「荒天でも出せ!」知床遊覧船社長 海の素人のブラックな履歴書 | FRIDAYデジタル

「荒天でも出せ!」知床遊覧船社長 海の素人のブラックな履歴書

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謝罪会見で3度も土下座した桂田社長(画像:共同通信社)

およそ2時間半の会見で、土下座すること3度――。

北海道・知床沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU1」(以下「カズワン」。全長12m、19トン)が行方不明となる事故が起きてから4日後、4月27日になって運営会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)はようやく謝罪会見を開いた。しかし「午前中はシケていなかった」など、海の状況を判断する能力を疑うような説明に終始。安全意識の欠落を吐露する内容となった。

「土下座もパフォーマンスに見えてしまいます。社長は海の素人。事故の原因はなんだったのか、どこがいけなかったのか、よく理解していないのではないでしょうか」

こう話すのは、桂田社長を知る「カズワン」の母港ウトロ港近くに住む住民A氏だ。知人が「海の素人」と話す桂田社長とは、どんな人物なのだろうか。A氏が続ける。

「地元・斜里町から直線距離で60kmほど離れた、網走の高校に通っていました。下宿生としてね。卒業後は、茨城県の職業訓練校のような施設で陶芸の技術を学んでいたんじゃないかな。斜里町に戻ってきたのは、確か40歳を過ぎてからです。両親が経営していた、民宿やホテルを手伝っていました」

船長が〈ブラック企業で右往左往〉

桂田氏が親の後を継ぎ、「国民宿舎桂田」などを運営する「しれとこ村」の社長に就任したのは15年4月。「知床遊覧船」を買収したのは、翌年のことだ。

「先代の社長が高齢になったため、売りに出したそうです。名乗りを上げたのが桂田社長。事務所や船を、丸ごと数千万円で買い取ったそうです」(全国紙社会部記者)

だが、直後から「知床遊覧船」では内紛が起きる。

「桂田社長は旅館業のプロでも、海に関しては素人ですからね。ビジネス優先だったとか。海が荒れていても、利益を得るために『いいから船を出せ!』と指示していたそうです。反発した熟練の船員は、全員辞めてしまった。仕方なく、安い賃金で経験の浅いスタッフを雇いなおしたと聞いています」(同前)

今回、事故を起こした「カズワン」の豊田徳幸船長(54)も能力を疑問視されていた。「知床遊覧船」に入社したのは2年ほど前。その前は「日本水陸両用車協会」という団体で働いていたが、知床沖のような荒れることの多い海で船を操縦した経験は皆無だったという。

「通常は船の操縦技術が一人前になるまで3年はかかるといわれますが、桂田社長は『センスがある』と豊田さんを持ち上げ、1年ほどで船長にしたそうです。しかも一人で2隻を担当させた。マジメで寡黙だったという豊田さんは、要求を断れず悩んでいたのでしょう。自身のフェイスブックには、こう投稿しています。〈ブラック企業で右往左往です〉と」(同前)

豊田船長は、昨年6月に出航後まもなく浅瀬に乗り上げ船が座礁。業務上過失往来危険容疑で、今年1月に書類送検されている。冒頭で証言したA氏が語る。

「謝罪会見で桂田社長は、最終責任は『私』としながら『(事故を起こした船は)船長判断による出航』と話していました。責任を豊田さんに押しつけている印象を受けます。小型観光船はゴールデンウイークから就航するのが通例なのに、『知床遊覧船』だけ1週間近く前倒ししたのは利益を優先させたからでしょう。桂田社長が天候を無視し安全を軽視した結果が、今回の大惨事を生んだと思います」

遺族への説明会でも「(事故の原因が)わからないことも含め私のいたらなさ」と、曖昧に語った桂田社長。海について十分な知識がないままここまで来てしまった「危険な履歴」が招いた事故ともいえる。参加者からは「納得のいく説明をしろ!」「亡くなった人間のことをどう考えているんだ!」と怒号が飛んだという。

  • 写真共同通信社

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