有料会員もスタート『ガーシーch』が迎える「本当の正念場」
どんな芸能ニュースも敵わない状態だ――。
YouTube『東谷義和のガーシーch【芸能界の裏側】』のチャンネル登録者数は回を追うごとに増えており、70万人を突破(3月17日現在)した。
数多くの芸能人を27年間に渡って“アテンド”してきたという東谷義和氏がなぜ交流のあった芸能人たちの裏話を暴露しているのか。簡単に説明すると、昨年末に一部週刊誌が報じているが、BTSに会わせると語り女性から旅費などを取っていたのが、この東谷氏なのだ。
記事では匿名となっていたが、人気YouTuberのヒカルが暴露したため、本人曰く
「すべてを失った」
という。世話をしていた芸能人たちの中には、連絡がつかなくなり、手のひらを反すように離れていった者がいた。そんな彼らを許すことができず、仕返ししているのだという。
また、動画配信で得た収益は被害者の弁済に充てると言っている。
そうして始まった『ガーシーch』は破竹の勢いでYouTubeを席巻。これまで配信された動画の総再生回数は2000万回を超えている。
「実はガーシーの人気を支えているのはネット民だけではないんです。これまでYouTubeや、それこそインターネットなどに興味がなかった人たちが噂を聞きつけて次々とチャンネル登録している状況です。
もちろん“業界視聴率”もかなり高いです。芸能事務所関係者、週刊誌やスポーツ紙、テレビなどのメディア関係者で登録してない人はいないんじゃないですか」(週刊誌記者)
ガーシーがなぜこんなに支持されるのか。それはひとえに彼の話す裏話には信憑性がある…と思われるからだろう。本人も裏の取れていない話はしないとしているし、標的となった芸能人の仕事に何らかの影響が出ていることで視聴者は暴露された話が事実であると確信できるからだ。
これまでも芸能人の裏話を披露するテレビ番組やYoutubeがなかったわけではない。ただそれらの多くは実名を挙げて裏話をすることはなかった。芸能事務所とのトラブルを避けるため、イニシャルや適当なヒントを出して、人物の特定は視聴者の推理に任せる形を取っていた。
「イニシャルやヒントから推理することを楽しめる人はいいですが、視聴者の多くは苛立ちと不満を抱え、テレビ局にクレームを入れてくることさえありました。イニシャルの人物について出演者同士が耳打ちして、わざとらしく驚いているようなシーンが情報番組などでよく見られましたが、視聴者を置いてきぼりにしていると指摘され、今ではイニシャルの裏話はなくなりました。やるとしても視聴者が簡単にわかるようなイニシャルやヒントを出す形になっています」(キー局プロデューサー)
実名ならば視聴者も苛立つことがなくスッキリする。逆にイニシャルならその話自体がどこまで信憑性があるのか疑わしいし、検証することもできない。暴露した側はいくらでも逃げられるしリスクもない。
だが実名を出すとなれば何らかのリスクが生じることを覚悟しなければならないし、逃げることはできない。そこにガーシーの「決意と覚悟」を感じ取ることが出来る。だから視聴者は彼を応援するのだろう。
名前が挙がった100人近くの男性俳優・タレントの他にも、女優やミュージシャン、スポーツ選手に至るまで、彼は裏話をバラすと言っている。いまのところタレントサイドは彼を止める手立ても見つかっておらず、ガーシーの進撃はまだしばらくは続きそうなのだ。登録者数、再生回数ともに更に伸びると思うのだが…。
一方で、失速しそうな気配を感じる、というのは前出の週刊誌記者だ。
「裏話の内容ですが、今はまだ男性タレント・俳優だけですが、女性関係に関する話が多く、少々食傷気味ですね。視聴者は遊び人とわかっている人物の話ではなく、人気アイドルや大物の裏話を期待しているのです。女性関係でしたら、意外な女性が出てこなければ誰も食いつかないでしょう。名前を聞いたこともないモデルやタレントでは、気をひき続けることは難しい。
例えとして出すのは申し訳ないが、ベッキーや東出昌大は多くの国民が知っていて、彼らの不倫は意外性があったから話題になったのです。いま東谷氏が裏話を暴露している人たちはよく知られている芸能人ばかりとはいい難い。大物や驚愕のエピソードが披露されないと飽きられるのは時間の問題でしょう」
さらに東谷氏が新たにメンバーシップを開設したことで、反感を持つ視聴者が出てきている。
《凄いネタならどうせあとでニュースになるからわざわざ金払ってまで見る必要はないな》
《復讐のためといいながら、結局お金か》
というような書き込みが目立ち始めた。
確かにアンチが増えてきているが、それでも彼らは『ガーシーch』に大物が登場することと、あっと驚くエピソードが披露されることを望んでいる。ガーシーは期待に応えつづけるのだろうか――。
取材・文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。現在はコメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中