略奪、違法弾、火葬車…ロシアが「戦争犯罪」繰り返す真の狙い | FRIDAYデジタル

略奪、違法弾、火葬車…ロシアが「戦争犯罪」繰り返す真の狙い

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戦争犯罪を繰り返すロシア。プーチン大統領の恐ろしい狙いとは……(画像:ロイター/アフロ)
戦争犯罪を繰り返すロシア。プーチン大統領の恐ろしい狙いとは……(画像:ロイター/アフロ)

〈ロシアが国際人道法の規律を守っていれば、民間人の死傷者をはるかに少なくできたはずだ。ロシア軍が戦争犯罪、国際人道法違反を犯した証拠を得た〉

ウクライナに複数の専門家を派遣した「ヨーロッパ安保協力機構」(OSCE)は、4月13日に報告書を発表しロシア軍による国際法違反を糾弾した。OSCEはロシア軍が侵攻した2月24日から1ヵ月以上、ウクライナ当局や市民、NGO団体、メディアなどと接触。国際機関がロシアによる戦争犯罪を認定したのは、初めてのことだ。

OSCEが指摘した民間人への違法行為は、多岐にわたる。拷問、虐殺、強制連行、非人道的な大量殺害兵器「クラスター爆弾」の使用……。東部マリウポリのボイチェンコ市長は各国の記者団に対し、ロシア軍が犯罪の事実を隠蔽しようとしていると語った。

「ロシア軍の攻撃により、2万人以上の市民が犠牲になりました。しかしロシアがアップロードした市内の映像からは、遺体がキレイに消えていた。遺体はどこへ行ったんです? 立ち上がって去っていった? 我々が得た情報では、マリウポリには13基の移動式火葬施設が到着しています。ロシア軍は遺体を焼き、戦争犯罪の証拠を消そうとしているんです」

ゼレンスキー大統領が4月12日のオンライン演説で訴えたのは、集団による女性への性的暴行の疑いだ。

「数百件にのぼるレイプが行われています。ほぼ毎日です。被害者の中には、少女や幼い子どもまで含まれます。暴行をしたロシア兵の氏名は、ほぼ特定されている。これが現実なんです」

強奪品をベラルーシで転売

海外メディアは、ロシア兵が一般庶民の大切な所有物を略奪、転売する様子を報じた。隣国ベラルーシの市場では、冷蔵庫、洗濯機、アクセサリー、棚、車、パソコン、テレビ、高価な宝石や美術品までなんでも手に入るという。すべて、ロシア兵がウクライナ市民から奪った品々だとか。米国の『ラジオ・フリー・ヨーロッパ』が紹介したのは、ベラルーシ市民の声だ。

〈ロシア兵は、戦車に『商品』を満載してやって来ます。すべてウクライナの人々から強奪した品物です。彼らは、私たちに『戦利品』を売りつけようとしている。おもちゃ、食器、タイヤ……なんでもありました〉

なぜロシアは、戦争犯罪を平然と繰り返すのだろうか。ロシア情勢に詳しい、筑波学院大学の中村逸郎教授が語る。

「理由は2つあります。1つは、ロシア兵の士気が、著しく低下していること。軍内には、不正が蔓延しています。高官たちは、防衛費などを横領し私腹を肥やしている。そのため現場の兵士の間には報酬や食料が十分に行き渡っておらず、統制がとれない状態です。ロシア軍の内実は、規律などないに等しいマフィア集団のようなものなんですよ。

2つ目は、プーチン大統領の戦略です。非人道的な兵器の使用や虐殺により市民の恐怖心を煽り、西側諸国への難民を増やそうとしているんです。西側、特にヨーロッパにとって難民受け入れは深刻な問題です。生活環境や食べ物の供給などで、莫大な予算が必要になる。国によっては難民に仕事を奪われたと、自国民との対立が激化しています。ロシアはウクライナ難民を大量に発生させ、西側を揺さぶり分断させようとしているんです」

ロシア軍の蛮行は、ますますエスカレートするばかり。プーチン大統領は戦争犯罪を容認するどころか、意図的に駆り立ててさえいるようだ。

  • 写真ロイター/アフロ

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