ロッテ松川虎生 恩師が明かす「期待を上回る男」だった高校時代 | FRIDAYデジタル

ロッテ松川虎生 恩師が明かす「期待を上回る男」だった高校時代

プロ野球史上3人目の高卒新人開幕スタメンマスク 4月3日にはプロ初打点&初のお立ち台

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
昨春、母校・市立和歌山で取材した際の小園(右)と松川。松川は阪神が優勝した’03年生まれ。虎党の祖父が「虎生」と名付けた(撮影:加藤慶)

千葉ロッテの佐々木朗希(ろうき)(20)が、本拠地で初勝利を挙げた4月3日――令和の怪物が連発した160㎞超の速球を受けていたのが高卒1年目の松川虎生だ。’06年に埼玉西武に入団した炭谷銀仁朗(34)以来、史上3人目となる18歳の開幕スタメンマスクを勝ち取った松川に対して、佐々木も厚い信頼を言葉にした。

「松川の要求通りにしっかり投げられた。本当に良いリードをしてくれた」

貝塚ヤングに所属した中学時代から全国の注目を集めた大型捕手だ。大阪桐蔭など数多の名門から勧誘がある中、バッテリーを組んでいた小園健太(18・横浜DeNAドラフト1位)と共に市立和歌山に進んだ。高校時代の愛称は”紀州のドカベン”。昨春、同校を訪れた際、まだ見ぬ全国の球児の情報を得ようと、筆者にいくつも質問を投げかけてきた純朴な姿が印象に残る。屈強な肉体と愛嬌のある笑顔のギャップがなんとも愛らしく、大人の懐(ふところ)に入るのが上手な高校生――それが第一印象だった。松川は念じるように幾度もこの言葉を口にした。

「目指しているのは、〝打てるキャッチャー〟です。少しでも長く、プロ野球で活躍したいです」

それからたったの1年だ。捕手という経験も頭脳も求められるポジションで、活躍を続けられる素養とは何か。市立和歌山の半田真一監督は、中学生だった松川を初めて見た時、捕手に必要な能力を高い次元で持ちあわせていて、すでに大学生のようだったと振り返る。

「指導者として、使いたくなる選手なんです。たとえば強い雨が降った翌日のグラウンドは水たまりができてグチャグチャですよね。松川はキャプテンで、注目される選手でしたけど、誰よりも先にグラウンドに来て、独りで水を吸い取っていた。かといって、それを後輩には強要しない。本当に良い子、優しい子です」

こうした健気(けなげ)な一面が、プロの世界でも先輩から可愛がられている理由なのだろう。半田監督が続ける。

「昨年のセンバツ前、本調子にほど遠い状況で心配していたんですが、初の甲子園の第一打席で好投手からセンター前にヒットを放った。スカウトの方が大勢来られるような練習試合で『頑張らなあかんぞ』と発破をかけると、ドッカーンとバックスクリーンに本塁打……。高校時代から、もともと高い指導者の期待をさらに上回る活躍ができた。プロでもキャンプから求められるハードルを上回る形でクリアしてきたからこそ、起用していただいているのではないでしょうか」

投手の数も球種も桁違いの世界で、高卒の捕手がまず苦労するのは配球だろう。肉体だけでなく脳内の疲労も実感しているに違いない。また4月6日の試合までに18打数3安打1打点(打率.167)と、打席ではやや苦戦している印象だ。

「試合の状況や相手打者によって配球を組み立てるのではなく、投手の良い所を引き出しながら組み立てていくタイプ。今は守ることで頭がいっぱいでしょう。むしろ、打つほうが今後、課題となってくるはず。コンタクト力に加え柔らかさも持ちあわせていますが、時間はかかるかもしれない。打てないことに意識がいきすぎた時、捕手としての仕事を怠らないように心がけて欲しいですね」

無論、松川にそんな心配が無用なことは、誰より半田監督が知っている。

4月1日の埼玉西武戦では、俊足の源田壮亮の盗塁を阻止。プロの舞台でも強肩が通用することを示してみせた

 

『FRIDAY』2022年4月22日号より

  • 取材・文柳川悠二(ノンフィクションライター)撮影加藤 慶(1枚目)

Photo Gallery2

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事