衝撃!紀州のドン・ファンが大切にしていた絵画が売られていた | FRIDAYデジタル

衝撃!紀州のドン・ファンが大切にしていた絵画が売られていた

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「それは2億5000万円ぐらいかな」

和歌山県田辺市の資産家で、紀州のドン・ファンと呼ばれた野崎幸助さんが亡くなってから、間もなく4年が経とうとしている。昨年4月、55歳年下の元妻が逮捕されたにもかかわらず、それ以降の展開に進展はなく、いまだに真相が明らかになる気配はない。

ドン・ファンは大切な絵画を家の中に飾っていた

彼の死後、いくつもの不可解な事態が起こったが、またひとつ、とんでもないことが起こった。ドン・ファンが所有していた絵画が、売られてしまったのだ――。

「それはルノワールや。2億5000万円ぐらいかな。そっちはシャガール。1億ぐらいか」

生前のドン・ファンと付き合いのあった筆者は、彼の自宅を訪問した時、彼が所有するいくつもの「絵画」を紹介された。ドン・ファンの自宅にはルノワールやシャガール、藤田嗣治などの画家が描いたという絵画がいくつも飾られていて、「さすがは資産家」とうならされたものだ。

生前の彼はマスコミの取材を受ける際、いつもこれらの絵画を紹介していた。大風呂敷を広げることもあったドン・ファンだから、記者のなかには本物かどうかを疑う者も少なくなかった。

しかし彼は、私の取材にこう断言していた。

「鑑定書は無くしちゃったんだけど、これらは全部本物ですよ」

彼は豪胆ではあったが嘘つきではなかった。きっとこれらの絵画は、彼の言う通り本物だったのだろう。

シャガールの絵。こうした絵画がいくつも飾られていたのだが…

ところがである。ドン・ファンが大切にしていたその絵画が、ついに売られてしまったのだ――一体どういうことか。

ドン・ファンの死後、注目されていたのが、彼の「遺産問題」である。筆者が関係者をくまなく取材した結果、預貯金や株・不動産などを中心に、彼の遺産は約30億円にのぼると試算した。これらの遺産は当然、彼の遺族が相続すると思われた。その4分の3を相続する権利があるのが妻だ。

前述のとおり、55歳年下の妻はドン・ファンを殺害した容疑で逮捕され、現在拘置所にいる。今後彼女が遺産を受け取れるかどうかはともかく、すくなくとも遺産の4分の1は遺族が取得する権利を有していた。

ところが、である。ドン・ファンの死後3カ月ほどが経った18年夏、突然ドン・ファンの「遺言」なるものが出てきた。そこには「私の財産は田辺市に寄付する」と書かれていたのだ。

この「遺言」を根拠に、19年秋に田辺市が「遺言を受け入れる」と表明。田辺市が独自に試算したところ、その額は約14億円とのことだった。

ドン・ファンが本当に田辺市に遺産を寄贈することを望んでいたなら、話はここで終わりなのだが、実はこの「遺言」の筆跡がドン・ファンのものとは違うことなどを理由に、20年夏、遺族(元妻は加わっていない)が田辺市を相手に「遺言は無効」と訴えたのだ。

現在もその裁判は進行中であるが、もしもこの「遺言裁判」で遺族側が勝った場合、田辺市は売却した資産を遺族側に弁済しなければならない可能性が高い。

こちらはルノワール

そんななか、ついにドン・ファンが所有していた絵画が、市によって売却された…というのだ。

それは3月11日のこと。田辺市の「企画総務委員会」のなかで、市が絵画を売却したことが、委員らに明らかにされたという。出席していた一人が明かす。

「野崎さんが所有していたシャガールの絵が1億円で売れたと報告していました。その額にまず驚きました。多くの人が、あの絵が本物かどうかということについて、半信半疑でしたから。売れた、ということは本物だったということでしょう。

一方で、遺言を巡って係争中なので、本当に売っていいんだろうか…?という疑問も頭に浮かびました。いったいどこに売ったのかなどの詳細についても説明がなかったので、不可解には感じましたね。そもそも1億円という価格が適正なのか、もっと高い可能性があるのではないか、裁判に負けた場合、どんな損害があるのか…いろんな疑問が瞬時に浮かびましたが、そうしたことについては結局語られませんでした」

もしドン・ファンの遺言が有効なものでなかった場合、田辺市はドン・ファンが大切にしていた絵画コレクションを、本人の意図を確認できないまま、どこかの業者かコレクターに売ってしまった…ということになる。裁判で遺族が勝った場合、この絵画は遺族のもとにちゃんと戻ってくるのだろうか。それとも――。

藤田嗣治の絵

本件について管轄する田辺市の契約課に尋ねたところ、

「絵を売却したかしていないかについてはお答えできません。(遺言無効裁判についても)お答えしません」

と取り付く島もなかった。

ドン・ファンの事件とその後については、死後4年経った今も人々の高い関心を集めている。田辺市はそのことを認識し、やましいことがないのであれば堂々と世間に向けて説明すべきではないだろうか。

  • 取材・文吉田隆

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