ウクライナ柔道ビロディド「仲間の名を挙げて寄附呼びかけ」の悲壮
美しすぎる柔道家で知られる、東京五輪柔道女子48キロ級銅メダリスト、ダリア・ビロディド(ウクライナ)が、自身のインスタグラムアカウントで、軍に参加している柔道仲間の名前を挙げながら、ウクライナ軍への支援をフォロワーに求めた。

ビロディドは現在21歳。2018年の世界選手権を17歳で制覇し、最年少記録を塗り替えると、翌年の世界選手権でも優勝し連覇を達成した。長い手足が特徴の彼女が持つ異名は「アナコンダ」。狙った獲物は絶対にはなさない。東京五輪でも金メダル候補にあがっていたが、銅メダルに終わった。
一方で、その美貌にも世界的に注目が集まっている。日本でも彼女のファンは多く、彼女が私服や水着姿を公開すると数万の「いいね!」が集まる。インフルエンサーだ。
そんな中で、在住するウクライナで悲劇が起きた。ロシア軍の侵略が始まったのだ。するとビロディドはインフルエンサーの立場を使って連日ウクライナの状況を世界に訴え続け、その際も募金も呼びかけていた。まるで、それがウクライナのインフルエンサー、そして世界を代表するアスリートとしての責務であるかのように……。
日本語で日本に向けて募金を呼びかけることもあった。トップアスリートとしての練習そっちのけで支援を求めたり、ウクライナの現状を伝えたりしており、ファンからは心配の声が絶えなかった。そんな中でビロディドはスペインに避難し、現地で練習を始めた。
しかしスペインにいながらも、国際社会に支援を求める活動は辞めていない。この度アップロードした動画では、白のトレーナーを着たビロディドがカメラにむかってまっすぐな目で募金を呼び掛けている。ウクライナの柔道仲間が軍に参加しているといい、「防弾チョッキやヘルメット」を必要としているそうだ。ビロディドはそういった装備品を買うために資金を集めをしている。
ビロディドには練習に専念してほしい。そう願うファンもいるだろう。しかし今彼女にとって金メダル以上に欲しいものがあるのかもしれない。それはきっと母国の平和なのだろう。
早くこの戦争が終わり、ビロディドが柔道だけを考えられる環境が戻ってきてほしい。
写真:AFLO