新庄監督が激怒で動き出す日ハム「トレード候補の選手名」
珍しく、怒りに満ち満ちたコメントだった。
「1軍に残りたいという姿勢がまったく見えない。バットを出さない限り一生結果は出ない」
日本ハムの新庄剛志監督が激怒したのは、2対4で破れた5月10日のオリックス戦だ。新型コロナウイルスがチーム内で拡大し吉田正尚など主力を欠くオリックスに対し、打線は4番・野村祐希の2ラン以外は沈黙。10三振を喫した。守備では、捕手の宇佐見真吾が3塁走者のスタートに気づかず本盗を許すなど乱調。点差以上の一方的な展開で、日ハムの借金は一時今季ワーストの14に膨らんでいた(成績は5月12日現在)。
「新庄監督が怒るのも、もっともですよ。今季は来季以降戦力になる選手を見極めるシーズンと割り切っているようですが、試合内容が悪すぎます。チーム本塁打は33とリーグトップなのに、三振数は323とワースト。得点がホームラン頼みで、攻撃が淡白なんです」(球団関係者)
10日の打線は、空回りぶりが象徴的だった。9番で先発出場した今川優馬が2打席連続三振に倒れると、途中交代させ片岡奨人を起用。だが、代わった片岡も見逃し三振に終わるという悪循環となった。
「不甲斐ないチームに活を入れるために、他球団の元気の良い選手の大量獲得に動くかもしれません。実際、新庄監督は5月2日にこう発言しています。『どんどんトレードできたら。7対7くらいの』と」(同前)
「違うんだよなぁ」
新庄監督が頭を痛めるのが、「この3人で(クリーンナップが)固まってくれたら」と期待する若手選手たち。冒頭のオリックス戦で主軸に名を連ねた、3番・清宮幸太郎、4番・野村、5番・万波中正だ。3人の中で、特に「重症」の選手がいる。一人だけ無安打に終わった清宮である。
「4打数でヒットなし。内容もボロボロです。4回の無死1塁の好機に見逃し三振。8回の一死1塁の場面では、フルカンウントまで粘るもあっさりセカンドフライに倒れています。
新庄監督は、たびたび清宮に『違うんだよなぁ』とダメ出しをていしています。4月30日のロッテ戦では、第1打席にタイムリーヒットを放った清宮を第4打席で交代させました。新庄監督は、理由をこう語りました。『凡打でもいいから、オレのイメージどおりに振れば交代はなかった。三振でも、次は期待できるなっていう感じだったら使うし』『間がない。開幕したときの間がないよね。ベッタリ感というか、早めにタイミングとって打っている感じ』と」(スポーツ紙担当記者)
「7対7」のトレード発言が出た際、新庄監督はこうも話している。「(広い札幌ドームで)フェンス直前の当たりが(球場が)狭かったらホームラン。(一方で)足の速い選手がここ(札幌ドーム)に来たら守備範囲が広くなり、レギュラーをとれるチャンスが増える」と。
「長打力があっても足の遅い、清宮を念頭に置いた発言ではないかと言われています。イメージ通りのバッティングをしてくれない清宮に対し、新庄監督が不満を募らせているのは事実でしょう。トレードで放出されるというのは、決して架空の話ではない。新庄監督は、思っている以上にシビアです。このままの状態では、チーム内に清宮の居場所は無くなってしまうかもしれません」(同前)
怒りの顔を見せ始めた「ビッグボス」。指揮官の期待に応えなければ、「甲子園のスター」ともてはやされた清宮が日ハムのユニフォームを着続けることは難しそうだ。
- 写真:共同通信社