山中で亡くなった美咲さん…発生から3年「捜索難航の特殊背景」 | FRIDAYデジタル

山中で亡くなった美咲さん…発生から3年「捜索難航の特殊背景」

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4月29日に現場の山を訪れ報道陣の取材に応じたとも子さん。手にしているのは美咲さんが大切にしていたぬいぐるみ

悲しい鑑定結果となったーー。

5月14日、山梨県警は道志村の山中で見つかった肩甲骨のDNA型が、行方不明の小倉美咲さんと一致したと発表した。県警は「(肩甲骨は)生命の維持に欠かせない部位であるため、美咲さんは死亡していると判断した」と説明。死因は特定できていないものの、家族には鑑定結果を伝えたという。

当時7歳だった美咲さんが、山梨県道志村のキャンプ場で行方がわからなくなったのは19年9月のことだ。保護者らは、その日のうちに警察へ通報。事件、事故の両面から捜査が始まった。

「自衛隊も含め、捜索にたずさわったのは延べ1700人にのぼりました。しかし16日間にわたり付近をくまなく探しましたが、手掛かりになるようなモノは見つからなかった。家族の友人関係も調べたものの、事件性が疑われる情報もありません。やむをえず美咲さんが行方不明になった翌月、大規模捜索はいったん打ち切られたんです」(全国紙社会部記者)

情報提供の配布ビラは70万枚

捜索が打ち切られても、美咲さんの母親・とも子さん(39)はたびたびキャンプ場を訪れ愛娘を探し続けた。近くの「道の駅」などで配布したビラは、実に70万枚。メディアにも頻繁に出演し、情報提供を求めていた。『FRIDAY』(20年12月)のインタビューで、とも子さんは心境を語っている。

〈まさかこんなにも会えないとは、19年9月には思ってもいませんでした。1年以上も経っているので、今は身長も大きくなっていると思います。親としてその成長を見守れなかったことが悔しく、娘にも申し訳ない気持ちで一杯です〉

事態が急転したのは今年4月。ボランティアの男性が、キャンプ場から東へ600mほど離れた山中で頭部の骨の一部を発見したのだ。県警はミトコンドリアDNA鑑定の結果、「母親と血縁関係にあることに矛盾はない」と発表。さらに5月に見つかった肩甲骨をDNA鑑定し、美咲さんが亡くなったと判断した。

美咲さんが行方不明となってから、3年近くの歳月が経っている。なぜ大規模捜索をしながら、これまで重要な手がかりを発見できなかったのだろう。元徳島県警の刑事で、犯罪コメンテーターの秋山博康氏が語る。

「もちろん人間のやることですから、見落としていた可能性はゼロではありません。しかし、警察は決して手を抜いているワケではない。私も89年3月に徳島県内の山中で、4歳の男の子が行方不明になった案件にたずさわりました。ボランティアも含め100人近い人間が、1ヵ月にわたり山中をくまなく必死に捜索した。しかし行方不明になってから30年以上たった今でも、男の子は見つかっていないんです。

捜索が難航する理由は、大きく2つ考えられます。1つは大量の水。台風などが来たら小さな骨や所有物は遠くへ流され、どこへ行ったかわからなくなってしまう。2つ目が野生動物です。よく人骨から検出される唾液が、野生動物のモノだと鑑定されることがあります。つまり動物が骨をくわえて、遠方へ運んでしまうんです」

美咲さんの死因は特定されていない。事件か事故かも、明らかになっていないのだ。秋山氏は、今後カギとなるのが美咲さんが着ていた衣服や未発見の骨だと話す。

「今回は行方不明になってから3年近くが経ち保存状態が心配されますが、衣服には通常重要な要素が残されています。まず損傷の仕方です。動物に噛まれたような痕があるか、人と争ってソデが破れたりボタンが飛んでいないか、滑り落ちたために臀部がスリ減っていないか……。傷み方に、重要なヒントがあります。

骨も大切です。包丁などで刺されていたら、刃こぼれした先端が必ず骨の中に残っている。刃物の破片が骨の中にあったり、ノコギリで切断したような痕があれば、事件に巻き込まれた可能性が非常に高いことになります」

美咲さんについては、真相の一部が明らかになったに過ぎない。警察は今後も、事件と事故の両面から捜査を続ける方針だ。

  • 撮影蓮尾真司

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