ロシア生まれの小原ブラスが明かす「殺害予告も来たけれど」 | FRIDAYデジタル

ロシア生まれの小原ブラスが明かす「殺害予告も来たけれど」

ウクライナ侵攻を批判したら、本国から殺害予告が ロシア・ハバロフスクで生まれ、兵庫県姫路市に育った

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ブラスは下ネタやキレのあるトークを封印。危険を顧みずプーチン批判を続けている
ブラスは下ネタやキレのあるトークを封印。危険を顧みずプーチン批判を続けている

「いくら『ロシア系住民の保護』って言っても、ムリがあるやろ。プーチン、なんでもありになっとるやんけ。許せませんよ。そこにあるのは人の命やで?」

こう強烈な関西弁でまくしたてるのは小原ブラス(29)。辛口タレントとして活躍する在日ロシア人だ。

「侵攻が始まったあの瞬間から、国外に住むロシア人のSNSはダンマリになってもうた。皆、どう立ち回ったらエエのかわからへんという状態だったんです。でも、僕が声を上げたことで、『批判しても大丈夫なんや』と感じてくれた。批判動画をアップするロシア人が増えたと思います」

ブラスはロシア・ハバロフスクで生まれ、5歳で兵庫県姫路市に移住。以来、彼が自称するように「ほとんど関西人」として生きてきた。そんな彼でもプーチン政権を批判すれば、身に危険が及ぶ。実際、彼のもとには本国からSNS経由で殺害予告が来たという。なぜ彼は声を上げ続けるのか。

「僕は、ロシアを中立的な視点で見てきました。プーチンは『国内で軍事訓練をすることの何がおかしいのだ。絶対に侵攻はしない』とずっと言っていた。ロシアの人たちもその言葉を信じとった。プーチンは国民に嘘をついたんです。僕はキエフの空港が爆撃されとる映像を見た瞬間、プーチン批判をすることを決めました」

ウクライナ侵攻以前のブラスは、「関西弁を喋る面倒臭い性格のロシア人」と名乗り、バラエティ番組では、瞬発力のあるトークで笑いを取っていた。

しかし、今、画面に映るブラスに笑顔はない。

「本当はこんな形で政治的発言はしたくなかった。やっぱり笑いのある話がしたい。プーチンが起こした戦争のせいでロシア人であることをヘンにクローズアップされてしもうた。自分はほとんど日本人やと思っとるから、この状況は不愉快です。それでも声を上げなければいけない世界になってしまったんが悲しい」

戦争が泥沼化するにつれ、ブラスにも迷いと葛藤が生まれたという。

「プーチンを追い詰めることが本当に正しいのか、という葛藤がいま、生まれ始めています。国内外で批判の声が増えたら、反プーチン派の国民に発砲したり、内戦が始まったりする可能性もある。最悪の場合、プーチンが核ミサイル発射のボタンを押してしまうかもしれない。そう考えると、ロシア国内の人たちに声を上げろということがどこまで正解なのか、と毎日のように悩んでしまいます」

プーチンの暴走は自国民をも激しく傷つけているのだ。

『FRIDAY』2022年4月1・8日号より

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