ウクライナフィギュア女子選手が「16歳で引退危機」の哀しい背景 | FRIDAYデジタル

ウクライナフィギュア女子選手が「16歳で引退危機」の哀しい背景

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将来を嘱望されるシャボトワ。このまま引退に追い込まれてしまうのか。写真は20年3月の世界ジュニア選手権(画像:時事通信社)

有望な少女の進退が、窮まりつつある。

今年2月に行われた北京五輪フィギュアスケート女子シングルで、ただ一人のウクライナ代表として出場したアナスタシア・シャボトワ(16)だ。

「19年と21年のウクライナ選手権で優勝した、伸び盛りの選手です。生まれは、ロシアの首都モスクワ。3歳からフィギュアを始めました。

性格は奔放です。北京五輪でロシアのエース、ワリエワを演技終了直後に『なぜ戦うのを諦めたの?』と叱責し、『女帝』と恐れられるトゥトベリーゼ氏への発言で物議を醸したことがあります。19年1月、自身のインスタグラムで『安定した成績を残すために(トゥトベリーゼ氏が指導する)養成学校でドーピングが日常的に使われている』と暴露。ロシアのスポーツメディアがとり上げ、大きな騒ぎとなったんです」(スポーツ紙担当記者)

騒動で、ロシアに居づらくなったのだろうか。シャボトワは19年7月に、母親の母国ウクライナへ帰化し国籍を変更する。北京五輪には、同国代表として出場したのは前述の通り。今後の活躍が期待されていた。

「皇帝」の投稿に対し痛恨の対応

北京五輪でのシャボトワの演技

ところが……。

「今年2月、ロシア軍がウクライナへ侵攻するとシャボトワも時代に翻弄されます。彼女の運命を左右したのが、06年のトリノ五輪など国際大会で17の金メダルを獲得し『ロシアの皇帝』と呼ばれるエフゲニー・プルシェンコ氏です。プーチン大統領の熱烈な支持者としても知られます。

ウクライナへの侵攻後、プルシェンコ氏はSNSに『(ロシアの行動は)正当で必然的な軍事作戦だ』と投稿。この投稿に対しウクライナ国籍のシャボトワは、あろうことか『いいね!』を押してしまったんです。ウクライナでは、ロシアへの支持表明はタブー。代表資格を剥奪され、行方不明になってしまいました」(同前)

プルシェンコ氏は責任を感じ、ロシアへの受け入れを表明。だが同時に、シャボトワと音信不通になってしまったとも明かした。ロシアメディア『スポーツ24』は、こう報じている。

〈シャボトワはウクライナに戻れない。かと言って、ロシア代表チームの出場資格を得るのも困難だろう。第3国の国籍取得も難しい。彼女があまりにも政治化されていて、受け入れる国があるとは思えないからだ。16歳にして、引退する可能性は非常に高い〉

4月に入り、シャボトワの動向が判明する。ウクライナの青少年スポーツ大臣グッツァイト氏が、複数のメディア取材にこう明かしたのだ。

〈シャボトワは北京五輪にウクライナ代表として出場したが、侵攻が始まって以降ロシアへ移り住むことを決めた。そのため、私たちは彼女を代表から除外した〉

ロシアに移住したからといって、スグに競技を再開できるとは限らない。一度「敵国」ウクライナで活動していただけに、代表資格を得るのも相当ハードルが高いだろう。シャボトワの人生は、今後もロシアとウクライナの間で揺れ動くことになりそうだ。

北京五輪でのシャボトワの演技
  • 写真時事通信社

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