「死の森」で防護服も着ず…原発で被曝のロシア兵「戦慄の実態」 | FRIDAYデジタル

「死の森」で防護服も着ず…原発で被曝のロシア兵「戦慄の実態」

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立ち入りが禁止されたチェルノブイリの高濃度汚染地帯。ロシア兵はこの「死の森」で防護服も着ずに作業していた(画像:ロイター/アフロ)
立ち入りが禁止されたチェルノブイリの高濃度汚染地帯。ロシア兵はこの「死の森」で防護服も着ずに作業していた(画像:ロイター/アフロ)

彼らがやっていたことは自殺行為だ……

ロイター通信の取材に応じた、ウクライナ北部チェルノブイリ(ウクライナ語で「チョルノービリ」)原発の作業員はこう話している。作業員が「彼ら」と語るのはロシア軍の兵士たちだ。ロシア兵が行っていた、戦慄の「自殺行為」とは――。

2月24日の制圧以降、ロシア軍は1ヵ月以上にわたり同原発を占拠。200人以上の作業員を拘束していた。

「作業員たちは、過酷な労働を強いられていました。通常なら12時間の交代制ですが、帰宅を禁じられ休みなく連続勤務していた。テーブルや床の上で寝起きし、食事は1日1回パンのみだったそうです。疲弊状態は極限に達していたと思われます。銃を持ったロシア兵が周囲にいる極度の緊張状態から、使用済み核燃料冷却システムの誤作動など、作業員が重大な操作ミスを起こさないか懸念されていました」(全国紙国際部記者)

作業員を拘束していたロシア軍が、チェルノブイリ原発から撤退したとわかったのは3月31日だ。ウクライナの原子力企業「エネルゴアトム」が、原発敷地内に「部外者はいない」と発表したのだ。

広島の原爆の20倍

――と同時に、同社はこうもコメントしている。

ロシアの部隊が、かなりの線量の放射能を浴びたという報告がある〉

原発にいたロシア兵に、何が起きたのだろうか。

「多くのロシア兵が、原発から10km圏内にある森林で塹壕を掘らされていたようです。86年4月に起きたチェルノブイリ原発事故で、この地域には広島に落とされた原子爆弾の20倍の放射性物質が降り注いだとか。

木々は赤褐に変色し枯れ死んだため、『赤い森』『死の森』と呼ばれています。人間は立ち入ることを禁じられ、汚染レベルは最大で毎時1000ミリシーベルト。吐き気などの症状を引き起こし、最悪の場合ガンなど死にいたる病気を誘発するレベルです」(同前)

「死の森」には、原発事故で発生した高レベルの放射性廃棄物も大量に埋められている。

「そんな高濃度汚染地域で、ロシア兵たちは防護服も着ずに通常の軍服で作業していたとか。中には素手で塹壕を掘っていた兵士もいるそうです。汚染水を日常的に口にしていた人も。彼らは大量の放射性物質を吸い込み、体内被曝をした可能性が非常に高い。自分たちがどんなに危険な場所で作業しているのか、大半の兵士が知らなかったと思います。(冒頭で紹介した)原発作業員が『自殺行為』と話すのも当然でしょう。

ロシア軍が、チェルノブイリ原発から撤退した理由は不明です。ただ撤退した兵士を満載したバス7台が、ベラルーシ南東ゴメリにある『放射線専門医療センター』に入っていったといわれます。ロシア軍には、放射性物質の恐ろしさに関する知識がほとんどなかったのでしょう」(同前)

上層部の無謀な命令により、現場の兵士たちは悲惨の運命をたどっている。

  • 写真ロイター/アフロ

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