テレビマンが明かす「昭和では鉄板でも令和で抹殺された演出」 | FRIDAYデジタル

テレビマンが明かす「昭和では鉄板でも令和で抹殺された演出」

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「コンプライアンスを気にしすぎて、テレビがつまらなくなった」

テレビマンが耳にタコができるほど言われるセリフである。

各局の番組作りに枷(かせ)をかけたとされるのが2003年に発足したBPO(放送倫理・番組向上機構)だ。逆に言えば、それまでテレビはかなりキワキワな演出をしていた、ということだ。

昭和から平成のなかば――いわゆる黄金時代に第一線で活躍していた往年のテレビマンに「令和でやったら絶対NGになる演出」を問うた。納得のものもあれば、「自主規制しすぎでは?」と首をひねるものまでご紹介しよう。

★〇〇でタバコを吸うのはNG

「タバコがさ、いまの世の中で歓迎されていないのはわかってんのよ。でもさ、『オフィスの中でタバコを吸う』という演出をしただけで、お叱りを受けたことがあったんだよ。なぜNGだったかといえば、ロケ現場が港区だったから。区の条例で室内禁煙が認められていないんだってさ。昔は室内は当たり前、電車やバスの中でもタバコを吸ってた頃が懐かしいよ」

そんなことを今したら……!

★寝起きドッキリで〇〇するのはNG

「コロナ禍というのもあるけれど、今は絶対できないのが寝起きドッキリの定番だった演出だね。ターゲットがアイドルの場合、仕掛け人のおじさんタレントがまずはアイドルが寝ているホテルの部屋の洗面所へ直行。アイドルが使った歯ブラシでわしゃわしゃと歯磨きをする。VTRを観ているスタジオの客からキャーという悲鳴が聞こえればしめたもの。

それからアイドルのカバンを漁り、ベッドの横に片づけてあったブラジャーをおじさんが裸になってつけて……ポーチから口紅が出てきたら、もちろん自分の唇に塗りたくる。とにかくやりたい放題だったよね。いまでも鮮明に覚えているのが『スターどっきりマル秘報告』(フジテレビ系)の片岡鶴太郎さん(67)。いまでこそ仙人みたいになっているけど、当時の鶴太郎さんは毛が大好きでね。アイドルの部屋に落ちていた髪の毛を食べていたよ(笑)」

そんなことを今したら……!

★お色気にも変化!〇〇するのはNG

「昔はさ、ゴールデンタイム(19時~22時)でも、乳首のポロリくらいは余裕でOKだった。堺正章さん(75)主演の銭湯を舞台にしたホームドラマ『時間ですよ』(TBS系)では、女湯のシーンが大人気でね。そこでは女性たちがフルヌードになって、ふつうに乳首を晒(さら)していたから。『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)」では、女性の体を使って神経衰弱をする”人間神経衰弱”なんて、とんでもない企画もあった。

胸とお腹の部分が切り取られた全身タイツを着た女性がうつ伏せになっていて、バカ殿につっつかれると女性がクルリと仰向けになってお腹の部分に書かれた絵で神経衰弱をするんだけど、同時にバストトップも露になる。ばかばかしくて好きだったなー」

そんなことを今したら……!

下ネタがいやらしく見えず笑えるのが志村の才能だった
下ネタがいやらしく見えず笑えるのが志村の才能だった

★外国人に〇〇するのはNG

「これは意外(?)かもしれないけど、いまは外国人のセリフに勝手にアテレコするのもNGになっちゃった。日本のハイテク家電に驚く外国人のセリフを『たまげた~』なんてやると即、クレームが来ますね。昔は、UFOを目撃したユタ州のアメリカ人農夫が東北弁で『おら、たしかにオレンジ色の物体を見ただよ』なんて訛りまくってしゃべっていたけど、あんな演出を令和の今やったら、吊るし上げられるかもね」

そんなこと今したら……!

★大食いで〇〇するのはNG

「いまだテレビから大食い企画はなくならないし、YouTubeなんかでも人気みたいだけど、昔の大食い番組って、実は一旦カメラを止めて用意してあったバケツに吐いてからまた食べ始めてもOKだったんだよ。しかし、いつだったかな、あるとき、テレビ画面の端っこに大食いタレントがゲロゲロと吐く様子が写り込んでしまって、それ以来NGになってしまったのよ」

そんなことを今したら……!

令和では一発アウトのトンデモ演出が黙認された往年のテレビ。だが、そんな時代でもひとつだけ、絶対にやってはいけないとディレクターたちの間で言い伝えられていた演出があったという。

「テレビの爆破だね。かつてバラエティの演出でテレビを爆破したディレクターがいたんだけど、上層部から『テレビ番組を作ってる人間がなんてことしてくれたんだ!』と激怒され、窓際に飛ばされちゃった。以来、どこのテレビマンもやらなくなったね(笑)」

誰もが安心、安全に楽しめることを目指す令和のテレビだが、10年後、20年後の世界はまた違った方向に変化を遂げている――かもしれない。

  • 取材・文愛田プリン

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