日本選手権開幕!ロコ・ソラーレに立ちはだかるライバルたちを直撃 | FRIDAYデジタル

日本選手権開幕!ロコ・ソラーレに立ちはだかるライバルたちを直撃

「日本カーリング選手権」5月21日開幕! 

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2連覇を狙う「フォルティス」、銅メダル獲得のロコに全勝して優勝した「中部電力」

 

北京五輪でロコ・ソラーレが銀メダル獲得の大活躍を見せ、前回の平昌五輪よりも注目を集めたカーリング。その記憶も新しい中、5月21日~29日にかけてカーリング日本選手権大会が開催される。 

ロコ・ソラーレをはじめ、前回の日本選手権王者で五輪代表の座をロコ・ソラーレと争ったフォルティウス、2019年の日本選手権でロコ・ソラーレを破って優勝した中部電力、2018年日本選手権王者の富士急ら“女子4強”と呼ばれるチームを中心に、激しい戦いが繰り広げられることが予想される。 

その4強の中から、2連覇を狙うフォルティウスの吉村紗也香選手、2022年の世界選手権に出場した中部電力の北澤育恵選手の両スキップにインタビュー。ライバルたちの特徴や全日本選手権のポイント、チームの状態を聞いた(富士急はスケジュールが合わず、残念ながら取材できませんでした)。 

北京五輪での活躍も記憶に新しいロコ・ソラーレ。カーリングでは多くの場合、ほか競技と違い、国際大会でも選手は選抜ではなくチーム単位で出場する。一方、北京五輪で金メダルを獲得したイギリスのように、スキップの選手を中心に選手を選抜する国も(写真:アフロ)

フォルティウス:吉村紗也香「自分たちのストロングポイントは“粘り強さ”」

フォルティウスは、2021年11月まで北海道銀行に所属していた吉村紗也香、船山弓枝、近江谷杏菜、小野寺佳歩が2021年12月に独立して再スタートしたクラブチーム。現在は小林未奈を加えた5選手体制に。前回の日本選手権では優勝、続く北京五輪日本代表決定戦ではロコ・ソラーレと互角の戦いを演じ、最後の一投まで勝敗を争う好ゲームを展開した。今大会では2連覇を狙う。

吉村紗也香(よしむらさやか) 1992年1月30日生まれ、北海道北見市常呂町出身。大学時代に世界ジュニア選手権に3年連続で出場し、2013年大会で銅メダルを獲得。2021年カーリング日本選手権優勝
フォルティウス。左から小林未奈、船山弓枝、近江谷杏菜、小野寺佳歩、吉村紗也香

――フォルティウス体制となって環境の変化はありましたか?

吉村 2021年12月から今の体制でスタートを切って、当初はスポンサーさんがいない状況でしたので、正直不安はありました。今ではトップスポンサー2社、オフィシャルスポンサー2社、サポートスポンサー1社がついてくれていて、皆さんに応援してもらえるのはすごく嬉しいです。お陰さまで練習環境はそこまで変わらず、北海道銀行時代から大きな変化はありません。選手として集中できる環境になってきたので、大会に向けてしっかり結果を出せるようによい練習ができています。

――昨年から強化したポイントはありますか?

吉村 チームでの投げ方の統一にすごくを力を入れています。投げ方を統一することでアイスが読みやすくなりますし、コールもしやすくなります。石の軌道もチームで揃える分、ショットの精度を高めることができています。

――練習にバレエストレッチなども取り入れていますが、その効果は?

吉村 バレエストレッチを取り入れて約2年ですが、体の使い方が変わったと自分でも思います。アップウエイト(速いスピード)で投げるとき、体が柔らかくなったことで石のスピードを殺さずに力をうまく伝えられるようになりました。自分の理想のフォームに近づいているという実感があります。

――前回の日本選手権ではメンタルトレーニングも話題になりました。現在でも続けているのでしょうか?

吉村 以前はチーム(北海道銀行)の専任コーチがいましたが、今はチームとしてではなく、個人で別のコーチにお願いして続けています。北海道銀行時代に教わったことはチーム内で共有して、今でも実践しています。

――北京五輪でのロコ・ソラーレの活躍をどう見ていましたか?

吉村 オリンピックの舞台で銀メダルという素晴らしい結果を残し、私たちももっと強くなりたいと思いました。また、コミュニケーションの部分でも、少しのアイスの変化もみんなでしっかり情報を共有しながらやっていましたね。コミュニケーションは、もちろんほかのチームもしっかり取っていますが、その量がほかのチームより多いと思います。投げた後も、スキップの藤澤(五月)さんのところまで行って、石やアイス、曲がりの情報をリード、セカンド、サード、スイーパー、それぞれが、うまく共有しています。

――4強の中部電力、富士急の印象を教えてください。

吉村 中部電力さんはいつも冷静で淡々とよいショットを決めてくる印象があります。ソフトウエイトも上手いですが、特にランバックショットが上手いです。富士急さんはソフトウエイトが上手い印象がありますが、アップウエイトの精度もどんどん上がっています。

――古巣の北海道銀行との対戦もあります。

吉村 私自身は楽しみにしています! お互い、よいパフォーマンスができればと思っています。

――ロコ・ソラーレを含め、ライバルとの試合のポイントはどこですか?

