ウクライナ軍大反撃でプーチンが核を検討する「ヤバすぎる可能性」 | FRIDAYデジタル

ウクライナ軍大反撃でプーチンが核を検討する「ヤバすぎる可能性」

首都近郊のロシア軍を20km以上後退させた

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キエフ近郊の村で制圧したロシア軍戦車の上に立つウクライナ兵。最新兵器を用い、反転攻勢に出ている

「ロシア軍はいま、弾薬や食料、医薬品などの補給が上手くいかず疲弊している状態です。ウクライナ軍はそのタイミングを見計らって、各地で反撃を開始したのだと思われます」(元傭兵で軍事評論家の高部正樹氏)

ロシア軍によるウクライナ侵攻から1ヵ月。泥沼化の一途を辿っていた戦争の局面が変わろうとしている。

地図を見てほしい。ウクライナ軍は首都・キエフや第二の都市・ハリコフの大都市圏で反転攻勢に回り、一部地域を奪還。キエフではロシア軍を20㎞以上後退させた。3月24日には、補給物資を積んでいたロシア軍の大型揚陸艦『サラトフ』を弾道ミサイル『トーチカU』を用い、南東部のベルジャンスクの港で撃沈した。ウクライナは10倍とも言われた戦力差をいかにしてハネ返したのか。専門家は次の5つの要因を挙げる。

①ロシア軍の戦力分散と準備不足

ウクライナに攻め込んだロシア軍は総勢15万人と言われる大兵力。圧倒的な兵力差が存在していたにもかかわらず、なぜウクライナは反撃できたのか。防衛ジャーナリストの半田滋氏が語る。

「兵法の基本は戦力の集中です。ロシア軍は北、東、南の3方向からそれぞれ最も近い都市を目指したことで戦力が分散してしまいました。ミサイルや戦闘機による空爆を行い、制空権を押さえてから陸軍部隊が入っていくというのが定石ですが、ロシア軍は制空権も取らないまま、やみくもに侵攻した。ウクライナ軍には地の利があるから、最短距離で移動できるうえに待ち伏せも容易。当然、苦戦するわけです」

ゼレンスキー大統領(44)が発表したウクライナ軍の戦死者は約1300人(3月29日時点)。一方のロシア軍は1万5000人以上とされる。

「FSB(ロシア連邦保安局)の内部資料によると、プーチン大統領(69)は1週間でキエフを制圧するつもりだったとされています。通常なら前線に迅速に物資を届けられるよう中間にある街などに補給拠点を築くのですが、電撃制圧に自信を持つロシア軍はそれを怠った。銃や防弾チョッキなどの装備を1ヵ月間取り換えることができずボロボロで、物資も尽きた。さらに死者数は増えるでしょう」(全国紙国際部記者)

②ロシア軍の士気低下

ロシア兵は軍学校の学生や徴兵されたばかりの若手兵士が大半で、戦争の動機も聞かされていないまま駆り出された兵が少なくない。前出の記者が言う。

「捕虜は『ただの軍事演習だと思っていた。自分がどこにいるかも分からない』と言っており、士気の低下が深刻。武器を売って、食料やカネを得る兵士がいるなど軍律違反も横行しています」

3月25日、西側諸国の情報当局は少なくとも7人のロシア軍将校が死亡したと発表。指揮系統にも甚大な影響が及んでいる。半田氏が語る。

「戦車や装甲車が次々と破壊される中、兵士を鼓舞するために中将や少将などが前線に送り出されているのですが、そこをウクライナ軍の狙撃(そげき)手に狙われているんです」

ウクライナ南東部のベルジャンスクで撃沈された揚陸艦。補給物資を積んでおり、前線には大きな痛手だ
対戦車ミサイル『NLAW』の使い方を教わるウクライナ兵。スウェーデンと英国の共同開発

