奥智哉が語る「『仮面ライダー』に出る想像以上のプレッシャー」
新連載 Next Generation Star 第1回
『仮面ライダーリバイス』出演中の現役高校生
「今日はちょうど、期末テストの勉強をしていました。数学が苦手で、公式がまったく頭に入らなくて……。赤点を回避できるよう頑張ります」
高校生らしい率直な悩みを明かしたのは、俳優の奥智哉(17)だ。現在放送中の『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)に牛島光役で出演、爽(さわ)やかな好青年ながらも謎に包まれたウラを持っていそうな役どころが、視聴者のさまざまな反響と考察を呼んでいる。
「自分でもまだ、牛島光としての役作りの途中です。『リバイス』は仮面ライダー生誕50周年記念作品で、決まった時は嬉しさと同時に、歴史がある作品に関わるプレッシャーを感じました。
クランクインの時にスタッフさんやキャストの皆さんと初めてご挨拶して会話をして、徐々に緊張が解けたというか。頼れる人たちと1年間やっていけるなら、すごい安心だなと思って、そこでやっと1年間頑張れる気がしました」
’20年に『Followers』(Netflix)で俳優デビュー、正統派のルックスで学生役でのCM起用も多いが、芸能界に入るきっかけは父親と交わした、ささいなやりとりだった。
「小学6年生の時に父から『将来何になりたいの?』と聞かれた時、ちょうどテレビで『るろうに剣心』の映画の番宣をやっていて、主演の佐藤健さんを見ながら『僕もこういうことができるかな』って冗談半分で言ったんですが、それを父が真に受けて、今所属している事務所に履歴書を書いて応募したんです。
俳優になっていろんな役を演じて、今までは考えられなかったようなことを考えられるようになりました。役と自分を照らし合わせて考えるのは、俳優ならではの作業なのかなと思っています。だから、どんな役を演じているのか、しっかり考えて、俳優として、そして人間としても成長していきたいです。俳優になったきっかけを作ってくれた父に感謝しています」
『ジョジョ』に出演したい!
学業に俳優業と多忙な日々を送る奥の息抜きは、映画を観たり、マンガを読んだりすること。とくにマンガ愛に関しては相当熱量が大きいようだ。
「ヤンキーマンガからラブコメまで、いろんなジャンルのマンガを読みますが、『ジョジョの奇妙な冒険』は唯一無二ですね。ちょうどアニメも第6部が放映中で、Netflixで観ています。もし第7部が実写化されるなら、少しでも関われたらな、なんて思っています。
あと、白石和彌監督の『孤狼の血』が大好きで、本当はバイオレンスな役を演じてみたいんです。『青のSP』では少しヤンチャな中学生を演じたんですが、もっと過激でアウトローな演技にも憧れます」
今後の幅広い活躍が楽しみな奥の「理想の俳優像」とはどのようなものなのか。
「ベタですが、カメレオン俳優と言われるようになりたいです。僕はナチュラルな演技を求められることが多いのですが、そのナチュラルさの中にもしっかりと自分の個性を残せるようになりたい。どんな役でもすんなり入って、他の俳優さんとは違うナチュラルさを出していきたいんです。
それを実現できるように、リアルの自分が苦しい状況にあっても、俳優として自分の役と最後まで寄り添っていけるような強さを持ちたいですね」
Profile
おく・ともや
’04年神奈川県生まれ。’20年、Netflix『Followers』で俳優デビュー、以降ドラマやCMに出演多数。現在は『仮面ライダーリバイス』に牛島光役で出演中
撮影:濱﨑慎治