上島竜兵さん訃報でフジの独走報道を許さなかった「厚労省の怒り」 | FRIDAYデジタル

上島竜兵さん訃報でフジの独走報道を許さなかった「厚労省の怒り」

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5月11日に急逝した『ダチョウ倶楽部』の上島竜兵さん
5月11日に急逝した『ダチョウ倶楽部』の上島竜兵さん

《タレントの上島竜兵さんが5月11日に逝去され、死因が自殺である可能性があるとの報道・放送が行われていることを踏まえて、本日午前中に、『自殺報道ガイドライン』に即した放送・報道をしていただくよう、依頼文を送らせていただきました。》

厚生労働省がテレビ局などに異例の注意喚起を促す発表を行った。

事の発端は11日に急逝した、お笑いコンビ『ダチョウ俱楽部』のメンバー上島竜兵さんの報道だ。

厚労省は赤い字で大きく4項目を例に挙げた。

・自殺の「手段」を報じる
・自殺で亡くなった方の自宅前等から中継を行う
・自殺で亡くなった場所(自宅)の写真や動画を掲載する
・街頭インタビューで、市民のリアクションを伝える

明言こそしていないが、全文を読むと“テレビ局はいい加減にしろ”という怒りが行間から読めるのだ。

「一般的にみて、一番やりすぎたのはフジテレビの『めざまし8』でしょう。というのも、フジは午前7時30分ころから、その前の『めざましテレビ』内で上島さん訃報の第一報を出し、独走して報じていたのです。それ自体は報道の役割と言えるでしょうが、午前8時過ぎには上島さんの自宅前に到着し、リポーターが飄々とした口調で具体的な方法まで明かしていた。

近所の人にも上島さんの最近の様子などを聞いたと話していました。もちろん中継なのでモザイク処理などもできませんから、自宅が特定される危険だってある。なにかしら報じるべきことがあった時に報じるなら別として、なにも生放送中に行うことではなかったでしょうね。

その後『羽鳥慎一 モーニングショー』(テレビ朝日系)でも中継していましたが、これらの放送はネット上では大炎上となりました。名指しこそしていませんが、タイミングから見て、こうした報道の姿勢を、厚労省は懸念したことは間違いない。もっとストレートに言えば、許せなかったという部分があるのでしょう」(スポーツ紙記者)

『めざまし8』では出演していた“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏が

「WHOのガイドラインでは死因や場所の特定をしないと決まっている」

と番組サイドに苦言を呈した。スタッフの行動を批判するというのは出演者としては勇気ある発言だろう。

ツイッターでも賞賛されその後“尾木ママ”がトレンド入りしたほど。その“お叱り”を受け、同番組のリポーターは所属事務所に移動し、そこから再度中継を行った。だが、そもそもこのような中継をする必要があるのだろうか…。

「急に訃報が入ってきたこともあり、各局、追悼用のVTRなどを準備する時間がなかった。何かを伝えなければいけないという思いから、上島さんに関係する場所から生中継をするという手法を取ったのでしょう。しかし、自宅前に行っても何かが撮れるわけでもないですし、弔問客や遺族もいない。そうしたことをわかっていながら、“やってる感”を出すという行為は、もう見直される時期に来ているでしょうね」(ワイドショースタッフ)

’20年に竹内結子さんと三浦春馬さんが亡くなられたとき、自殺に関する報道のガイドラインが強化された。フジとテレ朝以外は、今回も慎重に取材している。

上島さんの訃報を、他社よりも先に「スクープ」として報じたフジテレビ。だが、その後の行き過ぎた取材で各所から反感を買ったことで、大きな代償を負ってしまったようだ。

  • PHOTO濱﨑 慎治

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