艦隊司令長官や国防相も消えた…プーチンの大粛清「戦慄の背景」 | FRIDAYデジタル

艦隊司令長官や国防相も消えた…プーチンの大粛清「戦慄の背景」

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側近を静粛することにより孤立を深めるプーチン大統領(画像:AFP/アフロ)

もうもうと上がる黒煙。甲板が徐々に傾いていく。爆発炎上し、巨艦は海底へゆっくりと沈んでいった――。

ロシアのミサイル巡洋艦「モスクワ」を映したとされる動画には、その無残な最期が記録されている。「モスクワ」は黒海艦隊の旗艦だ。4月13日、ウクライナ政府は地対艦ミサイル「ネプチューン」2発を命中させたと発表。翌日、沈没が確認された。

「『モスクワ』は長距離対空ミサイルや防空レーダーなどを備え、首都の名前がついていることからわかるとおりロシア海軍を象徴する軍艦です。全長は180mほどで、約500人の乗組員が乗船していました。

前身は、74年に建造が決まった当時最新鋭のミサイル巡洋艦『スラヴァ(ロシア語で栄光を意味)』。黒海艦隊で唯一、長距離対空ミサイルを装備し、防空範囲は半径200kmに及びます。代表する軍艦が沈められたのですから、ロシア軍のショックは相当なものでしょう」(全国紙国際部記者)

ロシア側は沈没を認めたものの、ウクライナ軍からの受けた攻撃は否定。「搭載した爆薬が爆発」したためとしている。だが旗艦を撃沈された屈辱に、プーチン大統領の怒りは凄まじいようだ。

「ウクライナのメディア『ビジネスウクライナ』によると、黒海艦隊司令長官のイゴール・オシポフ氏が4月16日にロシア連邦保安庁により逮捕されたそうです。司令長官の逮捕には、当然プーチン大統領の考えが影響しています」(同前)

行方不明の理由は「心筋梗塞」!?

プーチン大統領による粛清が疑われる高官は、黒海艦隊司令長官だけではない。「プーチンの右腕」と呼ばれた人物も、一時行方がわからなくなっていた。ロシア情勢に詳しい、筑波学院大学教授の中村逸郎氏が語る。

「セルゲイ・ショイグ国防相です。ショイグ氏はモスクワ州知事などを歴任し、クリミア併合を成功させプーチン氏の信頼厚い人物ですよ。そのショイグ氏が、3月中旬から2週間ほど公の場から姿を消しました。ロシア国内では、心筋梗塞のため集中治療室に入ったと報道されています。

その後は、オンライン会議に参加。21日にはプーチン氏と会談しましたが、笑顔がまったく見られませんでした。顔がこわばり、プーチン氏は握手しようともしない。2人の間の深い溝を感じました。ショイグ氏は、何らかの強い制裁を受けているのかもしれません。過去にもプーチン氏に不都合な人々が、『心筋梗塞』を理由に姿を消した例はいくつもあるんです」

西側の複数のメディアは、ロシア連邦保安庁の幹部たちも逮捕され組織が改変されたと報じている。プーチン大統領がウクライナ侵攻以降、要人の粛清を進めているのはなぜなのだろうか。中村教授が続ける。

「理由は2つあると思います。1つは、日に日にロシア軍の犠牲が大きくなり、政府内にウクライナ侵攻に反発する声が強くなっているためです。おそらくショイグ氏も、プーチン氏のやり方に抗議し逆鱗に触れたのだと思います。

2つ目が責任のなすりつけです。自身の甘い見通しやウクライナ軍の実力軽視で苦戦に陥っているにもかかわらず、現場の指揮官たちのせいにしている。黒海艦隊司令長官の逮捕が本当なら、『モスクワ』沈没のみせしめでしょう。『失敗したらこうなるぞ』と示すことで、自国の兵士たちを脅しているように感じます」

いくら反発する側近たちを排除しても、事態は好転しない。プーチン大統領は粛清により、ますます孤立している。

  • 写真AFP/アフロ

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