「独身・海老蔵」やり放題でもシングル親の恋は罪なのか? | FRIDAYデジタル

「独身・海老蔵」やり放題でもシングル親の恋は罪なのか?

「大人の恋」を考える~亀山早苗レポート

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<市川海老蔵は、歌舞伎界の宝なんだという。44歳。妻に先立たれ2人の幼い子どもを育てるシングルファザーだ。短パン姿で女性と歩いている姿がたびたび報じられるが、独身男の恋、問題はないのかも。では、これが女性なら? 大人の恋を取材するライター・亀山早苗さんが読み解く>

筋肉質なのかちょっと太っているのか。ムキッとした肢体を強調するファッションセンスが熱い44歳。独身、子あり。海老蔵の恋を考える 撮影:原一平

相手の女性たちが、口をつぐんでいるから

歌舞伎役者・市川海老蔵の身辺が喧(かまびす)しい。妻を亡くして5年。真偽のほどは不明ながら、義姉によって「愛妻家」「イクメンパパ」の内情が暴露され、あげくはSNSのナンパによる多重交際、パパ活疑惑まで報じられている。

とはいえ、海老蔵への批判は現状、それほど大きな声にはなっていない。彼が独身であること、少なくとも3人いる相手の女性たちが誰も彼について話をしていないからだ。相手女性が騒げば、もっと大きなバッシングになっただろう。

彼が「いろいろな女性とつきあいたかった」のか、「本気で恋をした」のか「寂しかったから」はわからない。どんな理由で何人とつきあおうが、他人がとやかく言うことではない。

これがもし、女性だったら?

だが果たして、これが逆だとどうなるか想像してみたくなる。著名人夫婦で、夫がいなくなり、妻は義母に子どもを任せて多重恋愛。いくら「再婚を視野にいれている」と弁明しても、おそらく今の社会なら、非難が殺到するだろう。

「母親であることと恋愛する女性であることは、両立しない」と思われがちだ。母親は絶対的な責任をもって子どもの面倒を見るべきだと思っている人が多いからだろう。今でこそ、父も子育てに関わるのが当たり前とされているが、かつては「父親は大事な局面で出てくればいい存在」だった。「母と子」の世界に、父が入りづらかった時代があった。その結果、「母と子」は、いくつになっても「ひとりの人間同士」の関係にはなれないままだった。子が男であっても女であっても。

子が女である場合、母は「毒親」と呼ばれるようなことも多々ある。子が男なら、下手をすると結婚したときに妻より母をとる大人になる可能性もある。「母子」には愛情と干渉と支配が混在する。ワンオペ母の孤独も社会的問題となっている。

ゆえあってシングルになったら、女性だって恋はし放題なはず。

「母であること」と「恋」を両立したい

以前、「離婚したばかり」というフランス人女性と話したことがある。

「周りが次の恋をしろとうるさい。私はひとり息子をひきとって仕事もして忙しいのに。離婚のショックからもまだ抜けきれていないの。それなのに週末になると、友だちが男性を紹介するから出ておいでと言ってくる」と苦笑していた。

子どもはベビーシッターに任せればいい、なんなら自分がめんどうを見ているからと言ってくれる友だちまでいるそうで、さすがは恋愛の国。日本人からみれば羨ましいような状況だ。一方で、「カップル文化」の国においては「おひとりさま」ではいられない苦悩もあるようだ。

日本だと、子持ちシングル女性の恋愛には周囲から厳しい目が注がれる。6年前に離婚、当時5歳の子を引き取って生活していた40代前半の女性はこう話す。

「離婚から1年半後に仕事で知り合った同じくバツイチの男性と恋に落ちたんだけど、私の親をはじめ、周囲はうるさかったですね。『まず子どものことを考えろ』『再婚は慎重にね』って。大人同士、知り合って惹かれて恋しているだけなのに。理解ある友人に子どもを預けて彼とデートしたときも、たまたまそれを知った別の知人から『子どもを預けて男と会っているなんて』と激しく非難されました。私の恋と子どもとは無関係ですが、わかってもらえなかった」

恋をするとバッシングされる。パートナーを見つけてデートしているだけで赤の他人が叩いてくる。母親というものはすべてを犠牲にして、子どもに尽くさなければいけない…とする風潮がいまだにあるのだ。

女も男も、結婚していようがいまいが、恋したい人はいる。したくなくても恋に落ちることもある。一夜の恋も含めてだ。

海老蔵も、すべてのシンママも

結婚歴のあるシングル女性は、恋をしたいと思ってはいけないのだろうか。子どもがいたら「小さいうちはダメ」だとしたり顔で言う人もいる。それなら、子どもがいくつになればいいのか。恋を棚上げして、子どもにすべてを捧げることで母親に不満がたまり、不安定になったり子どもに八つ当たりしたりする恐れもある。むしろ、外でデートしてセックスして、心身ともに母が満たされるほうがずっと重要なのではないだろうか。

時間的物理的に大変であっても、そこは大人なのだから、適度な匙加減で自分の幸福と、子どもとの時間の充実をはかれるはずだ。

いついかなるときも母には母の人生があり、子どもには子どもの人生がある。もちろん未成年のうちは親の責任は重い。だがそのことと「母が恋すること」は別の話である。ひとりの人間として、大人が自分の人生の充実を追求していくのは当然だし、そこに「恋」が入りこんでくるのも自然なこと。「子持ちシンママの恋」に他人が眉を顰めたり批判したりするのは余計なお世話である。

海老蔵に注がれる眼差しを、シンママにも、と願わずにいられない。

  • 取材・文亀山早苗撮影原一平

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