フィギュア界でロシア制裁解除で注目される「プルシェンコの動向」 | FRIDAYデジタル

フィギュア界でロシア制裁解除で注目される「プルシェンコの動向」

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プーチン大統領を擁護し続けるフィギュア界の”皇帝”プルシェンコ(右)
プーチン大統領を擁護し続けるフィギュア界の”皇帝”プルシェンコ(右)

スポーツ界でもロシア制裁が強まるなか、フィギュアスケート界だけは苦しい対応を迫られている。

先日行われた世界選手権では、北京五輪金メダルのアンナ・シェルバコワや銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ、同4位のカミラ・ワリエワらが不在。その影響もあり、日本の坂本花織が金メダルに輝き、男子でも宇野昌磨、鍵山優真らが表彰台ワンツーの偉業を成し遂げた。

とはいえ、ロシア勢の不在で盛り上がりに欠けたのも事実。スポーツ紙のフィギュア担当記者は

「国際スケート連盟(ISU)も対応に苦慮しています。ロシア勢がいないことで大会レベルにも疑問符がつきますし、何よりスポンサー離れが懸念されます。他のスポーツと違い、フィギュアではロシアはなくてはならない存在なのです」

と話す。

そうした内情を踏まえ、ロシアもプレッシャーをかけている。‘15年世界選手権で銅メダルのエレーナ・ラジオノワは露メディア『マッチTV』で

「フィギュアスケートの主な観客はロシアと日本のファンです。世界フィギュアがロシアの観客を失った場合、スポンサーは去ります。彼らはそのような厳しい状況に身を置きました」

と断言。同じく露メディア『チャンピオナット』は、ISUがロシアへの制裁について今後の方針を決定すべく、各国連盟に制裁継続の可否を投票するよう通達したと報じた。

「商業的な部分が大きい。このまま制裁を続ければ、いずれロシアと共倒れすると考えているのだろう。『スポーツと政治は切り離すべき』という原点に立ち返る可能性がある」(前出・スポーツ紙記者)

こうした動きにロシアフィギュア界の重鎮タチアナ・タラソワ氏も

「前向きな決定を期待しましょう。そもそも、なぜ出場停止になったのか理解できない。まともな人間がこの問題を積極的に解決する必要がある」

とプレッシャーをかけている。

すでにフィギュア界では条件付きでの“制裁解除”は既定路線とも言われる中、ロシアフィギュア界の内部でも地殻変動が起きている。北京五輪ではワリエワのドーピング問題が起き、そのコーチであるエテリ・トゥトベリーゼ氏の厳格指導が話題となったが、彼女が次の国際大会でも最強ロシア勢を率いるかは不透明だ。

「ウクライナ侵攻後、彼女の祖国に対する態度が臆測を呼んでいます。突如SNSからロシアに関するメッセージやプーチン大統領とのツーショットを削除。亡命説もウワサされましたが、本人は『ハッキングされた』と主張しています」(フィギュア関係者)

一方、指導者としてトゥトベリーゼ氏とライバル関係にあるエフゲニー・プルシェンコ氏はブレずにロシア擁護を連発。羽生結弦らとのしのぎを削り、日本でも人気が高かったが、一連の言動には幻滅しているファンも多い。そのプルシェンコ氏がトゥトベリーゼ氏に代わり、ロシア勢を率いる可能性があるという。

「自身のSNSを頻繁に更新し、ロシアの正当性を訴える、いわば広報担当のような役割を担っています。当然、見返りはあるでしょう」(同・フィギュア関係者)

当人もその自覚があるのか、トゥトベリーゼ氏の“追い落とし”にも余念がない。プルシェンコ氏はトゥトベリーゼ氏のSNS削除騒動についてロシアメディア『テレプログラマ』で

「特別当局はすべてを見て知っている」

と意味深発言。続けて

「なぜそれを知る必要があるのか? それをモニターする人がいるということだ。特別当局があり、全て見て、知っているんだと思う。私は彼女の米国の不動産について何も知らないし、興味はないが…」

と語った。前出のスポーツ紙記者は、

「この発言のポイントはプルシェンコ氏がロシア当局と密な関係にあり、動向を把握できる立場にいるということです。北京五輪まではトゥトベリーゼ氏の方が指導者として格上でしたが、いまや立場逆転。今後、フィギュア界では『プルシェンコ軍団』が台頭していきそうです」

と推察する。戦争は権力闘争でもある。

果たしてロシアに忠誠を誓うプルシェンコ氏は受け入れられるかどうか…。

  • 写真代表撮影/ロイター/アフロ

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