松山英樹「日本人初のグランドスラムは可能」と言えるワケ | FRIDAYデジタル

松山英樹「日本人初のグランドスラムは可能」と言えるワケ

ケガを押して出場したマスターズは14位も 前年王者の重圧の中で磨いたメンタル、 アプローチの目覚ましい向上

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昨年の『マスターズ』と同じトレーナーやキャディーで挑んだ。ケガに加え悪天候に見舞われる中でも″チーム松山″の総合力が支えに(写真:Kyodo News/Getty Images)
昨年の『マスターズ』と同じトレーナーやキャディーで挑んだ。ケガに加え悪天候に見舞われる中でも″チーム松山″の総合力が支えに(写真:Kyodo News/Getty Images)

日本時間4月11日に最終日を迎えた男子ゴルフ4大メジャーの一つ『マスターズ』。王者として挑んだ松山英樹(30)は予選を2位タイで突破したが、3日目にスコアを大きく崩し、最終的に14位タイでフィニッシュ。連覇を逃した。

今回、3月に発症した首の痛みを押しての強行出場だったが、ゴルフジャーナリストの武藤一彦氏は「実りの多い試合だった」と分析する。

「いままでの松山のスタイルは体力やパワーに頼った″若いゴルフ″でした。しかしケガで練習ができない、飛距離も出せない中、オーガスタでは18ホール全体を見て、勝負どころでギアを上げるメリハリのきいたゴルフができるようになった。ケガの功名ですが、プレースタイルの幅が広がったのは大きな収穫です」

実際に初日の12番では、第1打が小川に落ちるも、第3打でピンそば20㎝に寄せるスーパーショットを披露。絶体絶命のピンチをボギーで切り抜けた。

「メンタル面も大きく成長したと思います。メジャー王者としてのプレッシャーがかかる中でも、初日の12番のような勝負所のショットを次々に成功させた。この経験は大きな糧になると思います」(武藤氏)

得意とするアプローチにも、さらに磨きがかかった。プロゴルファーで解説者の沼沢聖一氏が語る。

「クラブをより鋭角に球にあてるように左肘(ひじ)を少し引き気味に構えていましたね。飛距離にもよりますが、だいたい1000回転くらいは多くバックスピンをかけることができます。これにより狙ったところに球をビタッと止めることができるようになりました」

今後は5月の全米プロ、6月の全米オープン、7月の全英オープンとメジャー大会が続く。「日本人初のグランドスラム制覇も見えてきた」と沼沢氏は言う。

「去年のマスターズ優勝で、メジャーで勝つための調整方法は掴んだはず。今回もケガがある中で、予選を2位通過とベストな調整はできていた。ビッグトーナメントに合わせたピークの持っていき方を確立できているのは大きいです」

懸念があるとすれば全英オープンだ。武藤氏が語る。

「松山は球足が伸びないよう、高い弾道で狙った箇所に落とす打ち方を得意としますが、全英は世界屈指の強風コース。この方法では風の影響をモロに受ける。苦手コースをどう克服するかが鍵ですね」

いまの松山なら逆風をも糧にして、さらに強くなるだろう。

 

『FRIDAY』2022年4月29日号より

  • 写真Kyodo News/Getty Images

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