2ケタ借金で低迷も…阪神・矢野監督が心酔する「精神論」の中身 | FRIDAYデジタル

2ケタ借金で低迷も…阪神・矢野監督が心酔する「精神論」の中身

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今年3月、兵庫県の西宮神社でお神酒を飲み必勝祈願した矢野監督(画像:共同通信社)
今年3月、兵庫県の西宮神社でお神酒を飲み必勝祈願した矢野監督(画像:共同通信社)

「『人はいつか死ぬ』『人生一度きり』など、インタビュー中に出た話は精神的な内容が大半でした。具体的なエピソードがほとんどない。原稿を書くのに苦労しましたよ」

スポーツ紙の阪神担当記者が、こう言って苦笑いする。

インタビューの相手は矢野耀大監督(53)。矢野監督率いる阪神が、開幕9連敗を喫するなどリーグ最下位に沈んでいるのはご存知の通り。借金はアッと言う間に2ケタを超え、5月中にも自力優勝の可能性が消滅する危機にある。

一向に調子が上がる気配のない阪神の選手やファンを悩ましているのが、矢野監督が傾倒する「精神論」だ。象徴的だったのは、1勝15敗で迎えた4月15日の巨人戦後のこと。矢野監督は「ちょっと大丈夫ですか」と記者たちを引き止め、1枚の色紙を掲げながら次のように語ったのだ。

「友人の文字職人・杉浦誠司さんに来てもらい、365枚ある札の中から1文字を引いたんです。ボクがチームをイメージしながら引き当てたのが『波』という文字(色紙には『波』についてのポジティブな言葉が書かれていた)。浮き沈みもあるけれど、大きな波を作っていこう。楽しむことが一番大事じゃないか、というメッセージをもらい戦いました」

試合前に勝利のハイタッチ!?

ビッグウェーブな色紙のご利益(?)か。同日、阪神は2勝目をあげる。ただ矢野監督は選手や応援してくれたファンへの感謝の言葉はなく、試合後に触れたのは友人からのメッセージだった……。

矢野監督の不思議な言動は、色紙紹介だけではない。大切にしているのが「予祝」という考えだという。

「夢が叶うことを想定し、前もって祝う農耕儀礼の一つだそうです。期待する結果を予め体現することで大きなパワーが引き寄せられ、願い事が実現するのだとか。矢野さんは、この考えに心酔しています。

『予祝』に関した出来事には事欠きませんよ。シーズンが始まっていないのに、チームの懇親会で『おかげで優勝できました!』と発言。試合前には、選手たちに勝利のハイタッチの練習をさせています。今年2月のキャンプではエースの西勇輝らが退任を表明している監督に気を遣ったのか、矢野さんを何度も『前祝い胴上げ』していました」(前出の担当記者)

『週刊ポスト』(5月20日号)によると、矢野監督に大きな影響を与えているのが『前祝いの法則』などの著書があるメンタルトレーナーの大嶋啓介氏だという。「予祝」の考えも、大嶋氏から教わったとか。同誌は、選手にも大嶋氏の著書を配っていると報じている。

「矢野さんはセラピストや心理学に詳しい専門家を招き、練習の一環としてメンタルトレーニングを導入しています。精神的訓話が1時間以上に及ぶことも。選手は困惑気味ですよ。

矢野さんは『人生は一度きりなんだ。前向きに楽しもう』とポジティブです。借金が増える一方の今季は、さすがに塞ぎ込みがちで例年ほどの元気はないですが……」(同前)

熱心な「予祝」も虚しく、阪神にビッグウェーブが起きる気配は今のところ、ない。矢野監督の心願成就は、日に日に困難な状況となっている。

  • 写真共同通信社

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