「限界」と親方も危惧…横綱になり初休場・照ノ富士「ヤバい現状」 | FRIDAYデジタル

「限界」と親方も危惧…横綱になり初休場・照ノ富士「ヤバい現状」

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3月場所5日目、玉鷲(右)に押し倒される照ノ富士(画像:共同通信社)
3月場所5日目、玉鷲(右)に押し倒される照ノ富士(画像:共同通信社)

「本人からの申し出です。自分から言ってくる子じゃない。あの(ヒドい)状態で相撲をとっているのがね……」

報道陣のリモート取材に表情を曇らせたのは、伊勢ヶ浜親方(元横綱・旭富士)だ。3月18日、弟子の照ノ富士(30)が、日本相撲協会に「右かかと骨骨挫傷、左変形性ヒザ関節症により約1ヵ月のを療養を要する」との診断書を提出して休場。横綱となった昨年9月場所以来、初めての休場となる。親方は、こうも語っている。

「今の状態では良い相撲がとれない。もう、かかととヒザが限界……。あのケガで、普通に相撲をとっていること自体がおかしい。ここでムリして悪化させたら、大変なことになる」

照ノ富士は、今年1月場所でかかとを痛めた。2月には、新型コロナウイルスに感染。調整不足のまま今場所に臨み、5日目までに大栄翔と玉鷲に金星を配給している。親方によると、手術はせずリハビリなどで5月場所の復帰を目指すという。

「照ノ富士は満身創痍です。最初にヒザを痛めたのは、前回大関だった15年9月場所。その後も負傷を押して出場し続けたのが災いし、右肩や左ヒザを故障しています。16年1月場所では右鎖骨を骨折するなど大きなケガが続き、17年9月に14場所務めた大関から陥落。痛みがひかず、両ヒザを3度にわたり手術しました。一時は四股を踏むどころか、トイレのイスに自力で座れないほどの激痛だったそうです。

以来、坂道を転げ落ちるように番付を下げていきました。18年1月には糖尿病にかかっていることが発覚。思うような取組ができず、19年3月には序二段まで降格しています。大好きだった酒や脂っこい食事を避け、厳しいトレーニングや治療を続けたことで奇跡の復活を果たしましたが、安心はできません。両ヒザのキズが完治することはないんですから」(相撲協会関係者)

ドクターストップにもかかわらず……

大関から序二段に降格し地獄を見た男は、ムリにムリを重ね身体に相当な負担をかけているのだろう。昨年3月の大関再昇進伝達式では、正座がツラいのか何度も体勢を変えた。横綱になってからも、テーピングを何重にも巻き土俵に上がっている。

「責任感の強さが、アダになっているような気がします。今年1月場所でかかとを痛めた直後、医師からは『3〜4週間は相撲をとらないように』と忠告を受けている。しかし照ノ富士は1月29日の武隈親方(元大関・豪栄道)と、翌日の清見潟親方(元関脇・栃煌山)の引退相撲に参加しているんです。

親方の指摘どおり、照ノ富士のヒザは限界なのでしょう。普段は冗談を言って後輩を笑わせていますが、今場所は覇気がありませんでした。ピリピリした雰囲気が漂っていたんです。ヒザやかかとが使えないので、踏み込んでも圧力がない。本来の相撲がとれるメドがたつまで、しっかり休むべきだと思うのですが……」(スポーツ紙担当記者)

相撲協会理事長の八角親方(元横綱・北勝海)は、今回の照ノ富士の休場に対し「横綱は痛いとは言えない厳しい立場。ガマンして土俵に上がっていたと思う」とコメントしている。

「照ノ富士は、休み休み出場して長く横綱でいる気持ちなどサラサラないのでしょう。休場が続いた、元横綱・白鵬を反面教師にしているのかもしれません。

しかし満身創痍の照ノ富士にとって、責任感の強さは力士生命を縮めかねない諸刃の剣です。周囲には、こう語っています。『いつ辞めてもイイという覚悟だ。今日で最後かもしれないという思いで、相撲をとっている』と」(同前)

横綱になって、初めて自ら休場を申し出た照ノ富士。来場所は、進退をかける覚悟で土俵に上がる。

  • 写真共同通信社

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