炎上続きの吉野家が陥ってしまった「ダブルスタンダードの罠」 | FRIDAYデジタル

炎上続きの吉野家が陥ってしまった「ダブルスタンダードの罠」

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牛丼チェーン「吉野家」がまた炎上した。吉野家の新卒向け会社説明会に応募した大学生が、名前や大学名から「外国人」であると判断され、「就労ビザ取得が困難であること」を理由にして一方的に参加を拒否されたのだ。

なにかとトラブル続きの吉野家(AFLO)

吉野家から「お断りメール」を受け取った大学生が5月3日、

<ハーフだけど日本生まれ日本育ち国籍日本なのに向こうから急に説明会キャンセルされたんだけど!!!こんなのアリなん(絵文字)1番不快なお祈りメールだが(絵文字)>

という怒りの投稿をツイッターにアップ。日本国籍であるにもかかわらず「外国人」であると勝手に判断された挙句の参加拒否であったことに驚きが広がり、吉野家による「外国人差別」にあたるのではないかという批判がネットで殺到したのだ。

コンプライアンスに詳しい北島純・社会構想大学院大学教授は指摘する。

「今回批判を浴びているのは、採用をめぐる粗雑な対応が事実誤認に基づいていたということだけでなく、そこに透けて見える企業体質と言えるでしょう。

確かに、外国人を雇用する場合、就労ビザ(「技術・人文知識・国際業務」等の在留資格認定)を取得しているかどうかは採用時の判断材料になり得ます。

しかし、吉野家自身が「ダイバーシティ」をキーワードとして、「組織の活性化を目的に外国籍社員の積極的な登用を続けています」と自社サイトの採用ページで謳っている以上、採用予定者の就労ビザ取得は企業として協力・努力することであり、説明会への参加を問答無用で拒否するというのは、応募者をコケにするダブルスタンダードだという批判は免れないと言えます」

吉野家といえば、4月16日に早稲田大学の社会人向けマーケティング講座で、常務取締役企画本部長が「生娘をシャブ漬け戦略」と称して、「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢、生娘な内に牛丼中毒にする。男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」という暴言を吐いて大炎上したばかり。

親会社である吉野家ホールディングスは「人権・ジェンダー問題の観点から到底許容することの出来ない職務上著しく不適切な言動で、深くお詫び申し上げる」と謝罪し、常務を即日解任したが、予定していた「親子丼」CM発表会は中止に追い込まれた。

3月には、吉野家に220日以上来店して一回あたり300円以上を支払いすると「名前入りオリジナル丼」をもらえるという漫画『魁!!男塾』とコラボしたキャンペーンでも炎上している。

川越市のスポーツ施設経営者が条件をクリアして申請しようとしたところ、吉野家のお客様相談室長が「社会常識に照らし合わせて、施設名はどう考えても実名であるとは考えられません」、「差別行為にあたるとお考えでしたら、人権差別については法務局の所管となりますので、法務局にご相談されてはいかがでしょうか」と「塩対応」したのだ。この時も吉野家から送られたメールのスクリーンショットがツイッターにアップされて、大きな批判を集めた。

「近年の企業不祥事は、当事者がメールやLINEメッセージのスクリーンショットを「動かぬ証拠」としてツイッター等のSNSにいきなりアップすることが発端となる例が増えています。いわばSNSを使ったコンプライアンス問題の「内部告発」で、企業の体質が白日の下に晒される不意打ち効果は大です。

外食産業はそうした新しい動向とリスクへの対応が追いついていない企業が多い傾向があります。吉野家HDは東証プライム市場に上場し高度のガバナンス(企業統治)が要求される存在。内部統制、広報、危機管理を含めてコンプライアンスを早急に建て直し、SNS文化を前提とした消費者コミュニケーションを再構築する必要があります」(前出・北島教授)

相次ぐ不祥事に見舞われる吉野家だが、4月13日に公表した新中期経営計画では、牛丼、うどん(はなまる)に次いでラーメン事業を第3の柱に育てる経営方針を打ち出した。10年ぶりに復活した親子丼は美味しいと評判で、藤田ニコルを起用したCM自体は好評だが、はたしてこれらの「不祥事」を契機にして足元を固められるか。

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