「Zシャツ」でダンス、射撃演習…ロシア愛国教育「戦慄の中身」 | FRIDAYデジタル

「Zシャツ」でダンス、射撃演習…ロシア愛国教育「戦慄の中身」

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学校で「Z」の人文字を作る子どもたち(ロシアの小学校のSNSより)

奇妙な光景だ。

白、赤、青……3色のロシア国旗を持った子どもたち。後方の窓には、ロシア語の「勝利のために」の頭文字とされる「Z」のマークが貼られている。教師の「プーチン大統領とともに戦いましょう!」との掛け声とともに、子どもたちが叫ぶ。

「大統領のために、国家のために! ウラ~!(万歳!)」

これはロシアの独立系メディア『メデューザ』が報じた、ロシアの小学校で児童が受ける愛国教育の様子だ。ロシア情勢に詳しい、筑波大学の中村逸郎教授が語る。

「ロシアで愛国教育の熱が高まり始めたのは、クリミア半島(ウクライナの南部)を併合した14年ごろからです。プーチン大統領が信頼する、当時の文化大臣メジンスキー氏によって進められました。メジンスキー氏のモットーは『力』への信仰。力さえあれば知性はいらないと……。

重視されるのは、歴史教育より愛国指導です。退役軍人が徴用され、子どもたちに銃の使い方などを指導しています。教室で教えられるのは、第2次世界大戦で旧ソ連がいかにして『悪』であるナチスドイツを破り、兵士たちがどれほど英雄的な戦いをしたかなど。ロシアがウクライナへ侵攻してから、愛国教育への偏向はますます強まりました」

軍服を着て行進

幼稚園でも「Z」の文字が……(ロシアの学校のSNSより)

背景にあるのは、ウクライナでのロシア軍の劣勢だ。プーチン大統領は当初2~3日で首都キエフを制圧できると見込んでいたようだが、ウクライナ軍の激しい抵抗で戦況は泥沼化。現状から国民の目を背けさせ自身への批判を避けるために、ロシアの学校では愛国教育一辺倒になっているという。

「校内に溢れているのが、勝利を表す『Z』の文字です。子どもたちは『Z』と書かれたシャツを着て、愛国歌『進めロシア』を熱唱。ロシアの国旗を持って『Z』の人文字を作り、プーチン大統領を讃えるダンスを踊っています。

児童に配られているのは、『平和の守護者』と題したビデオ教材です。内容は、女児が国営テレビの司会者に『特別軍事作戦』(ウクライナ侵攻のロシア側の呼称)について質問するというモノ。西側諸国が報じた、ロシア軍によるウクライナ市民への攻撃は『フェイク(嘘)だ』と断じている。さらにウクライナでは、親ロシア派の住民が不当に弾圧されていると主張しているんです」(全国紙国際部記者)

ロシア紙『ベドモスチ』によると、「平和の守護者」は約500万人の児童が視聴。軍服を着て行進する「ユナルミヤ(若き軍隊)」への入会が推奨され、テレビではウクライナで独裁的指導者が政権を奪取して西側諸国の言いなりになったという内容の番組が繰り返し放送されている。政府系「全ロシア世論調査センター」の調査では、ウクライナ侵攻後プーチン大統領の支持率は67%から77%に上がったという。

前出の筑波大学・中村教授が話す。

「ロシアの学校で行われているのは、プーチン大統領への洗脳教育です。子どもたちは思考停止状態になり、プーチン大統領にとって都合の良い人間に育てられています。ウクライナがロシアの支配下になれば、同じような教育が行われるでしょう」

独裁的指導者により、どんどん歪められていくロシアの教育。同時に、子どもたちの自由な発想が生まれる土壌が失われている。

プーチン大統領の演説に3色のロシア国旗を振って応える市民たち(画像:ロイター/アフロ)
プーチン大統領の演説にも「Z」の文字がいたる所で見られた(画像:ロイター/アフロ)
  • 写真ロイター/アフロ

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