吉村 その時のアイスをしっかり読んでショットをつなげていけるかがポイントになります。試合開始時間や、試合の中でもアイスのコンディションが違うので、みんなでより多くの情報を集めながら共有し、上手く調整して投げれるかが大事になってきます。

――やはり、コミュニケーションが大きなカギとなりそうです。

吉村 私たちは、今までよりもさらに情報を共有できるよう工夫を重ねてきました。以前は情報共有したいタイミングで話せていなかったりしたので「誰かが投げた後に、この選手が来て情報を共有する」という決まり事を作った結果、課題は解消できるようになりました。

――吉村さんが考える、フォルティウスの強みを教えてください。

吉村 自分たちでは“粘り強さ”だと思っています。北京五輪代表決定戦では負けてしまいましたが、最後の一投まで諦めない気持ちでプレーができました。2021年の日本選手権で優勝するまで勝てない時期が続きましたが、北京五輪を目標に、決定戦までつないだのはそういった自分たちの粘り強さです。

――日本選手権へ向けて意気込みをお願いします。

吉村 強いチームばかりなので一戦一戦気が抜けません。自分たちのベストパフォーマンスを目指し、最後まで諦めない姿を見せていきたいです。チームで日本選手権を連覇するという目標を共有し、毎日コツコツと積み重ねてきました。よい準備ができていると思います。1試合1試合カーリングを楽しみたいです。

中部電力:北澤育恵「のびのびと投げさせてもらっています」

中部電力は2019年の世界選手権で4位、2022年の世界選手権にも日本代表として出場。大会途中に選手が新型コロナウイルス陽性となり、予選最後の一試合を残して棄権となったが、最後まで予選通過の可能性を残しており、世界でも通用する実力を示した。2019年の日本選手権は平昌五輪で銅メダルを獲得して注目を集めるロコ・ソラーレを予選から3戦全勝で破り優勝。2021-2022年シーズンから北澤育恵がスキップとなり、試合ごとにメンバーを入れ替えながら戦うスタイルが特徴。

北澤育恵(きたざわいくえ)1996年10月12日生まれ、長野県佐久市出身。14歳からカーリングをはじめ、高校3年生時に中部電力カーリング部に加入。2017年、2019年に日本カーリング選手権優勝。2019年世界選手権4位
中部電力:左から石郷岡葉純、鈴木みのり、中嶋星奈、松村千秋、北澤育恵

――世界選手権での戦いを振り返って、いかがでしたか?

北澤 2019年の世界選手権とはオーダーもポジションも違うので、気持ちをリセットして望みました。予選途中で棄権になってしまいましたが、どの試合も粘り強く、最後まで諦めずに戦うことができました。世界でしっかり戦えたことは、日本選手権に向けての自信にもつながります。

――ポジションを入れ替えて戦うことについてのメリットを教えてください。

北澤 中部電力のチームとしての強みは、誰がどこのポジションでも投げられるところ。世界選手権では私以外にも松村、中嶋、鈴木がバイススキップとしてハウスに立ちました。誰がハウスに立っても試合ができますし、選手の入れ替えによって個々の力の底上げにもなっています。入れ替えについてはいろいろな意見がありますが、体力面では試合の数が減ることになるので、スイーパーの負担が減らせるのが利点です。また、試合に出ていないとき、リザーブ席で客観的に試合を見られることは、次にチームに入るときにプラスになると思います。

――北京五輪のロコ・ソラーレをどのように観ていましたか?

北澤 ロコ・ソラーレさんのよさは、明るいコミュニケーションと勝負強さ。そこがしっかり出ていた大会で、日本人として喜ばしいと思って観ていました。

――ロコ・ソラーレと戦ってみての印象は?

北澤 明るいコミュニケーションはチームカラーのようなもの。コミュニケーションを取ることによって、みんなの力がアップしていて、そこが強みだと思います。

――4強のフォルティウス、富士急の印象を教えてください。

北澤 フォルティウスさんはいつも粘り強く、最後まで諦めない戦いをしてきます。こっちが少しでもミスをすると、すぐに足をすくわれるので気が抜けません。富士急さんは爆発力があるチーム。作戦面もそうですが、攻めるプレースタイルなので、それがハマったときは強いですね。出場するどのチームもレベルが高いので、簡単に勝てない、タフゲームが続きます。日本選手権では、どのチームがというよりも“調子のいいチーム”が勝つと思うので、本番に向けて、ベストな状態に持っていきたいです。

――昨年から強化したポイントはありますか?

北澤 昨シーズンから今シーズンにかけて、石が一個通るくらいの間を通す基礎のライン練習を重点的にひたすらやってきました。基礎ができていないと投げが安定せず、それが昨シーズンの課題でしたが、練習のお陰で昨シーズンよりも安定して投げられるようになったと感じています。

――スキップになって投げの意識は変わりましたか?

北澤 これまでもフォースをやっていて、最後に投げることに変わりないので、気持ちの変化はなく、のびのびと投げさせてもらっています(笑)。スキップになったことによって、作戦を主に立てているので、攻める作戦をとったときは自分に責任がありますし、攻めた分、厳しいショットが回ってくるので、そういった部分で決めたいという気持ちは強いです。でも、変な気負いはせずにやらせてもらっているというのが正直なところです。

――日本選手権に向けて意気込みをお願いします。

北澤 来シーズンからオリンピックポイントに関わる世界大会があるので、優勝して、まずは世界選手権に出場したい。オリンピックを目指しているので、国際大会の経験が積める世界選手権出場は大きな目標。日本選手権まで、しっかりピーキングしていきたいです。チームメイトがしっかりセットアップを作ってくれると思っているので(笑)、私はみんなのことを信じてしっかり作戦を立てたいと思います。

2026年のミラノ・コルティナ五輪に向けて、新たな戦いが始まった日本のカーリング。実績十分のロコ・ソラーレを中心に、長年しのぎを削り続けているフォルティウス、世代交代を狙う中部電力、富士急ほか、生まれ変わった北海道銀行、巧者が揃うSC軽井沢クラブなど、群雄割拠となった女子カーリングシーンは、女子4強を中心に、どの試合も見どころになりそうだ。

  • 取材・文高橋ダイスケ

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