炎上中の石井章議員が計上する「風評被害対策300万円」のナゾ | FRIDAYデジタル

炎上中の石井章議員が計上する「風評被害対策300万円」のナゾ

候補者について「顔で選んでくれれば1番」と発言し、炎上中の石井議員。実はかねてから「ネット対策」には力を入れており、政治資金収支報告書に多額の支出を計上していた

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炎上中の石井章議員

「顔で選んでくれれば1番」

日本維新の会・石井章参議院議員が炎上している。5月15日、日本維新の会の参院選栃木選挙区の立候補予定者の事務所開きの場で、「5人出るのが全部女性でしょ。年齢だけは若いということですが、顔で選んでくれれば1番取るのは決まってるんですけどね」と発言。

後に発言を撤回したが、候補予定者の容姿を取り上げる時代錯誤ぶりには批判が殺到し、自民党の茂木敏充幹事長も「極めて不適切」と批判するなど、永田町でも物議を醸している。

夏の参院選で北関東ブロック長を務める石井議員は、町議、市議などを経て’09年に民主党から出馬した衆議選に当選。その後、2度の落選を経て、’16年の参院選で維新の会の公認を得て国政に復帰した。今回の参院選では、再選を目指している。

日本維新の会所属の議員がその人物評をこう話す。

「一言でいえば、『我慢の人』。民主党時代は小沢一郎さんに目をかけられていましたが、それはその性格ゆえでしょう。目立つために自分が前へ、前へという議員が多い野党において、石井さんは一歩引いて物事をみながらバランスをとるようなタイプ。ウチでは珍しい他党との人付き合いにも長けた人物です。そういった昔気質な性分のため、党内での信頼も厚い」

炎上中の石井議員だが、実はかねてから「ネット対策」にはかなり力を入れていたようだ。

石井議員が代表を務める「日本維新の会参議院比例区第4支部」の最新の収支報告書(平成31年1月~令和1年11月分)には、こんな見慣れない支出が計上されている。

それは、「風評被害対策費用」というもの。石井議員は12回にわたって26万円以上を台東区の企業に支払っており、その合計額は318万円6000円にも及ぶ。言わずもがな、これはすべて税金である。

いったい、この「風評被害対策費用」とは何なのか。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授で、ネットと選挙の関連性を研究する西田亮介氏が言う。

「ネット選挙の解禁以降、ここ5年ほどで永田町の中でもITに関する意識は高まっています。特にSNS上での炎上は怖い、という認識が広まっている。政治家は公人のため、誹謗中傷にあたる水準は高くなるとされますが、ネット上での書き込みに対する削除依頼、検索順位の変動を行う政党、事務所は増えてきている。広報関係の支出で類似する項目は稀に見聞きしますが、それでも『風評被害対策費用』という名目の記載を見た記憶はないですね」

専門家でもわからないとなれば、当人に聞くしかない。本誌は石井議員に取材を申し込んだが、「国会会期中のため対面での取材はできない」との回答だった。そこで質問書を送付したところ、下記のような回答だった。まずは「風評被害対策費用」とは何なのかについて。

「主としてWEB上において、公人としての石井章の活動内容及び政治信条を中心とした人物像等につき事実とは異なる内容が重ねて掲示掲載等をされたため、それらの状況の調査及び内容の整理等の作業、それらのWEBサイト等の著名検索サイトにおける表示順位の確認等の作業、並びに、それらのWEBサイト等における反真実の摘示事実についての訂正や削除等の要請に関する作業を専門業者に委託したもので御座います」

公人である政治家には批判がつきものだ。わざわざ「風評被害」への対策をする必要があったのか。対策費用を計上した理由については、次のように答えた。

「多数に及びますため具体的なWEBサイト等の列挙は省略させて頂きますが、石井章の活動内容及び政治信条について事実とは異なる内容が摘示されているものや、石井章が反社会的勢力と関係を有しているかのように事実摘示されているものが連続して多数回に亘り掲示掲載等されたことにより、世に対して誤った情報が発信されていたため、有権者の方々に石井章の活動内容や政治信条等について正しい情報を知って頂きたいとの思いの下、当該対策を取らせて頂きました」

「具体的なWEBサイト」とは何のことか改めて尋ねると、「個人の方が開設しているものと思われるWEBサイト、その他、Twitter、Facebookなどにも代表されるSNS」とのことだった。

石井議員の回答を要約すると、ネット上の書き込みや投稿に対しての対策費用ということだろう。昨年には、政治資金に関する不祥事も取りざたされたこともある石井議員。ネット上に、さまざまな書き込みがされているのは事実である。

だがそれにしても、300万円を超える対策費用は高額すぎるのではないか。その額については、こんな回答だった。

「他の議員の方々にはWEB担当者として専門知識を有する者を職員として雇用し、今回ご質問を頂戴しております業務委託に関する業務の他、議員の広報WEBサイトの制作等を含めて担当させている例を見聞したため、当方でも当初はそのような方式を検討致しましたものの、その方式の場合には月額の人件費負担が40万円(年額の場合、賞与も含めますと600万円程度)を要することが分かりました。

その中で、当方で希望を致します業務を今回ご指摘の契約金額でご担当頂ける先が御座いましたので、専門能力者の職員雇用の方式ではなく、業務委託による外注の方式を取らせて頂いております。今回ご指摘を頂いております契約は、専門能力者を職員として雇用する場合の業務内容を外注するもので御座いますため、その単純比較が難しい面も御座いますが、費用面で専門能力者を雇用する場合に比し支出は低額に抑えられているものと思料致しております」

他の議員のほうが使っている、とは驚きだが、事実なのか。前出の西田氏が言う。

「少なくない事務所がこれに近い対策を行っているという可能性があります。政治とカネの問題で辞職した河井案里元参議院議員の公判の中でも、夫の河井克行元法相が、河井案里さんに対する書き込みなどをしているライバル候補者の検索順位を下げるといったネット対策を、WEB事業者に依頼をしていたことが明らかになっている。

石井議員の場合はむしろバカ正直に、分かりやすい形で収支報告書に記載してしまったようにも見えます。いずれにしろ永田町のSNS対策は高度化しており、氷山の一角です」

なお、石井議員によると、「風評被害対策費用」の支払いは現在も継続中とのことだった。今回の炎上を受けて、さらなる「費用」が必要にならなければいいが。

石井議員が代表を務める「日本維新の会参議院比例区第4支部」の政治資金収支報告書には、多額の支出が計上されている

取材・文 栗岡史明

  • 取材・文栗岡史明写真共同(石井章議員)

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