なぜ…?闇献金報道で除名となった維新幹部が復活の「維新の怪」 | FRIDAYデジタル

なぜ…?闇献金報道で除名となった維新幹部が復活の「維新の怪」

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松井市長、吉村知事とともに維新の中核を担ってきた今井氏(左)

維新の会で、一人の大物議員の“出戻り”に周囲が慌ただしくなっている。

その大物議員とは、今井豊・元幹事長。党副代表や国政の人事などの主要ポストも歴任した、創設メンバーの一人だ。

今井氏は、昨年8月に闇献金騒動と不倫疑惑を「週刊新潮」に報じられ、自らパイプカットをしていたことまで明かしたうえで辞任するというドタバタ劇を演出。その後、事態を重くみた大阪維新の会が今井氏に除名という処分を下していた。

ところが、3月30日付けでその除名が解除されたのだ。一体何があったのか。

日本維新の会の議員が明かす。

「重く見られていたのは、不倫疑惑のことではなく、貝塚市の前市長から3回にわたって計100万円を受け取り、いずれも収支報告書に記載していなかったという“闇献金”疑惑についてです。不倫疑惑については、個人の家庭の問題ということで強くは問題視しなかったようです。

除名処分が決まってから、今井氏サイドが『除名処分は重すぎる。名誉に関わる』と松井一郎幹事長を含む幹部に直訴して、嘆願書まで出した。それを受けての調査の結果、今井氏が受領した献金を政治資金収支報告書に記入したことで違法状態が解消されたと判断して、解除処分に至りました」

今井氏は処分解除はあっても「復党はない」と断言している。それでも、突然の処分解除には、党内でも疑問の声が上がっているという。

「去年11月に今井さんから処分解除を求める申し入れがあり、そこから調査を経てこのような判断になった。党内では『なんで今さら……』という声が大半ですよ。ただでさえ維新は不祥事や身内に甘い、という見られ方をしているのに、今回の処分撤回で、そういった世間の見方が加速する恐れがある。

それもわかっているから、松井さんも相当頭を悩ませていたのは事実。今回の処分撤回は、今井さんという初期から維新を支えてきた功労者に対しての完全な温情によるものでしょう。復党はさせないが、処分という状態からは『復活させる』ということです」(同前)

なぜ復党ではない除名処分の解除ですら、党内では強い反応があるのか。そこには、除名処分中も、維新の有力者である今井氏が人事などで影響力を感じさせたからだ。

今井氏の議員辞職を受けて行われた昨年10月の大阪府議の補選では、今井氏の元秘書の牛尾治朗氏が当選。今年1月の貝塚市長選で新市長となった新人の酒井了氏も今井氏との関係が深い。大阪維新の会所属の府議は、府議会では今なお今井氏の影響力は絶大だと明かす。

「地元貝塚の牛尾さんの補選では、しっかり今井さんは現場に顔を出して票集めをしていましたね。新市長の酒井さんも、完全に“今井印”の人です。市長選でもバックアップを受けていたと聞きますから。

地元に留まらず、現府議会でも、議長を含め幹部クラスは今井さんの子飼いのような人間も多い。除名が解除となれば、これまで以上に表立って関わることも出来る。維新の会の府議会の中では、今井さんの影響下にあるか、そうでないか、と二分されるような方。特に現幹部は今井さんに引っ張り上げられた人が多いので、そうでない人間からすると戦々恐々ですよ」

露骨な維新潰しに焦り

除籍後の今井氏の様子について、前出の府議が続ける。

「あっけらかんとした方ではあるので、報道の後も議員を誘っては会食を繰り返していましたね。北陸や地方への視察に今井さんが同行していた、という話も聞きます。今の維新の会は若返りを図っている最中で、とにかく若手の幹部登用も目立つ。その一方で、古参のなかには現在の状況を面白くないと思っている議員がいる。

ただ、表立って松井さんや吉村さんに意見できる人間はいません。そんななかで、上層部にも強く出れる今井さんが、万が一にも今後復党するということになれば、そんな状況は変わるかもしれない。保身のために今井さんを担ぎたい、という人間も一定数いるということでしょう」

また、選挙に強い今井氏の除名解除は短期的な効果を狙ってという見方もある。前出の日本維新の会の議員は、この解除処分は選挙対策の一貫ではないか、と指摘する。

「今年の参議院選挙、来年の統一選挙に向けて、ドブ板選挙を経験してきた今井さんの力を借りたいというのは正直なところ。岸田政権になってから、維新の会は明らかに冷遇されていますから。3月末の西宮市長選では、維新の候補者に対して、自民、立憲から相乗り支援を受けた前職に完敗。なりふり構わず露骨なまでの維新潰しでした。

この敗戦を受けて維新のなかに危機感が高まったのは事実でしょう。府議会はもちろん、国政にもポストはないから、今井さんの復党はさすがにないと見ていますが、無理矢理でもポストを作れる影響力はある。いずれにしろ、今回の処分は甘すぎるのでは、と強く思っています」

除名解除という異例の判断は、党内でも様々な波紋を呼んでいる。「維新の怪」とでもいうべきその判断が、自らの首を締めるという事態にならなければよいが、はたして――。

  • 取材・文栗岡史明写真共同通信社

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