メドベージェワ「赤い衣装でテレグラム利用呼びかけ」の複雑背景
自身のインスタグラムアカウントで反戦メッセージを投稿し世界的に話題を呼んだ、2018年平昌五輪銀メダリストのロシア・女子フィギュアスケート、エフゲニア・メドベージェワ。この度、彼女が「真っ赤なシースルー衣装姿」をインスタアカウントに公開したが、一緒につづったメッセージに、ファンは複雑な気持ちを抱いている。
メドベージェワが公開したのは真っ赤なワンショルダー衣装姿の写真だ。1枚目の写真は両手を上にあげながら氷上を滑走している様子で、二枚目は両手を前にしている様子だ。あまりの美しさにため息が出てしまう、神秘的な写真だ。
ところがメドベージェワは、一緒にこんなメッセージをつづった。
「私のテレグラムに飛び込んできてください」
これは一体どういう意味なのだろうか……。
投稿の背景にはロシア政府による「インスタ禁止令」がある。ウクライナ侵攻以降、言論統制を強めているロシアはSNSの規制も強化。ロシア国内にいる8000万人いるインスタもその対象となった。
それを受け、メドベージェワら多くのロシア人インフルエンサーはロシア発のSNS「テレグラム」へのお引越しを実施している。ただどういうわけか、禁止令後もインスタグラムの更新はできていたようで、メドベージェワもインスタに更新は続けている。だが、こんなメッセージを発信して、インスタのフォロワーにテレグラムアカウントへの誘導をはかっているのだ。
ロシアによる攻撃が始まった直後、メドベージェワによるインスタ投稿には世界中から称賛の声が集まった一方で、身の危険はないのかと心配する声もあがった。インスタにせよ、テレグラムにせよ、メッセージの発信で安全を確認できるだけ、マシなのかもしれない。早く、メドエージェワらが自由に発言できる、平和な世界が訪れてほしいと願うばかりだ。