③最新兵器の導入

プーチン大統領が侵攻前に演説で言及していたのがNATO(北大西洋条約機構)によるウクライナ軍への近代化支援だ。実際、’14年のクリミア併合以来、ウクライナ軍は次なる脅威を見据え、軍備を補強してきた。NATO諸国から最新兵器を大量に供与され、今年2月まで米軍から訓練を受けていた。なかでもロシア軍に甚大な被害を与えているのが携帯型対戦車ミサイルの『ジャベリン』だ。

「場所を選ばずに使用できるので、ゲリラ戦では非常に有効です。発射後、熱源に反応して自動で目標を追尾するスグレモノ。ジャベリンは『タンデム成形炸薬(さくやく)』という弾丸を使っており、ロシア軍戦車の装甲を破壊できる威力があります。スウェーデンとイギリスが共同開発した対戦車ミサイル『NLAW』も活躍していますね。ジャベリンの2㎞に比べ、1㎞と射程は半分ですが、軽くて機動性に優れています。しかも、ジャベリンが一発2000万円かかるのに対し、NLAWは一発500万円と安価。この2種類を組み合わせることによって、どんな距離の敵でも対応できるようになっているのです」(前出・高部氏)

ほかにも携帯式地対空ミサイルでは米国製の『スティンガー』やポーランド製の『PZRグロム』なども制空権の維持に一役買っている。

同じく対戦車ミサイル『ジャベリン』。2000万円と高値だが、戦局の打開に貢献している
3月23日、オンライン閣議に臨むプーチン大統領。戦況が悪化すれば核兵器使用も辞さない構えだ

④ウクライナの記録的暖冬

自然もウクライナに味方している。例年1〜2月は−20℃以下に冷え込むこともあるが、’22年は−15℃前後を推移する暖冬だった。

「ロシア軍は『T—72』や『T—80』という50トンの戦車を使用しています。ウクライナは世界有数の農業国なので、国土の多くがいま、雪どけでぬかるんだ状態。ロシア軍は思うように身動きが取れていない」(半田氏)

ジャーナリストの常岡浩介氏が話す。

「ぬかるみを避け、道路を並んでやって来る軍用車両はジャベリンやNLAWの格好の標的。ウクライナ軍は小回りのきく車両で機動的に移動しつつ戦車を狙い撃ちにしているのです」

⑤巧みな情報戦略

「情報戦ではウクライナはロシアのはるか先を行っています。NATOから『戦術指揮通信システム』を提供されているので、NATOの早期警戒管制機が収集するロシア機やロシア軍の地上部隊の動きを逐次把握できている。ロシア軍の無線システムは西側諸国のサイバー部隊により傍受されており、作戦も筒抜けです」(前出・記者)

遠隔操作と自動航空が可能な次世代戦闘機の存在も、情報戦を有利に進められている要因だ。

「ウクライナ軍にはトルコが提供した『バイラクタルTB2』という無人攻撃機があります。これは一定時間、自動で敵陣営の上空を飛び続けて現地の状況をネット経由でモニターしてくれるという最新兵器です。米宇宙開発ベンチャー『SpaceX』創業者のイーロン・マスク(50)が『スターリンク』と呼ばれる人工衛星を基地局とするシステムを提供したのも大きい。これにより、電波妨害の影響を受けずドローンや無人機を飛ばすことができるのです」(前出・常岡氏)

プーチン大統領は当初から戦術核の使用を示唆してきた。戦況が傾いたいま、最悪のシナリオは近づきつつあるのか。

「ロシア軍のなかで反体制派弾圧を主な任務とする『国家親衛隊』が発言力を増しています。その隊長でプーチンの最側近であるヴィクトル・ゾロトフ(68)は目的のためなら手段を選びません。彼の主導のもと、いまサリンやノビチョクなど化学兵器の使用も検討されています。戦況が硬直し、押し戻されればゾロトフは核の使用を進言するでしょうし、プーチンはためらいもなくボタンを押すでしょう」(防衛省関係者)

戦争に終止符を打つのはウクライナの勝利か、ロシアの核か――。

3月15日、ゼレンスキー大統領(左)はキエフでポーランドなど東欧3ヵ国の首脳と会談。西側諸国の国会で演説を行い、支援を訴えている

『FRIDAY』2022年4月15日号より

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