さんまと東野幸治が吉本110周年公演で「宮迫」を話題にした背景
吉本興業の“底力”を見た2日間だった――。
4月2、3日に大阪・なんばグランド花月で吉本興業110周年特別記念公演『伝説の一日』が行われた。
吉本興業所属の266組377人が出演。3日の3回目公演の大トリでは松本人志、浜田雅功のダウンタウンが31年ぶりに即興漫才を行い、大反響だった。
そんな一大イベントで両日4公演目に登場したのが明石家さんまだ。9日深夜放送のMBSラジオ『ヤングタウン土曜日』で“伝説の一日”を振り返り
「吉本ってとんでもない、やっぱり。それを改めて感じた。あれで(出演者は全芸人の)5分の1やからね。恐ろしい会社や」
と感嘆。その上で
「改めて宮迫(博之)がいなくなったり、(辞めた芸人が)いっぱいるやん。オリエンタルラジオとか。『ああ、いなくなっても平気だ』って(思った)。『こんだけすごい奴らがそろってるのか』っていう感じ」
と私見を述べた。
宮迫については、東野幸治も触れている。8日深夜放送のABCラジオ『東野幸治のホンモノラジオ』で、110周年公演を終えた吉本について
「またグッと1つになって、巨大なお笑い企業みたいな感じがする」
と指摘。出演者すらそのエネルギーに圧倒されたようだ。東野は
「時系列が逆でこの110周年記念が終わって、その後に闇営業騒動が問題になってたら、『宮迫(博之)とか(田村)亮、あんな会見開くんかな?』って」
とニヤリ。‘19年の闇営業問題で宮迫は記者会見を行い、岡本昭彦社長を筆頭に吉本の体制批判を行ったが、結果だけ見れば“お笑い帝国”は微動だにしなかった。
東野は再び110周年公演を振り返り、
「NGKの舞台で、吉本万歳三唱みたいな。そんな光景に映ったんですよ。すごい企業やなぁと思いながら。『宮迫は今、どう思ってんのかなぁ』とか。
なんかね、宮迫が今さらなんかつぶやくのも違うし。宮迫、こっそり見てんのかなぁ?とか。いや、そこは距離とって、ぐっと我慢してんのかな?とか。いろんなことを考えさせられた」
と述べた。現時点で宮迫は吉本110周年公演に関して言及しておらず、ユーチューブでも関連動画はアップしていない。お笑い関係者によると
「‘20年1月にユーチューブを始めた時、宮迫さんは自身を“吉本に戻りたい男”と名乗り、地上波復帰を目指していた。でも今は吉本復帰は完全に諦めています」
という。吉本の大﨑洋会長は昨年2月、フライデーの直撃取材で宮迫について
「もう戻らんでええ」
「辞めてまで吉本のことネタにすんなよ」
と突き放した。これはマスコミ向けのリップサービスではなく、本心のようだ。大﨑氏を知る人物が明かす。
「以前、食事をご一緒させてもらった時に何気なく宮迫さんについて聞いたら、空気が変わって『まぁまぁ。元気で頑張ってるんちゃう?』と他人事のように感じましたね(苦笑)。こちらも空気を読んでそれ以上は聞けなかった」
と証言する。宮迫も人づてに大﨑会長の“空気感”は把握済み。ただ、復帰は不可能でも形式上の“和解”はしたいと考えているという。
「最近も宮迫さんのユーチューブにお笑いコンビ『鬼越トマホーク』や品川佑さんが出演するなど、芸人レベルでは交流があるんですよ。しかし対企業となると困難。もちろん広告案件で吉本興業が絡んでいるものには、手を出しづらくなる。宮迫さんもそのことを気にしていて、仕事の幅を増やすために、かねて和解したい意向は持っているようですよ」(スポーツ紙記者)
宮迫のユーチューブ動画の再生回数は全盛期の半分以下に落ち込んでいる。3月にオープンした東京・渋谷の焼き肉店『牛宮城』は盛況のようだが、それもいつまで続くかわからない。
さんまや東野がことあるごとに「宮迫」の名前を出すのも、強大なお笑い帝国相手に孤軍奮闘する宮迫を心配している証左なのかもしれない――。
- PHOTO:坂口 靖子