<figure id="attachment_244500" aria-describedby="caption-attachment-244500" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="71690c18"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/05/5c2b2091069956e0875d6f54f45fe308.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-244500" class="wp-caption-text">『竜兵会』行きつけの韓国料理店『オジャンドン』に飾られた記念写真。後輩との絆(きずな)の強さが伝わってくる</figcaption></figure>
冷たい雨が降る５月13日、都内の斎場で上島竜兵さん（享年61）の通夜が行われた。夕方５時すぎ、姿を現したのは『ダチョウ倶楽部』のリーダー、肥後克広（59）だった。その後、上島さんを慕っていた『竜兵会』メンバーの土田晃之（49）、劇団ひとり（45）、有吉弘行（47）らが続々と会場へ入っていった。皆、一様に下を向き、表情は険しかった。
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「やる気さえあれば、70歳になったって芸人はできる。笑わせるのが一番だけど、もう笑われてもいい。若手時代の気持ちを思い出して、『ダチョウ倶楽部』でもう一花咲かせたいね」
昨年８月、還暦記念のインタビューで本誌記者に語っていた夢は、１年たたずに潰(つい)えてしまった。
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上島さんと40年以上の親交があったタレントの山田邦子氏（61）が語る。
「優しい竜ちゃんが大好きでした。私ががんになったときは会うたびに『大丈夫ですか』と気遣ってくれたし、快気祝いでは、後輩なのにご馳走してくれた。私が誕生日に一人で居酒屋に行ったとき、偶然、竜ちゃんが同じ店にいたことがあって……。夜中なのに竜ちゃんはスーパーを片っぱしから回って、ワインやケーキを買ってきてくれて、お祝いしてくれたんですよ。『余計に虚しくなるね』と、２人で笑ったのを覚えています」
<figure id="attachment_244501" aria-describedby="caption-attachment-244501" style="width: 1604px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="5fe25574"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/05/f13a53bd5418333fc0679f8e81bc6d72.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-244501" class="wp-caption-text">昨年８月、本誌の還暦記念インタビューに登場した上島さん。早すぎる旅立ちに芸能界が悲しみに包まれた</figcaption></figure>
『竜兵会』が行きつけにしていた韓国料理店『オジャンドン』に上島さんの専用テーブルがある。そこには愛用のグラスと飲みかけのボトル、そして『竜兵会』メンバーの記念写真が飾られている。店主のキム・グムヨンさんが振り返る。
「後輩芸人と週２回は来ていましたね。『おい、上島！』と後輩にいじられていて、毎回にぎやかでした。ウチは朝５時までの営業なんですけど、『閉店だよー』と声を掛けても上島さんが『あと30分だけ』って粘る。結局、朝の６〜７時まで飲むんです（笑）。メンバーがいっぱいいるから、会計が数十万円になることもあったけど、必ず上島さんが払っていました。
最後に来てくれたのは昨年10月。番組の企画で『竜兵会』のメンバーが店で再集合したんです。帰り際、『久しぶり。また来るね』と言っていたのに……。お酒が好きというより、みんなが集まる飲みの場が好きだったんでしょうね」
リアクション芸の第一人者としてお笑い界に残した足跡は大きい。『絶対に押すなよ』『どうぞどうぞ』などの定番ギャグは老若男女問わず、今も愛されている。その背中は後輩芸人の憧れだった。お笑いコンビ『ＴＫＯ』の木下隆行（50）も魅了された一人だ。
「優しい人で、他の事務所の後輩芸人にまで気を遣っていました。ガチガチに緊張している若手がおると、『大丈夫、大丈夫』と声を掛けるんですよ。いつだったか、年末の特番でご一緒させていただいたとき、『ダチョウ倶楽部』さんの出番が僕たちのちょうど前やったんですよ。
上島さんはドカーンと笑いを取って、小道具の粉まみれになって、帰ってきはるんです。真っ白になった身体が勲章のように見えた。それで、シャワーを浴びながらこう言うんです。『これでいい年を迎えられるなー！』って。芸人の鑑(かがみ)、お笑い界の宝やったと思います」
上島さんは先述のインタビューでこんな感謝の言葉を口にしていた。
「リーダーはネタが書けて、（寺門）ジモン（59）はグルメ。デビューしてから36年間、僕は何もしなかった。でも、ビートたけしさん（75）や志村けんさん（享年70）が可愛がってくれて、番組に出させてもらった。『竜兵会』もこんな僕を慕ってくれて……。本当にありがたいですよ。僕が活躍できたのは、周りのみんなのおかげなんです」
今頃、大好きなお酒を片手に、後輩たちの活躍を天国から見守っていることだろう。
<figure id="attachment_244498" aria-describedby="caption-attachment-244498" style="width: 1048px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="10c37b52"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/05/3c7e1ee712cf455353b3af015e8bede0.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-244498" class="wp-caption-text">「売れない頃に可愛がってもらった恩は一生忘れない」と公言するひとりはラジオで「いつか笑い話に」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_244499" aria-describedby="caption-attachment-244499" style="width: 989px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="c4224eb9"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/05/2617fc0024a2287cc02ec0e6e41633ed.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-244499" class="wp-caption-text">有吉が還暦祝いに贈った高級腕時計「オメガ」を上島さんは宝物にしており、会場にも飾られていたという</figcaption></figure>
<figure id="attachment_244497" aria-describedby="caption-attachment-244497" style="width: 1042px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9d12c533"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/05/b1c8387c6876853f1105552887289acd.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-244497" class="wp-caption-text">『竜兵会』で広報部長として活動していた土田。出演番組では度々上島さんのエピソードを披露していた</figcaption></figure>
<figure id="attachment_244496" aria-describedby="caption-attachment-244496" style="width: 1021px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="9537af29"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/05/7ae99f25c99ce2737f45cfde64c8cfbb.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-244496" class="wp-caption-text">リーダーの肥後は憔悴した表情を浮かべていた。上島さんとは40年以上、お笑い界で苦楽をともにしてきた</figcaption></figure>
『FRIDAY』2022年6月3日号より

濱﨑慎治（1枚目）　小川内孝行（通夜）

5月某日、都内の斎場で執り行われた上島竜兵さん（享年61）の通夜には、彼を慕う多くの芸人が集まった。生前の上島さんと交流のあった人物は口々に、彼の温かい人柄を感じるエピソードを語るのであった――。

追悼・上島竜兵さん「不世出のリアクション芸人の愛され人生」

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