クラゲに魅了されたカメラマンがとった「不思議な生命体」 | FRIDAYデジタル

クラゲに魅了されたカメラマンがとった「不思議な生命体」

約5億年前に誕生し、 その種類はなんと3000以上。 妖しくも美しい姿には理由があった 半透明な体にカラフルな触手。観るだけで癒やされるクラゲの世界を覗いてみよう

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キタユウレイクラゲ

世界最大のクラゲとして知られ、傘の直径2m、触手30m以上の個体が確認されている。身を寄せているホカケアナハゼのように魚がクラゲを隠れ蓑(みの)にするのは珍しくない

今や全国各地の水族館で人気のクラゲは、約5億年前に誕生してから、現在わかっているものだけで3000種以上も存在する。クラゲは、イソギンチャクなどと同じ刺胞(しほう)動物の仲間だ。

一方で、名前に「クラゲ」がついても、「クシクラゲ」と総称されるカブトクラゲなどは、体表に櫛板(しつばん)が並ぶ有櫛(ゆうしつ)動物に分類される。科や属まではわかっても、DNA鑑定をしなければ厳密な種類が断定できない場合が多い。水族館で展示していたクラゲが実は新種だったという事例もあり、くわしい生態は未だ不明だ。

そんなミステリアスなクラゲに魅了された写真家・水口博也(みなくちひろや)氏が語る。

「毎年夏に訪れていたアラスカで、ミズクラゲの群れに出会ったことがクラゲ撮影にハマるきっかけになったんです。

ダイビングスーツを着て水中に潜ると、柔らかなゼリーのようなクラゲの体が顔に触れるのを感じました。ミズクラゲは強い毒を持っていないため、このような接触が楽しめます。海面から差し込む光がミズクラゲの体を通り抜け、翡翠(ひすい)色を帯びて見える光景は幻想的でした。

クラゲは光の当て方で様々な表情を見せてくれます。種類によって水中から撮影することもありますが、掬(すく)い上げて水槽に入れライトを当てると、水中では見えなかった細部まで写し出すことができます」

ふわりと漂い、近づけば危険なこともある。その妖しくも美しい生命体に、多くの人がロマンを感じているのだ。

タコクラゲ属の1種

体内に、藻類のひとつである褐虫藻を共生させているため、日中は水面近くを泳いで光合成をし、日没後は海底近くで静かに漂う。

タコクラゲ属の1種

ミズクラゲ属の1種

ミズクラゲ属は世界中で21種確認されているほどもっとも一般的で、全国の海や水族館で見ることができる。

ミズクラゲ属の1種

アカクラゲ

日本近海でよく見かけるクラゲの一種。褐色の縞(しま)模様が特徴的で、個体ごとに模様は異なる。毒性が強いため近寄ってはいけない。

アカクラゲ

オワンクラゲ属の1種 (右上)
緑色蛍光タンパク質を生物学者の下村脩氏が発見・開発したことが評価され、’08年、ノーベル化学賞を受賞した。
ハナガサクラゲ (左上)
日本の本州中部から九州沿岸に生息している。昼間はじっとしている夜行性のクラゲだが、触手に強い毒を持つため触ってはいけない。
カブトクラゲ科の1種 (中央)
有櫛(ゆうしつ)動物の特徴である櫛板(しつばん)を動かして水中を進む際に、細かな繊毛が光を反射することでプリズムのような輝きを放つ。
ウミコップ属の1種 (右下)
お椀状の傘径は2㎝ほど。日本近海には複数種存在するといわれる。傘の上にはクラゲノミが寄生し、乗り物として利用している。
バテイクラゲ (左下)
丸みを帯びた体にいくつも突起があり、前面からは馬蹄型に見える。驚くとゼラチン質でできた体が一時的に白色に変化する。

オワンクラゲ属の1種 (右上) ハナガサクラゲ (左上) カブトクラゲ科の1種 (中央) ウミコップ属の1種 (右下) バテイクラゲ (左下)

『世界で一番美しいクラゲ図鑑 海中を優美に浮遊する神秘的な生態』編著・水口博也/戸篠祥(誠文堂新光社刊)が発売中

『FRIDAY』2022年5月20・27日号より
  • 撮影水口博也 横田有香子(ウミコップ属の1種・バテイクラゲ)

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