ハナコ秋山が語る「ネタ作りにも影響与えたミニチュアの世界」 | FRIDAYデジタル

ハナコ秋山が語る「ネタ作りにも影響与えたミニチュアの世界」

クスリと笑える作風が魅力 ミニチュア作家・田中達也の作品

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タイトル:獲物は一足先を行っている

「ミニチュアには理屈抜きの魅力がありますよね。見た瞬間に思わず『わぁっ……!』っと声をあげて駆け寄りたくなります。ミニチュアを見た時の感動は、お笑いで言うところの“共感笑いに近いと思います。『いつも見ているアレがこんなに小さく!?』っていう。コントのネタでもそうですが、僕の中では違和感が笑いや感動になることが多い。だからミニチュアに惹かれるのかもしれません」

’91年生まれ。岡山県出身。’14年に岡部大(32)、菊田竜大(34)とともにお笑いトリオ『ハナコ』を結成。’18年には『キングオブコント2018』で優勝。現在「有吉の壁」(日本テレビ系)、「新しいカギ」(フジテレビ系)等レギュラー多数

そう語るのは、お笑いトリオ『ハナコ』の秋山寛貴(30)。学生の頃から美術品や工芸品の鑑賞などが趣味で、自身もイラストを描いている。ものづくり全般に興味があるという秋山だが、特にミニチュア作品のファンなのだという。

「最近僕がいいなと思ったのは、『𠮷野家』の牛丼をミニサイズにしたものですね。ガシャポンなどで手軽に買えるんですが、クオリティが高い。本当のことを言うと、『𠮷野家』って別に小さくしなくていいじゃないですか()。だからこそ、面白い作品だなと思います。これを小さくしたら面白いんじゃないかという作り手の遊び心を感じます。

僕は見る専門なのですが、もし作る機会があればいつもネタをやっている劇場のミニチュアとか作ってみたいですね。完成したものを相方や同じ劇場でネタをやっている奴らに見せたら大盛り上がりするでしょうね()

ミニチュア作品の中でも、秋山が特に好きなのはミニチュア作家・田中達也氏の作品だという。田中氏は日用品とジオラマ人形を使ったミニチュア作品を制作することで知られ、インスタグラムのフォロワーは350万人を超える人気作家だ。

「田中さんの作品で衝撃的だったのが、白いスリッポンの作品です。靴に白いステッチがあるんですが、そこに鹿や木、人のミニチュアを置くだけでステッチが鹿の足跡にしか見えなくなるんです。どうやって思い付くんでしょうね……。こういったヒラメキに溢れた作品を日々淡々と生み出し続けていてすごいなあと思います。

ほぼ毎日ぐらいの頻度でSNSに作品を更新されているんです。普段目にしている物をこんな視点で見られるのかといつも感動します。僕は、日常で特にハッと気付かされるもの、『その手があったか!』と思えるような物が好きなんです。デザイン性の高いプロダクトとかでも、『確かに使いにくかったよね』とか『確かにそこダサかったよね』とか。その共感性ですよね。『なんとなく使っていたけど、そうしてくれた方がいいわ』とか発想力が高いものが好きです」

秋山に田中氏のそれぞれの作品の魅力を語ってもらおう。

タイトル:ひさかたの 孫の笑顔に “ニッと”する

「この作品、ただのセーターにミニチュアの人を並べたただけなんですが、黄金色の畑に見えますよね。田中さんの発想力が光っているなと思います。また、クローズアップした写真(上)から引きの写真(下)の二段階で見せるのも、見た人の驚きを想像している作りで素敵だなと」

タイトル:おかしなサウナ

「サウナの壁をウエハースで表現しています。ウエハースって本来、あったかいとか冷たいとかのイメージがないものじゃないですか。でも、人のミニチュアがはいることで、ウエハースが熱々のサウナに見えて、温度という感覚が表現されているんですよね。シンプルな掛け合わせでこのように見せられるのがすごいなと思いました」

タイトル:感染対策して観戦

「これはマスクを使って競泳の世界観を表現しています。田中さんはこういった時事ネタを取り入れた作品も制作しているんです。日々色んなところにアンテナを張っているんでしょうね。それをまたどう表現するか考えて、そこに何かとんちをきかせている。サービス精神が強い方なんだなと感じます」

タイトル:装飾動物

「この作品では“草食”と“装飾”をかけているんだと思います。普段目にするようなただの櫛でも、髪留めとかで飾られた動物の中に置いてあると木に見えてくる。これは、『装飾動物』という言葉遊びから制作されたものだと思うんですけど、その遊び心もいいですよね」

タイトル:糸(イート)インもOK

「これは特にお気に入りの作品です。ハンバーガーショップに置かれたボタンがちゃんとそれぞれ、肉やバンズやレタスだってわかるように計算されていますよね。糸がジュースに見えるってどうやって思い付くんだろう……。この作品のタイトルからなにからすべてにとんちがきいていて感動しました」

コントを作る上でも、日々の気付きから得た発想を大事にしている秋山。趣味のミニチュアを見ている時も、やはりコントのネタ作りを頭の片隅に置いてしまうという。

「僕もコントを作るとき、実際に舞台に立つ自分たちを俯瞰して考えています。田中さんの作品は、撮影されて、写真になることで作品が完成しています。言わば、見る視点が固定されている。僕らが舞台でネタをする時もお客さんからの視点が固定されていますから、それと近いものがあります」

「僕たちのコントで『進研ゼミ』をテーマにしたネタがあって、進研ゼミをやってテストで高得点をとった二人の前に、もう一人のクラスメイトが突如現れて『お前も進研ゼミを……』となるんですけど、そいつは元からの天才。何をやっても天才には勝てないって場面を繰り返し見せていくんです。ネタ中、それぞれがどこにどう立ったら面白いか。小道具はどこに置いてあったらいいだろうかと吟味しました。3人で舞台に立つ時に、お客さんから見てこの距離感で立つとこいつだけ疎外感が出てわかりやすいかなとか。客席から見たらどう見えるかを常に考えています。そう思うと、ネタ作りの時の発想は、田中さんの作品から影響を受けているかもしれないですね」

「田中さんのようなエスプリのきいた作品は見ていて癒される反面、同時に悔しい気持ちにもなります。『それ自分が思い付きたかったな~!』って。僕らのネタも日常のちょっとした違和感から形になっていくことが多いので、発想の仕方に共感できるところがある。

また、僕はSNSなどに載せるイラストを描いている時、ちょっとくすってできたらいいなっていうのを常に思っていて、田中さんもきっと同じようなことを考えているんじゃないかなあと。あと、田中さんの作品は、言葉が違う人が見ても楽しめると思うんです。僕らのコントもそうなりたいと思っているので、憧れます」

共感性が高く男女問わず楽しめる芸風の『ハナコ』。コンスタントにレベルの高いネタを作り続けられるのも、こういった趣味を楽しむ遊び心があるからなのだろう。

  • 写真鬼怒川毅

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