロシア政府の情報機関『連邦保安局』の内通者からの情報で、未然に防ぐことができそうです。

暗殺ターゲットになっているのは、大統領の他に政府要人や大統領夫人など24人にのぼります。投入された部隊の主力は、残忍さで有名な民間軍事会社『ワグネル』の傭兵です。公人や市民の拉致にも、彼らが関与している可能性があると噂されているんです」(同前)

別の見方もある。「民間人を連れ去ったのは、暗殺部隊ではなく現場の一般兵士ではないか」と語るのは、ロシア情勢に詳しい筑波大学の中村逸郎教授だ。

「ロシア軍内には、不正が蔓延しています。高官たちは、防衛費などを横領し私腹を肥やしている。そのため現場の兵士の間には、報酬や食料が十分にいき渡っておらず、士気は極度に低下しています。彼らは武器や支給品を売って、何とか日々生活しているんです。

相次ぐウクライナ人の拉致は、兵士たちの仕業ではないでしょうか。市長らを拘束することで、家族に身代金を要求していると思われます。プーチンの命令で動いている暗殺部隊と違い、カネ目的の暴走でしょう。ロシア軍の内実は、規律などないに等しいマフィア集団のようなものなんです」

拉致により露見した、ロシア軍の統制のなさ。国際ルールすら守らない無法者たちの暴挙に、世界中の批判が高まっている。

  • 写真AFP/アフロ

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