冷蔵庫を戦車の部品に…困窮ロシア軍「強奪穀物」の呆れた使い道 | FRIDAYデジタル

冷蔵庫を戦車の部品に…困窮ロシア軍「強奪穀物」の呆れた使い道

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5月9日に行われた「対独勝利記念日」の式典で。プーチン大統領は多くの軍幹部を従え第2次世界大戦中の指導者のよう(画像:アフロ)
5月9日に行われた「対独勝利記念日」の式典で。プーチン大統領は多くの軍幹部を従え第2次世界大戦中の指導者のよう(画像:アフロ)

「ウクライナ側からの報告によると、ロシア軍はかなり困窮しているようだ。接収した戦車を調べたところ、装備に冷蔵庫や食洗機から取り出した半導体が使われていたという」

5月11日、米国のジーナ・レモンド商務長官が上院公聴会で驚きの報告をした。

ロシアは半導体の多くを、輸入に頼っている。ウクライナ侵攻で各国から制裁を受け外国から資材を調達できず、軍事部品の確保にさえ困っているようだ。ロシア情勢に詳しい、筑波学院大学の中村逸郎教授が語る。

「ロシア軍は、戦車や戦闘機などハードの面では最新鋭の兵器を揃えています。しかし半導体やネットワークなど、ソフトの面を軽視してきました。近代的な兵器の外観に対し、装備性能が追いついていないんです。

特に影響が大きいのが通信でしょう。無線は旧式で使いモノになりません。ロシア兵が通信手段として使っているのは、自分たちのスマートフォンや携帯電話です。スマホにはGPS機能がついているため、敵に居場所がバレやすい。ウクライナ軍からピンポイントで次々と攻撃を受け、被害が拡大。会話の多くが傍受されています」

「略奪品」は「商品」

不足しているのは、軍事部品だけではない。食料や医薬品が現場に行き届いていないため、ウクライナ住民から略奪。転売までしているという。米国メディア『ラジオ・フリー・ヨーロッパ』は、隣国ベラルーシ市民の次のような声を紹介している。

〈ロシア兵は、戦車に『商品』を満載して市場にやって来ます。すべてウクライナの人々から強奪した品物です。彼らは、私たちに『戦利品』を売りつけようとしている。おもちゃ、食器、タイヤ……なんでもあります〉

ロシア兵の横暴の背景には、著しく低下した士気とモラルがあるようだ。前出の中村教授が話す。

「軍内には、不正が蔓延しています。高官たちは、防衛費などを横領し私腹を肥やしている。そのため現場の兵士の間には報酬や食料が十分にいき渡っておらず、統制がとれない状態です。ロシア軍の内実は、規律などないに等しいマフィア集団のようなものなんですよ。

さらにウクライナ軍の予想外の反撃で撤退を余儀なくされ、ロシア兵はパニック状態にあります。危険な『ネオナチ』だと教え込まれているウクライナ人に、殺害されるのではないかと。極限の精神状態で、行動に歯止めがきかなくなっているんです」

さらに驚くべきニュースを5月13日に報じたのは、米国メディア『CNN』だ。ロシアはウクライナからの略奪品を隣国の市場で転売するだけでなく、輸出品として使おうとしているという。

「『CNN』によると、ロシアの貨物船『マトロス・ポジニッチ』がウクライナで奪った3万トンの小麦や農業機器を満載しているとか。目的は、地中海諸国への輸出と言われます。4月下旬にクリミア半島の港町セバストポリから、エジプトのアレクサンドリアに向かったそうです。

しかしウクライナ政府が貨物船の搭載物は略奪品であることを事前に伝えていたため、エジプト当局は入港を拒否。レバノンの首都ベイルートに目的地を変更しましたが、同国でも入港を拒まれたと報じられています」(全国紙国際部記者)

経済制裁やウクライナ軍の反撃で、もはや末期状態にある北の大国。プーチン大統領が復活を目指す「偉大なるロシア」の内実は、あまりにお粗末なようだ。

  • 写真ロイター/アフロ

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